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東レ尖端素材・暁星・泰光、炭素繊維で自動車素材開発競争


  • 東レ尖端素材・暁星・泰光、炭素繊維で自動車素材開発競争
  • < 自動車産業に関連した最近の化学繊維業界の動き >

1970年代、わが国の輸出品目1位で韓国経済を支えていた繊維業界は、40年以上が過ぎたいま、炭素繊維を通じて再跳躍を狙っている。今回は「衣類」ではなく「自動車」を通じてだ。繊維で作られた車は重量を減らし、燃費を向上させられるという点などから、化学繊維業界と自動車業界が共同で、関連技術の開発と商用化に熱を上げている状況だ。

化繊業界によると23日、東レ尖端素材、ヒョソン(暁星)、テグァン(泰光)など国内の化学繊維会社は、鉄の代わりに繊維で作った自動車を商用化するために、積極的に水面下の作業を進めている。

最も積極的なところは、関連分野で圧倒的な技術力を保有し、世界の炭素市場シェアが32%に達する親会社を持つ東レ尖端素材だ。昨年8月、東レ尖端素材とGSカルテックスが共同で開発した、部品用の炭素繊維複合材料が使用された起亜自動車「オールニューソレント」が発売された。年間10万台以上を生産・販売する量産型車両に炭素繊維が適用されたのは、オールニューソレントが国内初だった。

東レ尖端素材のキム・ウンジュ常務は、「1500ccの車両に炭素繊維が使用されると、約30%まで重量を減らすことができる」とし、「自動車業界も関心が高く、日本の東レと独ベンツ・BMWなどは炭素繊維部品の開発のための会社を設立するなど、世界的にも動きが活発だ」と分析した。

日本の各化学企業も、自動車の核心素材として浮上した繊維市場を掌握するために大規模な投資を行っている。三菱ケミカルは米国内の炭素繊維工場に300億~400億円を投資して、生産規模を2倍に増やすことを決定した。最近、炭素繊維の需要が大幅に増えている自動車部品での市場競争力を高めるためだ。

これに先立ち、世界の炭素繊維市場シェア1位を守っている日本の東レは300億円を投資して、メキシコ工場の炭素繊維生産能力を2倍に増設する予定だと明らかにした。独BMWに供給する炭素繊維に充当させるためだ。

中国も今年初め、奥新新エネルギー自動車有限会社から炭素繊維車を発売した。

このように化学繊維業界と自動車業界が「両輪」となって、部品用繊維の開発に拍車をかけているのは、軽くて丈夫だからだ。自動車に使われる代表的な繊維の炭素繊維は、重量が鉄の4分の1のレベルにすぎず、燃料消費量が減ることから二酸化炭素排出量の削減につながって、エネルギーを節約して環境汚染を減らすことができる。また、鉄の10倍に達する強度をそなえ、硬さの程度を示す非弾性率も鉄の7倍だ。さびることもなく耐熱性や耐薬品性が高いという点も強みだ。

このような趨勢によって、「繊維」の概念と範囲を再定義する必要があるという主張まで、業界では提起されている。ある関連業界の関係者は、「炭素繊維などの一部の繊維は、一般の人がありふれて考える繊維ではない」とし、「繊維と金属の境界が事実上曖昧になったわけ」だとした。

しかし、まだテグァンやヒョソンなどの国内化繊会社は、これといった成果を出せずにいる。

ただしテグァンは昨年12月ごろ、車のトランクや天井材に使われる低融点繊維(LMF)を生産する工場の竣工式を開き、本格的な量産体制に入った。テグァンの関係者は、「自動車産業に適用するには、現在の生産性とコスト構造ではまだ難しいと思う」とし、「今後2~3年の間、テグァンは製造コストを下げるために、大量生産を採用するためのシステム構築に焦点を当てるだろう」と明らかにした。ヒョソンも炭素繊維やポリケトンなどの、車両に使用できるプロトタイプを開発し、国内の自動車会社のドアを常に叩いている。
  • 毎日経済_東京=ファン・ヒョンギュ特派員/ソウル=ユン・ジンホ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-02-23 17:34:04




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