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護身用品全盛時代 スプレーと警報器が一番よく売れる


大学入学以降、ずっと故郷を離れソウルで一人生活してきた未婚女性のP氏(30)は最近めっきり眠れない夜が増えた。商店街住宅3階に住むP氏の心に一番ひっかかる部分は2階の店のベランダの手すりを通るとすぐに3階のP氏の家の窓に入ってこれることだ。偶然に検索をして窓を開けるとすぐに警報が鳴る窓警報器があることを知ったP氏は窓警報器を購入して取り付けた。

小学生の娘二人を持つ主婦のK氏(39)も最近護身用スプレーと警報器が一緒になっているセット商品を購入した。6年生の長女に護身用スプレーを与え、カバンに常に入れているようにと呼びかけた。1年生の末娘のカバンには警報器を取り付け、もし誰かが無理やり連れて行こうとしたら警報機を作動させるようにしっかりと話した。ついでにK氏は二人の娘をテコンドー学院にも登録させた。「テコンドーでも慣れさせれば自分の身を守るときにすごく助けになるのではないか」という理由からだ。

  • 護身用品全盛時代 スプレーと警報器が一番よく売れる
次々と様々な性暴力事件と猟奇的殺人事件が発生し、「自分の身は自分で守る」ことに対する市民の関心がとても高まっている。

このような関心は護身用品の買い入れと護身術を習うことに繋がる。加えてすぐに自分の身を守る護身用品ではないが広い意味で自分と自分の家族を守る各種防犯、保安用品市場も忙しい。毎日手に持っていられる携帯電話が一番活用するのに良いとの判断のもと、護身用アプリをインストールするケースも急増している。

護身用品販売50%増加 スプレーと警報器が一番よく売れる

「羅州幼児性暴行事件が報道されて以降、護身用品の販売量が急増し以前より50%以上売れている」オークション護身用品カテゴリー担当のキム・ウンソンチーム長の説明だ。

以前は考えられなかった猟奇的で恐ろしい事件が相次いで発生し「これからは護身用品のひとつくらいは基本」という認識が主流となっている。その結果、護身用品業者は久しぶりの好況を迎えた。

護身用品の基本はスプレーと警報器だ。それぞれ購入もするが、ほとんどがスプレーと警報器が一緒に入っているセットを購入する。セットも2万~3万ウォン台が多数だ。

まるで口紅のようなスプレーの中には唐辛子と辛子抽出物で作った天然溶液が入っている。通常、辛子抽出物を活用したスプレーが2万ウォン台、唐辛子抽出物を利用したスプレーは1万ウォン前後だ。価格の差が出るのはスプレー噴射距離などの容器の性能のためでもあるが、辛子抽出物溶液が唐辛子溶液よりもずっと効果が良いこととも関係が深い。

唐辛子抽出物は臭いがなく、露出するときに10分ほど気を散らすことができるのに反して、辛子抽出物は臭いも強いだけでなく、30分以上まともに活動できないほど性能が強力だ。顔にまともに受けず、わずかに避けて受けても苦痛が相当なことで知られている。

ボタンを押したり、紐を引っ張って大きな音を出す電子警報器を購入するときには130㏈以上の製品を選ばないといけない。デザインだけ見て音の情報を確認しないまま購入し、90㏈程度の製品が来たら困るからだ。専門家たちは「少なくとも130㏈以上はないと学校や道路で作動させたときに外部の騒音にかき消されずに警告効果を出すことができる」と助言する。

20㎝ほどの長さの3段護身棒も最近販売が急増したアイテムだ。

振れば50~60㎝に伸びる護身棒は女性よりも男性用だ。4万ウォン台の鉄の護身棒は重さが重く女性が振って3段に引き出すことも容易ではない。鉄の護身棒に比べて重さが半分に減るアルミニウム合金護身棒は価格が8万ウォン台とぐっと上がる。

護身用品専門業者JY通商のシン・ジンホン代表は「鉄の護身棒は女性よりも男性が車や家に置いて家族を守る用途に主に購入する」と説明した。シン代表は「女性が使用して奪い取られたら、逆に相手に武器を握らせることになりかねないだけでなく、鉄の護身棒で強く殴られれば骨が折れることもあるほど威力が強いため、むしろ相当な筋力のある女性でなければ使用しないほうがましだ」と付け加えた。

スプレー、警報器、3段護身棒まで一般人が市場で簡単に購入できる護身用品だ。ガス銃やスタンガンもあるがこれは銃砲管理法の管理を受けるため管轄する警察署に申告し、身元照会を受けた後(犯罪かどうかがあるかなど)警察署の許可がおりた後に購入することができる。最近はあまりに問合せする人が多いため銃砲商から警察署に申告し許可を受ける手続きを代行して販売するところも増え、消費者の立場からはより容易に購入できるようになった。どんな護身用品であれ、まず製品を受け取った後に作動する練習をしてみることが重要だ。普段慣れておけば危険な状況でより簡単に作動させることができるためだ。

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  • 表:各護身用品の特徴

護身術習い「自分の身は自分が守る」

保安業者ADTキャップスは昨年下半期から護身術講義を始めた。学校、観光所、企業などの社内教育時にADTキャップス警護チームが直接訪問し指導する。最近になって講義要請がとても増えた。ADTキャップスのキム・ミンジュ広報担当課長は「50名以下の人員を対象に小学生から成人に合わせた講義を提供するという口コミが生まれ最近は予約が殺到している」と伝えた。

