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10月の期待インフレ率2.7%で過去最低、低物価で「デフレの罠」に陥るか

チェ副総理「今はディスインフルレーション」 

  • 10月の期待インフレ率2.7%で過去最低、低物価で「デフレの罠」に陥るか
  • < 「危険信号」が感知される期待期待・基調インフレ *材料=韓国銀行 >

韓国経済のあちこちで異常な兆候が検出されている中で、「期待インフレ率」が関連統計の集計以来、最も低い水準に下落した。期待インフレ率の低下は、実際の物価上昇率を低下させるという悪循環につながる可能性があり、ややもすると韓国の経済が「デフレの罠」に陥るかもしれないという懸念の声も高まっている。

最近の1%台の物価上昇率は、農産物価格の安定と国際原油価格の下落など、供給面での変数として解釈されてきた。しかし、農産物・石油類を除いた基調インフレ率が先月大幅に落ち、第2四半期の国内総生産(GDP)デフレーターも「ゼロ」を記録しただけに、低物価の余波が需要側にまで広がる兆しを見せている。

28日、韓国銀行が発表した「10月の消費者動向調査」によると、期待インフレ率は2.7%で、9月の2.8%に比べて0.1%ポイント下落した。期待インフレ率は、消費者が予想する今後1年間の消費者物価上昇率を調査した指標で、今回の調査は全国の都市の2019世帯を対象に実施された。ただし、前月比で0.1%ポイントの下落に過ぎないが、期待インフレ率はなかなか変動しない特徴があるので、その意味は小さくない。

韓国銀行は最近、デフレかどうかを判断する2つの基準を提示した。 △物価下落傾向の多い品目にわたって広範囲に現れ、△期待インフレが物価下落につながり、再び期待インフレを低下させるという悪循環が繰り返されるとき、デフレに進入した可能性が高いというわけだ。

今回の期待インフレ率の低下は、長期間持続した1%台の物価上昇率が、一般消費者の期待に反映されたものと解釈される。経済主体が低物価に合わせて経済活動を行うようになると、物価上昇率の低下が需要側面にまで広がる恐れが大きい。さらに、最近の1%台の消費者物価上昇率は、農産物価格の安定や国際原油価格の下落など、供給側面からの影響が大きかったと分析されているが、しだいに他の分野に転移している兆候も目立つ。消費者物価上昇率から農産物・石油類を除いた基調インフレ率は、8月は2.4%だったが9月に入って1.9%に下落した。農産物・石油類などの要因を除いても、大きな幅の下落を記録したわけだ。

GDPデフレーターも尋常とはいえないレベルだ。国民経済の物価水準を示すGDPデフレーターの上昇率は、この2四半期で「ゼロ」だった。分野別では製造業がマイナス4.2%、卸・小売・飲食・宿泊業がマイナス1.3%、金融・保険業がマイナス1.3%の下落を免れなかった。

韓国銀行は去る9月の基調インフレ率の低下を、昨年9月の加工食品の価格上昇による反動として分析した。韓国銀行は最近の経済展望で、今年の基調インフレ率を当初の2.4%から2.1%に下方修正した。

もちろん現在の指標のみをめぐって、安易にデフレを判断することはできない。企画財政部と韓国銀行はともに、現在の経済状況をデフレと判断していない。

27日に開かれた国会企画財政委員会の総合監査で崔炅煥(チェ・ギョンファン)経済副総理は、「現在の状況は、デフレより‘ディスインフレーション(disinflation)’と見なければならない」とし、「しかし、このような状況が長く続くとデフレに進むことがありうるので、対応しなければならない」と語った。

李柱烈(イ・ヂュヨル)韓銀総裁も国政監査で、「デフレも可能性は高くないが危険性は大きいので、警戒する姿勢で備える」と説明した。

現代経済研究院のイム・ヒヂョン研究委員は、「期待インフレ率の低下は、経済主体の萎縮した心理を反映している」とし、「低成長・低物価が長期化しうるという信号となりうるので、十分に備える必要がある」と強調した。
  • 毎日経済_チェ・スンヂン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-10-28 17:10:01




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