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米国の高インフレ・中国の景気減速・韓国の補正予算 底が見えないウォン相場


  • 米国の高インフレ・中国の景気減速・韓国の補正予算 底が見えないウォン相場
  • インフレへの懸念と米通貨当局の金利引き上げの可能性でウォン安が進んだ。12日、ソウル中区(チュング)ハナ銀行のディーリングルームで、ある職員が業務を行っている。[キム・ホヨン記者]



外国為替市場で米国の高いインフレ、中国の景気減速、韓国の大規模な補正予算案の編成という悪条件が重なった。ウォン相場は世界金融危機以来、約13年ぶりの最低水準まで下がった。市場では新政権発足の過程中に発生する政策混乱まで加わり、ウォン安ドル高が進んでいるにもかかわらず当局が沈黙を貫き外国為替市場の不安感を高めていると指摘した。

12日、ソウル外国為替仲介によると1ドルあたりのウォン相場は前日終値(1275.3ウォン)比13.3ウォン安の1288.6ウォンで取引を終えた。ウォン相場が1285ウォン以下に下がったのは、2009年6月の世界金融危機以来、約13年ぶりのことだ。同日の外国為替市場は予想を上回った米消費者物価指数(CPI)上昇率の影響を強く受けた。米国の4月の消費者物価指数は前年同月比8.3%上昇し、専門家たちの予想値である8.1%を上回った。高いインフレにより米国連邦準備制度(FED)がさらに強い緊縮を断行する恐れがあるという憂慮に安全資産であるドル買いが加わった。

ウォン相場は中国の人民元価格と同調化現象を見せウォン安が続いている。中国がゼロコロナ政策を展開し景気鈍化に対する憂慮が高まると人民元価値も下落幅が大きくなっている。この日、香港金融市場で1ドルあたりの人民元価格は6.78元まで下がり、2020年10月以降最低水準を記録した。11日、中国で3位の不動産開発会社であるスナックチャイナが債権利子を支給できなかったというニュースが伝えられ中国経済に対する憂慮が高まった。新韓銀行のペク・ソクヒョンエコノミストは「中国が最大輸出国という側面から見ると中国不動産市場の異常兆候は韓国にも否定的影響を及ぼすほかはない」と説明した。

政府が推進する補正予算の編成がウォン安を煽るだろうという見方も出ている。政府は、この日「33兆ウォン+α」規模の補正予算を編成するための臨時国務会議を開いた。今回の補正予算は「コロナ営業制限」で被害を受けた小商工人と自営業者に1人あたり少なくとも600万ウォンを支給するためのものだ。ただ、小商工人の損失補償額が一気に支給されれば市中通貨量が急激に増え、ウォンの価値がさらに下がるしかない。新韓銀行のソ・ジョンフン先任研究委員は「米国からの輸入インフレにより物価上昇率が高まっているが、補正予算まで加わると火事になった家に油を注ぐようなもの」とし「補正予算により通貨価値下落が続くほかはない」と分析した。

同日、外国為替市場は高い変動性を示したが、外国為替当局は口頭介入をしなかった。このような沈黙がウォン安に一役買ったという評価も出ている。ある金融界関係者は「ウォン貨の価格急落にもかかわらずメッセージが出てこなかったことについて市場参加者たちは政府交替過程の混乱と見ている」と伝えた。

ウォン安は5月に予定されている韓国銀行の金融通貨委員会会議にも影響を及ぼすものと見られる。米連邦準備制度がビッグステップ(基準金利0.5%ポイント引き上げ)を超え、ジャイアントステップ(0.75%ポイント引き上げ)を断行する可能性が提起されている中、韓国と基準金利の格差が縮まれば、ウォン安がさらに急激に進む恐れがあるためだ。ソ先任研究委員は「現在のウォン価値の動きと補正予算による物価上昇幅を勘案すると、今月開かれる韓国銀行(韓銀)の金融通貨委員会(金通委)で通貨政策に先制的に対応する必要性を感じるものと見られる」と説明した。
  • 毎日経済 | キム・ユシン記者
  • 入力 2022-05-12 17:55:28