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米国インフレ削減法、今度は韓国石油精製業界に火の粉


  • 米国インフレ削減法、今度は韓国石油精製業界に火の粉
  • 下から見た航空機[毎経DB]

米国政府がインフレ削減法(IRA)により来年から「エコ(バイオ)航空燃料」に税額控除をすることにし、韓国の石油精製業界が厳しい状況に置かれることになった。IRAを契機にエコ航空燃料市場が新しく開かれることになるが、これにまともに対応できなければ韓国の石油精製企業の航空燃料輸出が打撃を受けるだけでなく、対米最大の航空燃料輸出国としての立場さえ揺れる恐れがあるためだ。IRAの打撃が自動車、半導体などに続き、石油精製業界に広がりかねないという懸念が高まっている。

24日、毎日経済の取材を総合すれば産業通商資源部が最近、業界と専門家を対象に開催した「米国サプライチェーン核心品目懇談会」ではIRAの被害に対する韓国の石油精製企業の懸念が提起された。この懇談会は最近、米商務省が発表したサプライチェーンの核心品目2409品目のリストを点検するために設けられた席だった。懇談会に参加したある業界専門家は「エコ航空燃料に対するインセンティブが施されれば韓国の石油精製企業の対米輸出が減る可能性が高い」と懸念した。国内の石油精製業界は石油など化石燃料を材料にした航空燃料を輸出しているが、今年1~8月基準で輸出規模が77億9000万ドルに達し、この中で米国輸出額は26億8000万ドルで最も割合が高かった。

米国が推進中のIRA細部規定によれば米国政府は来年から使用・販売される持続可能な航空燃料(SAF)に対して1ガロンあたり1.25~1.75ドル規模で税額控除をする方針だ。SAFは化石燃料の航空燃料とは異なり、トウモロコシ・サトウキビ・廃食用油などから得た原料を発酵させて生産したエコ航空燃料で、これを使えば航空機から出る炭素排出量が大幅に減ることになる。

SAFの最大の短所は価格が高いという点だが、今年初めにロシアがウクライナに侵攻して以来、航空燃料の価格が1年間で暴騰し、SAFと既存の航空燃料間の価格差が大きく減った。その上、米国だけでなく欧州連合(EU)もエコ航空燃料の普及拡大に熱を上げており、世界市場にさらに拡散する可能性があるという見通しも出ている。ある精油会社の関係者は「まだエコ航空燃料を輸出するほど設備基盤が構築されていない」と伝えた。
  • 毎日経済 | パク・ドンファン記者
  • 入力 2022-10-24 17:54:48




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