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韓国金融界、ITセキュリティ役員「年俸2億」CISOスカウト戦争

企業内部人材育成ブーム...金融監督院もIT監査局新設し、女性民間専門家をスカウト 

  • 韓国金融界、ITセキュリティ役員「年俸2億」CISOスカウト戦争
NH農協銀行は最近、情報セキュリティ本部総括副頭取としてナム・スンウ前新韓カードIT本部長をスカウトした。ナム副頭取の職位はわずか3ヶ月の間に常務から副頭取に変わった。銀行副頭取がカード会社の社長に行くケースが多い点を勘案すれば、破格のスカウトだ。

金融監督院も長い期間の努力の末に、民間部門のIT専門家を迎え入れることにした。金融監督院は来月初め、組織改編を通じてIT監査局を新しく設置する予定だが、最高責任者として女性民間専門家を迎え入れる。

業界出身者が金融当局のIT核心局長として迎え入れられるのは前例のないことだ。それだけ金融分野のIT専門家に対する需要が高まったという傍証だ。この人事はチェ・スヒョン金融監督院長が民間専門家を迎え入れるという意志を持って、対象者を探してきたことが分かった。

このように、韓国の金融・産業界はIT・セキュリティの専門家を探すために血眼になっている。金融会社のIT担当者は、「金融界でITとセキュリティはもちろんのこと、金融業全般に対する知識を持っていながら、職位も役員でなければならないという条件に符合する人物を見つけるのは容易ではない」とし、「経験のあるIT・セキュリティの専門家たちのギャラは天井知らずに上がっている」と説明した。

今年、国内金融圏全体に新設される「最高情報責任者(CIO)」や「情報保護最高責任者(CISO)」の席だけでも、少なくとも70あまりに達することが分かった。

業界別には証券会社が30社で最も多く、保険(27社)、銀行(5社)、先物取引(4社)、カード会社(1社)の順だった。さらにCIO・CISOとして3~4人を席に着かせる金融機関があることまで考慮すれば、今年の国内金融界が新たに求めることになる役員級のIT・セキュリティ専門家は100人に達する見込みだ。

このように金融界の需要が爆発する理由は、金融当局の方針のためだ。金融当局は昨年7月に発表した「金融電算セキュリティ強化総合対策」と、去る10日に発表した「個人情報流出再発防止総合対策」などを通じ、CIOがCISOを兼ねられないようにした。CIOとCISOを兼任すると、効率性と経済性を優先視するIT業務と、安全性を重視するセキュリティ業務間の衝突が避けられないという判断からだ。

ある都市銀行の人事担当副頭取は、「昨年と今年、金融セキュリティ関連の事故が相次いで起こり、内部抜擢よりは外部から迎え入れる傾向」とし、「短時日内に品薄状態さえ起きてしまい、良い条件を提示するしかない」と語った。

しかも、CISOを担当するには電算やIT・セキュリティ関連の学位を取得したか、業界経験が一定期間以上なければならないため、さらに求人が容易ではない。

金融界のCIO・CISOには、国内の大学の中で最も早く電算学科を設置した崇実(スンシル)大・弘益大・東国大出身者が多いことが知られている。最近では金融機関に勤務しつつ、高麗大学の情報保護大学院の課程を履修した人材が新しい主流として浮上する傾向にある。

セキュリティ人材の報酬が高まるやいなや、企業内部で独自の人材養成に乗り出すところも増えている。ラオンセキュア社のキム・ウンボン理事は、「金融機関でIT担当を任されていたある後輩が、しばらく前からセキュリティ教育を受け始めた」とし、「セキュリティ業務があまりにも専門的なので、きちんとしたセキュリティソリューションを選ぶためにも、企業内部で関連教育の必要性が増えているようだ」と語った。
  • 毎日経済_パク・ヨンボム記者/イ・ユソプ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-03-27 20:19:12




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