3年前からいくつかの武術動作を応用した運用動作で女性護身術を構成し教育を進行してきたコンドコリアでも最近うんと問合せ電話が増えた。10万ウォンを出して毎回40~50分ずつ、全10回の授業を履修すれば基本的な護身術を習うことができるという話に耳を傾ける相談者が多い。とくに即興的な脅威状況を作った後に脱出する訓練をする最後の2回の授業が人気だ。

護身用品を買うことも良いが、より積極的な防御のために各種護身術を習っておくことが有用だ。ムエタイ、合気道、ボクシングのような個別武術を研磨することもひとつの方法だが、むしろいくつかの武術から有用な技術を集めて護身用に組み替えた護身術を習うこともそれなりに良い方法だ。

コンドコリアのキム・ギテ代表は「護身術の4つの基本動作である押し、引き、ずらし、座り込みだけでもしっかり身につければ効果的に防御できる」と話す。

「護身用」武術を習う女性も増えている。

テファムエタイ体育館のキム・テゴン館長は「これまで女性修練生はほとんどいなかったが、最近は受講生10人中2~3人程が女性であるほどに女性が多い」と雰囲気を伝えた。「10ヶ月程習えば自分の身を守るときに無理がない程度に体得できる」というのがキム館長の説明だ。

護身術は技術を身につけることも重要だが、体が覚えられるように繰り返し訓練することも重要だ。大韓護身術協会のチョ・ウォンサン事務局長は「危険状況でミスなく試みるためにはどんな瞬間でも瞬時に動作が出るように、普段しっかりと訓練しなければいけない」と強調した。

防犯・保安製品需要も急増

すぐに自分の身を守る用途ではないが、家庭を外部進入から守る防犯・保安用品に対する関心も高まっている。羅州幼児性暴行事件がこのような雰囲気に油を注いだ。

代表的な製品はホームCCTV。ホームCCTVを利用すればいつどこでも家の中の状況をPCやスマートフォンで見ることができる。最近は外部人の侵入を感知するセンサー機能が含まれた製品が人気だ。ドアセンサーや衝撃センサーなどの機能がある場合空き家のドアを開けようとしたり、衝撃が強い場合すぐにスマートフォンやPCに内容が伝わる。最初からセンサーに何かが感知されれば警報が鳴るように作られた製品もある。

ホームCCTV製品は10万ウォン台が主をなす。ホームCCTV製作業者のシュアクォータースのペク・ソンレ理事は「今年はじめに比べてホームCCTV販売量が40~50%ほど伸びた」と伝えた。

ホームCCTVを直接買って装着せずにエースワンやADTキャップスなどの保安業者を通してレンタルする場合料金は月2~3万ウォン台だ。保安業者を通して整備を設置すれば危急状況が発生したときに出動サービスが可能という長所がある。

窓に付けておくだけの窓警報器も人気だ。とくに多世帯住宅やビラ、ワンルームなどの低層は窓を通して進入することが容易だという点から着眼された製品だ。誰かが外から窓を開けて窓警報器が分離すればうるさい警報音が鳴る。窓警報器を付けてしまうと一生窓を開けられないのではないかと心配する必要はない。警報器の横にオン、オフボタンがあるのでオフに変えれば窓を開けても警報音が鳴らない。価格は1個あたり1500ウォン程度で窓ごとに1つずつ置いても負担のない水準だ。

護身用アプリまで登場

切羽詰った状況ではアプリを作動させることすら簡単でないこともある。そのため最近では携帯電話を「振るだけ」でいいアプリが人気だ。

蔚山警察庁の行政官が作った「振れば犯罪予防」や「夜道護身用ホイッスル」などが代表的だ。

「夜道護身用ホイッスル」は危険な状況に陥ったときに、携帯電話を振るだけで大きなホイッスルの音が出る一種の「警報器」だ。アップルアプリストアで0.99ドルでダウンロードすることが可能だ。ただし、アプリが実行されていないといけないという前提が後に続く。

「振れば犯罪予防」もまた、スマートフォンを振れば先に保存しておいた家族や友達などの携帯電話に、自身の位置が含まれた地図と緊急メッセージを送ることができるウィンドウが表示される。

「ジニコール」も内容は似ている。利用者が身辺の危険を感じたり、誰かが後をつけて来るような不安を感じたときにスマートフォンを強く振れば警告音が発生する。さらにボタンだけ押すだけで112や指定の連絡先に緊急電話が発信される機能も入っている。

ややもすれば冗談または違う理由で携帯電話を振って問題が生じる恐れがある。これらのアプリはそんな事態を防止するために振動の程度を感知する。一定水準以上の振動が感知されてこそ作動される方式だ。

女性たちが一番不安になる状況のうちのひとつが、遅い夜に一人でタクシーに乗ること。そのときに活用できるアプリもいくつか出ている。「タクシー安心」を実行すれば搭乗したタクシー番号と現在の位置を知人の携帯電話にメッセージとして発送できる。ただし、タクシーに乗る前に、前もってタクシーの番号を確認してこそしっかりアプリを実行できる。「タクシーに乗ったよ」も似たようなアプリだ。
  • 毎経エコノミー_キム・ソヨン、イム・ヘリン
  • 入力 2012-09-17 12:00:00




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