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ウォン安ドル高、韓国政府が介入するがお手上げ


  • ウォン安ドル高、韓国政府が介入するがお手上げ
  • 28日、ドルに対するウォン相場は前日終値(1265.2ウォン)比7.3ウォン下落した1272.5ウォンで終わった。同日午後、ソウル中区(チュング)のハナ銀行のディーリングルームの電光板に1ドル当たりのウォン相場が表示されている。[ハン・ジュヒョン記者]

韓国の外国為替市場が日米欧発の悪条件に見舞われウォン安が急速に進んでいる。洪南基(ホン・ナムギ)副首相兼企画財政部長官が「外国為替市場の安定に向けた努力を傾ける」とし2日間で対応の水位を一層高めたが、1ドル当たりのウォン相場はむしろ10ウォン近く下落し、1270ウォン台に落ち込んだ。専門家たちは米国との通貨スワップを修復し金融安全網を復旧しなければならないとアドバイスした。

28日、ソウル外国為替仲介によると同日のウォン相場は前日終値(1265.2ウォン)比7.3ウォン下落した1275.5ウォンで終了した。1ドル当たりのウォン相場は、コロナ19の拡散による経済危機が発生した2020年3月19日(1285.7ウォン)以来、約2年1か月ぶりの最安値となった。当時、ウォン相場はコロナ19以降急激に下落したが、韓米の通貨スワップが締結された直後から安定を取り戻した。

ウォン相場が連日急落し外国為替市場の不安定性が高まると政府も対応の水位を高めている。洪副首相は同日、非常経済中央対策本部会議で外国為替市場の状況について「急激な市場の偏りが発生しないよう綿密にモニタリングしている」とし「必要な場合、市場安定の努力を傾けていく」と強調した。洪副首相は「今週に入ってウォンウォン安ドル高が早まっている状況だ」とし「これは米連邦準備制度(FED)の緊縮速度強化の可能性、中国封鎖措置による景気鈍化への懸念など対外的要因に起因するものでドルを除いた、その他の主要通貨も軒並み軟調だ」と伝えた。これは26日、外為当局がウォン安に対して口頭で介入するメッセージを出して以来、対応の水位を一段階高めたものだ。問題は、当局が相次いでウォン安ドル高の圧力を防ぐには力に余るという点だ。実際、同日の洪副首相の発言後、ウォン安のスピードはむしろさらに速くなった。

主要6か国の通貨に対するドル価値を示すドルインデックスは同日、130.69まで跳ね上がり2017年1月以降、最高値を記録した。

米国財務省が韓国を「為替観察対象国」と見ている状態で当局が積極的にウォン相場を抑えるのは難しいという点も負担だ。これに対し昨年末に終了した韓米通貨スワップと2015年に中断された韓日通貨スワップを再び復旧し金融安定網を復旧すべきだという声が強まっている。

権泰信(クォン・テシン)韓国経済研究院長は「主要国通貨の緊縮により資本流出発生の可能性に備え米国、日本などと通貨スワップを締結する必要がある」と説明した。このうち国家の「外貨非常金」である外貨準備高が急速に減っている。外貨準備高が昨年10月4692億1000万ドルで過去最高を記録した後、貿易赤字とドルに換算した保有高が急減し先月4578億1000万ドルにまで減少した。

ウォン安は4月に入って急激に進んでいる。対ドルウォン相場は前月末比4.98%下落した。外国為替市場は12日(現地時間)、米国労働省が前年同期比で米国の消費者物価指数(CPI)が8.5%急騰したと発表すると大きな衝撃を受け始めた。米国連邦準備制度の緊縮的通貨政策が予想されドルの価値が急激に上昇した。さらに、中国のコロナ19拡散に伴う封鎖措置も影響を及ぼした。中国防疫当局は、コロナ19の拡散に対応して上海を封鎖したのに続き北京住民を対象にコロナ19PCR検査を実施し伝染を防ぐための措置に突入した。中国経済の減速への懸念と共に人民元の下落を受け、ウォンも同調化現象を見せているという分析が出ている。ハナ銀行のソ・ジョンフン先任研究委員は「中国と韓国経済の関連性が高まり人民元とウォンの同調化現象が強くなった」と伝えた。

ロシアのウクライナ侵攻が欧州経済に及ぼす悪影響も悪条件として作用している。ロシアが欧州連合(EU)加盟国のポーランドとブルガリアに天然ガスの供給を中断すると27日(現地時間)、ユーロに対するドルの価格は1.0515ドルまで上昇した。ユーロ相場は2017年5月以降、5年ぶりの最安値を記録した。同日、ウォン相場を最も大きく引き下げた要因は日本銀行(BOJ)の金融緩和政策の維持発表だ。

BOJは前日から2日間続いた金融政策決定会議を通じて短期政策金利を0.1%、長期金利を0%に誘導する金融緩和政策を持続することにした。このためドルに対する円相場が20年ぶりに最安値に下落し1ドル当たり130円が割れる現象も発生した。新韓銀行のベク・ソクヒョンエコノミストは「人民元、ユーロ、円が相次いでドル高に影響を及ぼし、ウォン安ドル高を牽引している」と分析した。
  • 毎日経済 | キム・ジョンファン記者/キム・ユシン記者
  • 入力 2022-04-28 17:54:41




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