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翼を失ったウォン相場 金融危機以降最も強い下落の勢い


ロシアによるウクライナ侵攻が始まった2月末以降、対ドルのウォン相場の下落速度が2008年の世界金融危機以来、最も速いと集計された。

韓国銀行は9日「通貨信用政策報告書」を通じてこのように明らかにし、勢いの強いウォン安が物価上昇を煽っていると指摘した。韓国銀行によると2月25日から5月20日まで、ウォン相場は1ドルあたり66.5ウォン下落した。1日に1ドルあたり1.15ウォンずつ下落したわけだ。最近を含め、金融危機後に現れたウォン安期の中でも最も勢いが激しい。金融危機当時(2008年9月~2009年3月)には1日平均3.41ウォンほど、対ドルでのウォン相場が下落した。

韓国銀行はウォン相場の下落が国際原油価格、原材料価格上昇と合わさって物価をさらに引き上げていると分析した。ウォン相場の下落が物価を引き上げる影響を示す物価転嫁率は第1四半期0.06と推定された。ウォン相場が1%低くなるたびに物価は0.06%ポイント高くなるという話だ。四半期ごとに発表される転家率が0.06まで上がったのは2017年第4四半期以降初めてのことだ。2019年第4四半期以降、転家率は高まり続けている。

また、韓国銀行は今年第1四半期の消費者物価上昇率(3.8%)のうち、ウォン相場の物価上昇寄与度は約9%(0.34%ポイント)だと説明した。ウォン相場が安定していたとすれば第1四半期の消費者物価上昇率が3.46%に下がったかもしれないという話だ。

一般国民の今後1年間の物価上昇の見通しを示す期待インフレが急上昇することも通貨当局の悩みを深めている。

韓国銀行の関係者は「短期の期待インフレが韓国銀行の物価安定目標(2%)水準を相当幅上回っており、長期の期待インフレも目標水準に上昇した」と懸念した。続いて「期待インフレを媒介として最近の強い物価上昇の勢いが長期化するかもしれないという懸念が増大している」と指摘した。最近のように物価に世間の関心が集中する時期には消費者がメディア報道などに敏感に反応し、これが物価上昇幅をさらに高めるかもしれないという話だ。韓国銀行は期待インフレが高まり始めた時から、第3四半期が過ぎた時点には賃金が上がり、これがまた価格引き上げの圧迫を高めるかもしれないと評価した。

ただし韓国銀行はスタグフレーションに対しては線を引いた。韓国銀行のパク・ジョンソク副総裁補はこの日、ステグフレーションの懸念について「低い確率で考慮している」としながらも「現在依然として潜在成長率以上に成長すると見ている」と語った。パク・ジョンソク副総裁補は「ビッグステップ(基準金利0.5%ポイント引き上げ)」の可能性については「0.25%ポイントずつ引き上げることがまだ適切だと考える」とし「ただし、ビッグステップの可能性は残したままにしている」と答えた。
  • 毎日経済 アン・ビョンジュン記者
  • 入力 2022-06-09 17:53:56