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ポスコ「背水の陣」、PIFに安値売却防止条件つける


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ポスコは、サウジアラビアの政府系ファンドのパブリック・インベストメント(PIF)のポスコ建設の持分投資に対し、当初の価格から10%以下に下げた場合は取引をできないようにする、「安値売却防止」の但し書きを付けた。ポスコに対する司正機関の調査が本格化して、サウジアラビアのプロジェクトが遅延しても、1兆ウォンを超える大型投資件を拙速に仕上げないという「排水の陣」をとったわけだ。

鉄鋼業界によると、先月13日午後に開かれたポスコ理事会は、PIFの1兆3000億ウォン規模の投資案件に対し、ポスコ建設の持分価値を契約価格よりも10%以下に下げることができないようにする但し書きを付けたと伝えられた。この日の午前には検察が、ポスコ建設に電撃的な押収捜索を行って公開捜査に切り替えている。PIFはポスコ建設の持分約40%(新株含む)を約1兆3000億ウォンで持っていく契約をポスコと締結したが、向後の重大な事情変更に対しては、価格や条件を調整できる余地があると伝えられた。

ポスコに精通した財界関係者は、「ポスコの理事会が異例的に、大規模な投資誘致件に対して事実上10%の価格下限を定めたことは、検察の捜査を口実に、サウジ側に一方的に引きずられないようにという意志の表現ではないか」とし、「ポスコの理事会内部では、サウジのプロジェクトをいまのまま進行できなくても、会社に問題点があるならば、この機会に払い落としていこうという意見も出た」と語った。ポスコのサウジアラビアプロジェクトが漂流しているもう一つの理由は、アブドラ国王の死後の現地政府の組織改編だ。

先月23日、アブドラ国王の死後に王座に就いたサルマン国王は、政府組織の改編を断行して、多数の国営企業の株式を保有しているPIFを、財務部傘下から経済長官閣僚会議の傘下に移した。PIF理事会の構成は大幅に変更されなかったが、理事会の議長をこれまでのように財務長官が維持するのか、経済長官閣僚会議の議長が新たに引き受けるのかはまだ決まっていない。サウジアラビアの経済官僚長官会議の議長は、新国王の息子であるムハンマド・ビン・サルマン サウジアラビア国防長官(30)だと伝えられた。

PIFの首長と理事会の構成が変更になる場合、ポスコとのサウジアラビア・プロジェクトはどの方向に動くのかわからないというのが業界の分析だ。特にポスコグループの全方位的な事情調査が長期化する場合、サウジアラビア側に重大な事情変更の口実を提供できる状況だ。ただし両国の妙な突発状況でも、ポスコ建設の株式投資と自動車・建設の合弁会社の建設などのプロジェクトは、計画通りに進むとの見方も出ている。

製造業が脆弱なサウジアラビアの境遇から、建設・自動車などの基幹産業を作る必要は十分であり、その合弁会社のパートナーとして、ポスコグループほどのところを見つけることは容易ではないからだ。

サウジアラビアは、なにもないところから始めて短期間に世界最高の技術の製鉄所に成長したポスコの発展経験を高く評価している。また、松島プロジェクトを成功に導いたポスコ建設と、中東地域でしっかりとしたブランド価値のある大宇インターナショナルも、適切なビジネスパートナーとして見ている。

ポスコグループはポスコ建設の株式投資件とは別に、サウジアラビア現地に溢れている各種の大型建設受注と、国民車事業プロジェクトを獲得するために、系列会社ごとに各個撃破式に事業を進めている。国内とサウジ現地の事情変更で複雑な二次方程式を解かなければならないが、目の前に迫った個別の受注から着実に処理するというわけだ。
  • 毎日経済_チョン・ボムジュ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-04-13 17:32:03




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