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数字経済 > マーケット > ディープデータ(Deep Data)、個人オーダーメイド型マーケティング活性化
「3500万会員のデータを10年以上集めたが、正直使えるデータがない」(OKキャッシュバック関係者)
「会員がいくらを使ったかが分かるだけ、"何"を買ったのかは分からない。ポイント提供などCRM(顧客関係管理)マーケティングをしたいが何を知ればいいのか・・・」(新韓カード関係者)
顧客の購入性向をさらに詳しく把握できる「ディープデータ(Deep Data)」マーケティングが脚光を受けている。これまでのビッグデータが「総購入額」程度のみ確認が可能だったなら、ディープデータは消費者の購入品目リストを確保することができ、さらに「深さある(Deep)」情報だという評価だ。しかし、ディープデータ収集のためには消費者の自発的な参与が必要だという点で、確保が可能な標本に限界があるだろうという指摘も提起される。
「私たちの製品の主な顧客は誰なのか」というのは、企業が知りたがる永遠の秘密だ。主な顧客の購入パターンと性向を知れば、より特化された製品開発と個人オーダーメイド型のマーケティングが可能だからだ。
しかし、このような情報が込められた決済内訳に接近できる会社は百貨店・大型マートなど流通会社だけだ。個人情報保護のため、決済情報を取り扱うクレジットカード会社やバン(VAN)会社ですら決済内訳を暗号化して保存する。流通会社は他の会社と決済情報を共有しないため、製造会社の立場では具体的な消費者情報を把握しにくい。「カード会社などと連携してビッグデータ分析を実施しても限界がある。マートで4万ウォン分を購入した情報はあるが、どのような製品をいくつ購入したか、その製品はいつまた再購入したかなどの情報は出ない」というのが製造業界関係者の繰り言だ。
「ビッグデータ」では消費者把握に限界・領収書の認証ショットで購入パターン分析
このため最近の業界では、より具体的な消費者情報を得る「ディープデータ」マーケティングが人気を呼んでいる。方法は、購入領収書の「認証ショット」と通じてだ。消費者が領収書をスマートフォンで撮って送ると、クーポンを提供したり抽選を通じて景品をくれるというしくみだ。領収書には製品名はもちろん、購入数量と単価、購入した時間と場所、さらには一緒に購入した製品目録も含まれており、はるかに具体的な消費者情報を確保することができる。流通会社やカード会社など、消費者接点のある他の業者の協調なしでも製造会社が独立的にプロモーションを進行することができるという点も長所だ。
とくに、ディープデータ分析は価格帯が低く購入が反復的に成される食品や生活必需品など、「低関与製品(購入意志と決定過程が単純な製品)」でさらに効果的だという評価だ。実際、ロッテリア・チョンジョンウォン・ハリム・カンドン製薬・毎日乳業など最近「購入認証ショットイベント」を進行した業者もほとんど低関与製品の業種だった。業界の関係者は、「まだ事業初期であるため、マーケティングに活用できるほどの意味あるデータが積もっていない。今後もイベントが繰り返されれば消費者の好みや購入パターンの変化をある程度読み取ることができると期待する」と説明した。
しかし、すべての消費者が領収書をスマートフォンで撮って送るほど積極的であったり、IT機器活用に慣れていないかもしれない点は限界として指摘される。ビッグデータ分析業者「Xiilab」のイ・ウヨン代表は、「写真をもらって分析する過程は自動化が可能だが、消費者が領収書をスマートフォンで撮って送るまでの過程は、アナログ方式であるほかない」とし、「このため、性別や年齢代、所得水準などが特定階層に限定されるかもしれない」と指摘した。
■用語説明
ディープデータ(Deep Data) 不特定の情報を無差別的に収集する「ビッグデータ」と異なり、より具体的な消費情報を収集するマーケティング技法やそのような情報。ビッグデータは個人情報保護イシューであるため、企業が望む具体的な情報を収集するのに限界がある。ディープデータは、消費者が自発的に情報を提供すれば補償を提供するしくみで、ビッグデータの短所を克服する。