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数字経済 > マーケット > 「コメント1件につき5ウォン」嘘も真実に変身...混乱に陥ったネチズン
◆コメント共和国◆
「インターネット上の書き込みは20ウォン、コメントは5ウォンです。1個当たりの収入がポイントに積立られます。必要なときはいつでも収益を申請すれば、本人の通帳に入金されます」。
誰かにとって、インターネットのコメント書きは職業だ。インターネットで何行か書きさえすれば手軽に金を稼げるという点から、コメントアルバイトがすでにオンラインに定着している。
25日、Googleやネイバーなどのポータルサイトで「コメントアルバイト」と検索すると、関連サイトがいくつも現れた。あるコメントアルバイトサイトに入ったら、「簡単なクリックでもお金を稼ぐ一等副業サイト」というフレーズが目についた。
本紙記者がコメントアルバイト広告に出ていた電話番号でブローカーの一人と接触するやいなや、相手は年は何歳かといきなり尋ねる。記者が20代だと明かすと、すぐさまブローカーは「タイピングは速いだろうな」と、満足しているようだった。ブローカーは、コメント・アルバイトは指定したホームページの数カ所に上って来た文に、着実にコメントをつければ良いだけの簡単な仕事だと強調した。金を払ってコメントアルバイトイトを雇用する理由は、製品の使用後記の作成などのマーケティング目的が大きい。また、ホームページのクリック数を高めようとする意図もある。このように、日常で手軽に接するインターネットのコメントを、もうこれ以上信頼することは難しいという状況はあちこちで確認された。
オンラインコメントが真実と嘘の間で右往左往している。コメントは本来、人と人との間のネットワーキングを目的に生まれた手段だ。コメントを通じた様々な意見の提示と情報交流は、「点」に過ぎなかった個々人を「線」としての繋がりを作る順機能をもたらした。とは言え、人間のネットワーク属性を巧妙に利用するコメントアルバイトと、確認されていない悪質コメントでその光を失っているのが実情だ。
コメントはしばしば一方に傾いて、攻撃的で破壊的に変化する。先月、セヌリ党の鄭夢準(チョン・モンジュン)議員は悪質な書き込みで大きく侮辱された。チョン議員はソウル駅の配給センターでホームレスにご飯をよそう奉仕写真を公開したが、過度にご飯を差し出された状況に、給食を受けるホームレスが驚いた顔のように見え、「常識のない××のようだ」「あの××脳は70ウォンだろう」などの悪質な書き込みが殺到したからだ。しかし確認の結果、ホームレスが実際にご飯をたくさんくれと要求したことが明らかになり、すべて白々しいものになってしまった。
去る2月、当時の尹珍淑(ユン・ジンスク)海洋水産部長官を更迭させたのも、コメントの役割が大きかった。麗水(ヨス)油流出事故現場で鼻をつまんだまま撮影した画像が問題だったが、見方によっては臭いを避けるためのものと見え、「更迭しろ」というコメントが殺到したからだ。
また、コメントは匿名性という仮面をかぶって「誹謗中傷」という人を害する武器に急変する。特に大衆へのイメージが重要な芸能人たちが、悪質な書き込みに最大の苦痛を被る。彼らは極端な場合は自殺をしたり、重度のうつ病に悩まされているなどの被害を訴えている。
最も代表的な例が国民俳優と呼ばれた崔眞實(チェ・ジンシル)の自殺だ。チェ・ジンシルは放送人のチョン・ソンヒの夫アン・ジェファンの自殺と関連し、「アン・ジェファンがビジネスのために街金など借金を背負ったが、その背後にチェ・ジンシルがいた」というルーマーと誹謗中傷でけっきょく2008年に短い生涯を終えた。
最近では芸能人たちも名誉毀損の疑いで、悪意のあるコメントの作成者を刑事告訴するなど強硬な態度を見せている。不倫結婚説というデマに長いあいだ苦しめられた俳優ソン・ユナさんがデマを流した57人全員を去る24日、告訴した。自分の家族と関連した誹謗中傷のためにうつ病を患っていた俳優キム・ガヨンさんをはじめ、性売買の噂に苦しんでいた俳優に李多海(イ・ダヘ)氏も最近、法的対応に乗り出した。