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サムスン電子、14ナノ・モバイルAPを世界初の量産…システム半導体の強者に


  • サムスン電子、14ナノ・モバイルAPを世界初の量産…システム半導体の強者に
昨年、サムスン電子の最大貢献者は半導体だった。スマートフォンの販売が停滞したすきまを、半導体がりっぱに埋めた。昨年、第4四半期全体の営業利益5兆2900億ウォンのうち、半分以上の2兆7000億ウォンが半導体部門から出たほどだ。しかし、非メモリに該当するシステム半導体部門は赤字を免れなかった。

サムスンとAppleの特許紛争が最大の原因だった。サムスンは2000年代初頭からFinFETプロセスの研究を開始して以来、数十件の特許を確保しつつモバイルAP(アプリケーションプロセッサ)などのシステム半導体の強者として浮上し、Appleを最大顧客として迎えることができた。しかし特許紛争後、Appleがサムスンとの取引を停止して、物量を台湾TSMCに大量発注したことからサムスンのシステム半導体は低迷の沼にはまった。2013年第1四半期にはサムスンの世界APシェアは11.5%に達したが、Appleとの取引が途絶えたことで昨年の下半期には3%台まで墜落した。

劇的な逆転のきっかけが必要だったサムスンは、既存の20ナノプロセスを超える「14ナノFinFET」プロセスの開発を選択した。権五鉉(クォン・オヒョン)サムスン電子副会長などの半導体首脳部は、2013年に「14ナノFinFET」プロセスへの投資を決定し、昨年4月にはシステム半導体受託生産で世界2位の米グローバルファウンドリー(GLOBALFOUNDRIES)とも手を握った。

このような努力の結果が今回、現実化した。サムスン電子は16日、「世界初の14ナノメートルFinFETを採用したモバイルAP(写真)の量産に成功した」と発表した。これにより、Appleとの特許紛争を終えたサムスン電子は、システム半導体部門で復活の羽ばたきをすることになった。業界では、サムスン電子がクアルコムに本格的な挑戦状を差し出したものと評価している。

APはスマートフォンの頭脳に相当するシステム半導体だ。14ナノは半導体回路の幅が10億分の14メートルという意味だ。これに比べて、APの世界1・2位のクアルコムとAppleが台湾TSMCで委託生産する製品は、20ナノまたは16ナノプロセス技術を使用している。特にサムスンが採用したFinFET技術は、半導体素子を3次元の立体構造にして、これまでのプロセスに比べて最大35%まで消費電力を削減しつつ、パフォーマンスを20%以上高めることができる。生産性も30%まで改善されていると伝えられた。

市場調査会社のSAによると昨年、全世界のAP市場の規模は57億1900万ドルに達したが、クアルコムが世界AP市場の半分以上を占めた。サムスン電子も、これまで高級スマートフォンにはクアルコムのAPブランド「スナップドラゴン」を採用してきた。しかし、サムスンが14ナノAPを量産することで、モバイルAPの支配権に変化の風が吹く展望だ。サムスンは来月に登場させる「GALAXY S6」に14ナノ工程を採用した「Exynos」APを搭載する予定であり、今年10月に発売されるAppleのiPhone 7に搭載されるAP「A9」の相当量もサムスン電子が供給すると伝えられた。

サムスン電子システムLSI事業部のハン・ガプス戦略マーケティングチーム副社長は、「14ナノ・モバイルAPで高仕様スマートフォンの性能向上が可能になった」とし、「今後、新規需要の拡大に肯定的な影響を与えるだろう」と明らかにした。イ・セチョルNH投資証券研究員は、「サムスン電子は64ビットAPに世界初の14ナノプロセスを採用することにより、低消費電力や発熱の問題などを解決した」とし、「14ナノモバイルAPは、サムスンの高級スマートフォンの競争力強化に貢献するものと判断される」と説明した。

昨年、サムスン電子システムLSI事業部は1兆ウォン台の赤字を記録したが、今年は14ナノFinFET半導体に支えられ、5000億ウォン以上の利益を出すことが期待されている。
  • 毎日経済_チョン・スンファン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-02-16 17:27:07




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