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「1932抱川一東マッコリ」、有機農エゾウコギと黒米のマッコリ発売


  • 「1932抱川一東マッコリ」、有機農エゾウコギと黒米のマッコリ発売
△写真=キム・ナムチェ「1932抱川一東マッコリ」代表がワイン色のプレミアムマッコリ新製品「有機農エゾウコギ+黒米マッコリ」を試飲している。 [イ・スンファン記者]

去る10日、京畿道抱川市(ポチョンシ)一東面(イルドンミョン)のマッコリメーカー、「1932抱川一東マッコリ」(旧サンシン酒家)工場では、臭いだけでも酔うほど香ばしいマッコリが熟していた。醗酵室に入ると、直径だけでも1メートルを遥かに超える大きな釜が9つも稼働中だった。釜の中の黄色味を帯びたマッコリは、サゴル汁(牛の骨スープ)が沸騰するようにぶくぶくと泡を出していた。

ここで熟しているマッコリが最近、同社が野心満々で発売した1万5000ウォンの『有機農エゾウコギ+黒米マッコリ』だ。1932年からマッコリを作り始めた同社は、3代目の運営者であるキム・ナムチェ代表(53)が2008年に職人から受け継いで運営している。消費者には「抱川一東マッコリ」というブランド名でよく知られているだけに、最近は社名そのものを「1932抱川一東マッコリ」に変えた。

マッコリブームが全盛期を迎えた2011年には、年間売上げは108億ウォンに達した。従業員30人余りであげた売り上げなので、そこそこのベンチャー企業も顔負けだ。日本でマッコリシンドロームが起きると、「真露」ブランドでマッコリの相手先ブランドによる生産(OEM)まで引き受けた。キム・ナムチェ代表は抱川市一東面機山里(キサンリ)一帯の2万1450平方メートルにマッコリ観光広報館を建てて、日本と中国の観光客を対象にマッコリツアーまで進めた。

しかし、すぐに危機が訪れた。2012年、李明博前大統領が独島を訪問した後に韓・日関係が急冷したことで、日本でマッコリの需要が急減した。真露もこれ以上、生産を依頼しなかった。マッコリの生産量も、全盛期の10分の1にもならない水準に縮小した。2013年と2014年の年間売上げは7億ウォンまで急落した。

このような最悪の状況を打開するために、キム代表が取り出したカードがまさに「プレミアムマッコリ」だ。キム代表はこれまで2年間の研究開発を経て最近、新しいマッコリを開発した。「ワインのようなマッコリ」がまさにそれだ。キム代表は、高級レストランやゴルフ場で食事をするときに伴酒としてワインをたくさん飲むという事実に着目し、伴酒用の高級マッコリを作ることにした。そこで接ぎ木したものがワインの「レスベラトロール」という成分だ。抗がん・抗酸化効果を持っており、心血管疾患や前立腺の病気予防に良いと知られているこれらの要素をマッコリに入れることにした。

  • 「1932抱川一東マッコリ」、有機農エゾウコギと黒米のマッコリ発売
  • < 1932抱川一東マッコリの年度別売上高 >

このためにキム代表はピーナッツの芽を使用した。ピーナッツの新芽にはレスベラトロールが多量に含まれている。マッコリを作る過程でピーナッツの芽を入れた結果、キム代表が作ったマッコリはチリ産のベストセラーワインである「1865」よりも、レスベラトロール成分が2倍多いというのが会社側の説明だ。黒米を使ったことも功を奏した。おしるこの色ほどに赤みの強い光を帯びた黒米を使用しており、マッコリがワイン色とそっくりになったのだ。

キム代表は、「黒米マッコリはワインの良い成分はもちろん、マッコリ特有の乳酸菌まで含有している」と自信を見せる。

キム代表はこのマッコリを、ゴルフ場や高級韓定食レストランから供給する計画だ。キム代表は、「口コミに乗って江南一帯の高級韓食店やゴルフ場からも注文が続々と入ってきている」とし、「弘大や狎鴎亭の街路樹キルなどのマッコリ専用居酒屋などにも販路を徐々に広げていく計画」だと語った。

キム代表は今年の売上目標を、果敢に100億ウォン台まで高めている。

一部では「危険な冒険」ではないかという声も出ている。1000~2000ウォンほどのマッコリを誰が1万5000ウォンも出して買うのかというわけだ。キム代表は、「わが国の文化が安物ではないように、マッコリも安物ではない」とし、「伝統文化の優秀性に大衆性まで兼ね備える場合、マッコリも名品が出るだろう」とした。
  • 毎日経済_ポチョン=チョ・ソンホ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-04-13 17:07:43




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