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論峴・合井・梨泰院「企業タウン」に変身中

文化・サービス企業が社屋として単独住宅利用が急増...江南オフィスビルひんやり 

  • 論峴・合井・梨泰院「企業タウン」に変身中
  • 江南オフィスビルを使っていた会社が新しい巣を張っている論峴洞住宅街。単独住宅の壁に会社の看板がついている。[キム・ジェフン記者]

スイスの建築資材会社「シーカ」の韓国支社シーカコリアは昨年、ソウルの良才洞(ヤンヂェドン)にあるオフィスビルから論峴洞(ノニョンドン)一帯の2階建て(約78坪・1階)住宅に引っ越した。社屋が庭のある一戸建てというわけだ。防水シートを生産するある地方企業の研究所と「一つ屋根の下の二家族」のように、一軒の家を仲良くシェアして使っている。

シーカコリアの関係者は、「家賃を数百万ウォン節約できるうえに、従業員たちが家族のような雰囲気で仕事ができ、勤務満足度が高い」と語った。

会社が住宅街に食い込んでいる。ソウルの江南区論峴洞、瑞草区方背洞、龍山区梨泰院洞、麻浦区西橋洞・合井洞など、一戸建てや多世代住宅が集まっている地域の家を一軒ごと買い取ったり、賃貸して社屋として使う会社が増えている。

大企業と外国系企業が江南地域のオフィスを離れて江北の都心や板橋(パンギョ)に移る反面で、デザイン・出版・広告制作・建築設計など、消費者と直接会うことのない企業間の取引(B2B)の中小規模の会社は、価格が安い一戸建て住宅に手を出しているというわけだ。

江南・論峴路(ノニョンノ)の裏通りに位置した住宅街は、見た目は平凡な家庭用住宅ように見えるが、3軒のうち1軒は会社の看板がかかっている。一戸建てを取り壊して商業建物(近隣生活施設)を建てるために、基礎工事がまっさかりの所も目立つ。

麻浦区西橋洞・合井洞(ハプチョンドン)の住宅街にも会社が押し寄せている。地下鉄2・6号線合井駅2番出口のメセナポリスを挟んで裏通りに入ると、一戸建てに巣を張ったファッション・インテリア・デザイン・出版業界の会社を容易に探しだすことができる。文学と知性社の「ムンジ文化院サイ」は最近、30億ウォンをかけて6階建ての多世代住宅を買い入れ、リモデリング工事を進行中だ。

西橋洞の不動産関係者は、「弘大入口駅一帯の住宅価格が上昇し、唐人里発電所近隣や延南洞(ヨンナムドン)・望遠洞(マンウォンドン)一帯の住宅価格も相次いで上昇する傾向」だと語った。

龍山区梨泰院洞一帯も人気だ。すこし前に「経理団キル」の裏通りの多世代住宅1階を借り上げて、建設設計事務所を設けたイ・スンヨプさん(42)は、「15坪程度だが保証金1000万ウォンに家賃60万ウォンで、江南や弘大入口より賃貸料が安く、事業を始めるのがはるかに楽だ」とし、「特色のある小規模の店ができており、弘大を代替する商圏として成長する可能性が高く、機会があれば建物を買い入れたい」と語った。

この一帯の一戸建ての売買価格は前年の3.3平方メートル当たり2000万ウォン水準だったが、現在は2000万~2500万ウォンに上がった。

このような単独住宅の人気は統計でも明らかにされる。ソウル不動産情報広場によると、今年に入って去る3月まで江南・瑞草・麻浦・龍山区一帯の一戸建て・多世代の取引は合計323件で、昨年の同期間の139件より2倍以上増えた。

競売市場でも人気が高くなっている。競売情報業者「GGオークション」によると、去る第1四半期の競売市場に出た一戸建ては、江南区4件のうち3件は主人に出会って落札率は75%を記録し、鑑定価格に比べて落札価格率は80%を越えた。麻浦区は昨年、一戸建ての競売件数が61件と2~3年前より3倍近く増えた。今年に入って落札率は50%を記録し、落札価格率も70%を上回っている。

一方、江南地域のオフィス市場は泣き面だ。

米国系不動団総合コンサルタント会社の「クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドコリア」によると、第1四半期の江南オフィスビル(延べ面積3万平方メートル以上)の空室率は8%で、昨年の第4四半期(7.1%)より0.9%ポイント急騰した。裏通りの中・小型ビルの空室はさらに多いという。ソウルのオフィスビル空室率も11.1%に、昨年の第4四半期より0.4%ポイント上がるなど、空き事務所が増えている。

一戸建てが脚光を浴びる理由は、オフィスビルより賃貸料と売買価格が相対的に安いうえに、よく似た文化・サービス業種が集まっており、「ホット(hot)商圏」が発達して、これからの価値の上昇も期待できるからだ。土地が広く駐車場などの条件さえ合えば、用途を変更してテラスや庭のある建物など、会社の好みに合わせてリモデリングが可能で活用度が高いことも長点だ。

KB国民銀行のイム・チェウ不動団専門委員は、「オフィスビルは賃貸料として400万~500万ウォンを出すため、10億~20億ウォンする一戸建てを買い入れて社屋として使えば費用を節減することができ、賃貸収益をおさめられるうえに、売却差益も可能で需要が増えている」と語った。
  • 毎日経済_イム・ヨンシン記者/ イ・スンユン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-04-29 17:08:27




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