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SK・ハンファ・現代、石炭を捨ててLNG発電に転換


韓国をはじめ各国政府が気候変動への対応に向け脱炭素エネルギー政策を推進している中、発電公企業だけでなく民間企業も液化天然ガス(LNG)発電事業に参入している。炭素排出量が石炭発電の半分に過ぎないうえ新再生可能エネルギーより発電単価が安いLNGを通じて安定的な電力源確保に乗り出したのだ。

9日、業界によるとSKケミカルは2024年の稼動を目標に4200億ウォンを投資し蔚山(ウルサン)工場内の石炭発電設備をLNG熱併合発電設備に転換している。有煙炭やウッドチップ、オイルの代わりにLNGや液化石油ガス(LPG)を燃料として使って炭素排出量を減らす一方、政府の分散エネルギー拡大政策にも参加するためだ。このため昨年12月、蔚山工場のユーティリティ供給事業部門をSKマルチユーティリティに物的分割した。

SKケミカルは蔚山工場近隣の3万7965平方メートル規模用地の上に最大300メガワット(MW)級のLNG発電設備を建設し工場稼動に必要な電力と熱エネルギーを需給する方針だ。発電に必要なLNGとLPGは近くのSKガスターミナルから供給する計画だ。現在、SKケミカルは蔚山工場で環境にやさしい化粧品容器素材であるコポリエステルなどを生産している。

SKガスは子会社である蔚山GPSを通じて1兆2000億ウォン規模の世界初LNG・LPG複合発電所事業に参加している。SKガスは先立って2014年東部グループ傘下の石炭火力発電所の持分を買収したが、LNG・LPG複合発電へと事業方向を変えた。新規複合発電所の発電容量は原発1基に匹敵する1.2ギガワット(GW)規模であり2024年に稼動する予定だ。事業推進のため韓国石油公社とともにLNGターミナル合弁会社であるコリアエネルギーターミナル(KET)も設立した。

民間発電事業者であるハンファエネルギーも250メガワット級の麗水(ヨス)石炭火力発電所をLNG発電所に転換する案を検討している。ハンファエネルギーは麗水と群山(クンサン)で有煙炭ボイラーを回して近くの事業場に電力を供給している。特に系列会社であるハンファインパクトがLNGガスタービンに水素を混合して燃やす水素混焼技術まで開発しており今後、該当事業に進出する可能性も提起されている。

LNGは韓国はもちろん欧州でも太陽光、風力とともにグリーンエネルギーに分類されている。LNG発電所の炭素排出量が石炭発電所の半分に過ぎないうえ発電単価もやはり新再生可能エネルギーよりも低い。電力とスチームを同時に生産する熱併合発電の構造上、エネルギー効率も優れているという評価を受けている。

化石燃料から水素などクリーンエネルギーに転換する過渡期的な時点でLNG発電の利用は、さらに増える見通しだ。精油業界では現代オイルバンクが大山(デサン)工場の電力所要量の70%を自家発電で充当するために4000億ウォンを投資しLNGとブルー水素を燃料に使用するエコ発電所を建設している。LNGに水素を混ぜて燃やす水素混焼発電を通じて温室効果ガス排出量を最大67%削減するという構想だ。

民間発電子会社を持っているSKE&Sも炭素捕集・貯蔵(CCS)技術を融合させ低炭素LNG発電事業を推進している。最近では現代自動車も蔚山完成車工場近くにLNG発電所を建設し電力を直接生産する案を検討している。

ある財界関係者は「短期的には電力を購入して使うのが収益性の側面で有利だが、中長期的に韓国電力の累積赤字、国際原油価格の不確実性などを勘案すれば電力料金が上昇する可能性が高い」として「大規模投資資金が必要だが、国内に生産基盤を保有した大企業がLNG発電事業に注目する背景」と説明した。
  • 毎日経済 パク・ユング記者
  • 入力 2022-05-10 17:28:53




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