トップ > 数字経済 > 企業 > ルノーサムスンが「SM6」の中国輸出を保留した様々な理由

ルノーサムスンが「SM6」の中国輸出を保留した様々な理由


  • ルノーサムスンが「SM6」の中国輸出を保留した様々な理由
  • < ルノーサムスンの販売実績 >

ルノーサムスンは、新しく出荷した戦略中型セダン「SM6」の中国輸出計画を保留したことが確認された。ルノーサムスンは釜山工場で生産したSM6を国内発売の直後、中国にも輸出するという計画の下で現地認証手続きと需要調査などを進めてきたが、昨年末に「内需用」にのみ販売することに方向を変えた。

ルノーサムスンの高位関係者は14日、「SM6は開発の初期から最近まで、中国などのアジアの輸出市場を同時に狙って作ったモデルで、国内出荷と同じような時点で中国輸出を行う予定だったが、昨年の末からいくつかの事情を理由に中国への輸出計画を再検討している」と明らかにした。

実際、ルノーサムスンは戦略車種であるSM6の新車開発段階から、国内市場だけでなく中国などのアジア市場を攻略するために入念に準備してきた。特に世界1位の自動車市場である中国を核心ターゲットにして、細かい需要調査を行った。ルノーサムスンは中国の現地認定機関でSM6に対する中国安全認証(CCC)の手続きを進めており、産業・環境認証手続きの相当部分は既に完了したことが伝えられた。

しかし昨年末、ルノーサムスンの経営陣はとつぜんSM6の中国輸出計画を保留した。当分のあいだ内需用にのみ販売することにして、中国輸出のための現地マーケティングなどの後続作業は中止された。

ルノーサムスンが心血を尽くして作ったSM6の中国輸出を保留したことは、現在の中国国内市場の状況を勘案するときに、SM6の競争力が確保できていないという戦略的判断からとみられる。

昨年から中国の内需市場が急激に崩れつつ、現地に工場を所有する韓国自動車企業も稼働率が50%ほどに過ぎない状況だ。このような飽和市場に、釜山工場で生産したSM6を20%水準の関税をのせて中国で売れば、価格競争力を持つことは難しいというわけだ。

ルノーサムスンは現在80カ国に輸出しているが、独自モデルで旨味を見た事例は多くない。 2005年に「SM3」がロシアで大ヒットを打った後に、昨年は中国でスポーツユーティリティ(SUV)の風に乗って「QM5」モデルが意味のある販売実績を見せた程度だ。ルノーサムスンがSM6を準備する際に、内需市場だけでなく、アジア市場の主力車種として育てるという意志を燃やした理由でもある。

13日、SM6の新車発表会でパク・トンフン副社長は、「SM6の競争車種はソナタやK5だと思わない」とし、「フォルクスワーゲンのパサートなど、輸入車を競争相手に考えなくてはならない」と語った。

ルノーサムスンが中国に輸出したが失敗した「SM7」という中国モデル名も問題になった。ルノーサムスンは中国でSM7を「タリスマン」という名称で販売したが、現在ヨーロッパでタリスマンで販売しているSM6を中国に輸出すると、新車のアイデンティティに混乱が生じうる。

より大きな絵柄としては、ルノー日産グループのグローバルマーケティング戦略とも関連している。実際、ルノーサムスンの経営陣はSM6の対中国輸出を保留するまで、ルノー日産グループとかなりの時間をかけて議論を進め、意見交換のあったことが伝えられた。

ルノーサムスンの関係者は、「中国市場でのSM6の競争力の部分だけでなく、釜山工場で作られたSM6を中国市場に売ることが、グローバルマーケティング戦略上で有利なのかに対する高次元の議論も、ルノー日産グループとルノーサムスンの間でやりとりした」と説明した。

中国市場に後発走者として飛び込んだルノー日産グループは、湖北省の武漢市に「東風ルノー」合弁法人を設立し、今年から量産に入る。ここでルノーのSUVモデルである「カザール」を生産する。 SM6(欧州ではタリスマン)は、フランスと釜山工場でのみ生産されている。
  • 毎日経済_チョン・ボムジュ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2016-01-15 08:05:48




      • facebook icon
      • twetter icon
      • RSSFeed icon
      • もっと! コリア