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数字経済 > マーケット > スマートフォンの直購入急増…国内価格より安く選択幅は広い
先週末、会社員のキム・チャヌクさん(29)は、出張先だった香港でiPhone 6(通信社約定のないアンロック品)を直接購入(直購)し、アルトゥル(お買い得)フォン事業者「CJハローモバイル」の料金制で開通した。キムさんは、「前では割り引いて、裏では金をちゃっかり取る移動通信3社のホンネが透けて見え、直購スマホを買って自分の好みでアルトゥル料金制を選ぶことにした」とし、「アルトゥルフォン網を使っても、移動通信3社のサービスを使うのと違いがなく、大きな不便はない」と語る。キムさんは月に350分通話・文字メッセージ350通・データ容量6ギガバイトを使うが、月料金は3万1000ウォンですむ。似たようなサービスを提供する移動体通信事業者のプランと比較して半分ほどだ。
スマートフォン市場を嵐のように揺らした「iPhone大乱」が通り過ぎると、キムさんのケースのように直接購入でスマートフォンを買い、アルトゥル料金制で使おうとする「ニッチ市場」の需要が日を追って増えている。
「違法補助金事態が再発すれば必ず厳罰に処する」という政府のこけ脅しにおびえたキャリアと代理店が補助金を大幅に削減し、スマートフォンの体感価格が飛躍的に高まったためだ。4日の時点で、iPhone 6の16ギガバイトを月8万~9万ウォン台の料金を支払って使用すれば、初期購入費用は60万ウォンに達する。先週末、一時的に10万~20万ウォン台のセール品が降り注いだことと比較すると、消費者としては「損をする感じ」を避けることができない。
「直購(直接購入)族」は、米アマゾンドットコムやeBayをはじめとする国外ショッピングモールから国内の複数のオンラインショップまで、様々なスマートフォンを射程距離に置いている。サムスン・LGに偏ったスマートフォン好みも、iPhoneをはじめブラックベリーやソニー、ファーウェイやシャオミなど、徐々に多様化する傾向にある。特にソニーXperia Z3コンパクト(59万9000ウォン)、ブラックベリー Q10 LTE(30万5650ウォン)、シャオミのHongmi Note LTE(25万ウォン)などが人気モデルとして浮上しているという裏話だ。
業界関係者は、「代表的人気モデルのXperia Z3コンパクトの10月販売量を集計した結果、前月に比べておよそ6倍に増えた」と語った。
直購ブームで、サムスン電子のスマートフォンが国内に逆輸入される珍現象まで出てきている。サムスン電子が日本市場を狙って作った特別モデル「GALAXY J」が特に人気を集めている。GALAXY S3~GALAXY S4などと同様の性能であるGALAXY Jは、直購価格が37万~38万ウォン台を上下しており、価格性能比に優れたスマートフォンとして直購族の視線をひきつけている。このほか、サムスンが香港で発売した香港版GALAXY Tab S LTEもオンラインコマースサイトを中心に、人気ランキング上位を占領している。
業界関係者は、「この‘11・1 iPhone大乱’は、端末機流通構造改善法(端通法)体制でもスマートフォンの価格はいつでも揺れるという不信感を植え付けた」とし、「スマートフォンの価格に信頼を失った消費者が、価格の安い国外直購フォンを代案にする雰囲気が熟した」と語った。
事情がこうなって、零細スマートフォン代理店は「二重苦」を訴えている。「端通法」以来、ただでさえ端末が売れなくてひどい目にあっているのに、国外直購のせいで身動きがとれなくなったという説明だ。このような傾向では、業界全体が枯死の危機にさらされるというわけだ。