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東国製鋼、本社社屋の「フェラムタワー」を売却へ


  • 東国製鋼、本社社屋の「フェラムタワー」を売却へ
東国製鋼は本社社屋として使用している、ソウル市中区(チュング)のフェラムタワー(Ferrum Tower)を売却する。

東国製鋼は24日、サムスン生命と水下洞(スハドン)のフェラムタワー売却契約を締結したと明らかにした。売却価格は4200億ウォン台で決まったと伝えられた。東国製鋼側はフェラムタワー売却後、一部の階を借りて使用する予定だ。東国製鋼の関係者は、「フェラムタワー売却を決めたのは、金融業界と財界の内外で提起されている流動性危機説に先んじて対応し、これを払拭させるためのもの」だと説明した。東国製鋼は鉄鋼景気の悪化によって、鋼板の販売量が急速に減ったことから最近、収益性の悪化に悩まされてきた。

東国製鋼側は今回の売却を通じて、現金資産を9000億ウォン程度に増やす一方で、負債比率を207%(2014年末基準)から8%ポイントほど下げることができると期待している。

東国製鋼は、今年の初めまではフェラムタワー売却の可能性を否定してきた。去る1月、ポスコセンターで開かれた韓国鉄鋼協会の新年会に出席した張世宙(チャン・セジュ)東国製鋼会長(写真)は、フェラムタワー売却の可否に対する質問に、「まだそこまでする段階ではなく、社屋を売却することなく経営状況を改善したい」と明らかにした。しかし東国製鋼は昨年、産業銀行などの債権団と財務構造改善の約定を結び、財務構造改善の手順を行う過程で、資産の売却がなければ財務健全性の確保は不可能だと判断を下したと伝えられた。

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  • < ソウル市中区水下洞のフェラムタワー全景。 [毎経DB] >

昨年も670億ウォン台の営業損失と2299億ウォンに達する純損失を記録して、深刻な業績低下に悩まされてきたからだ。さらに検察が、チャン会長に対する横領や賭博疑惑で事前拘束令状を請求するなど、オーナーと企業の双方が困難な状況に陥っている。

東国製鋼は、流動性確保のための自救計画案の一つとして債権団にフェラムタワー売却を約束し、今年の初めから買収者をさがしたところ、サムスン生命と意見の一致を見た。

業界では、東国製鋼会社の象徴であるフェラムタワーを売りに出したのは、債権団の圧迫とチャン会長の検察捜査などの難局に陥った状態で、チャン会長が「すべてを吐き出す」という宣言をしたものと相違ないと分析する。

業界関係者は、「チャン会長はフェラムタワーの設計から名づけまで直接とりまとめたし、工事の際にはトイレまでいちいちチェックした」とし、「自分の命ほどにフェラムタワーへの愛着が強かった」と説明した。フェラムタワーの「フェラム」は鉄を意味するラテン語から取ったもので、チャン会長が子供の頃から祖父の故張敬浩(チャン・ギョンホ)創業者から聞かされた、「東国製鋼は鉄で始まり、すべてのことを鉄にかけなければならない会社」だという教えをビルの名前に反映したものだ。

この業界関係者は、「こんな意味を持つフェラムタワーを売却することは、債権者の要求をすべて受け入れて、自救計画の実行のためにはすべてを投げることができるという意志を見せたもの」だとし、「検察の捜査とフェラムタワー売却自体は別の問題だが、チャン会長が会社を生き返らせるために最善を尽くしているというメッセージを、政府に伝えるという意図もあるだろう」とした。

フェラムタワーは東国製鋼が34年間、本社として使用してきた水下洞の建物を、2007年に再開発して建てた最新のビルだ。工事費1400億ウォンが投入され、2010年7月に完成した。地上28階・地下6階の規模で、東国製鋼とユニオンスチールなどのグループ系列会社が入居しており、地下レストランは若い層に人気が高い。
  • 毎日経済_イ・ホスン記者/ホン・ジョンソン記者/ユン・ジノ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-04-24 15:58:00




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