トップ > 数字経済 > 企業 > カカオ、新成長の動力探せるか探せないか「海外進出の適期逃しサービスも遅々として進まず」

カカオ、新成長の動力探せるか探せないか「海外進出の適期逃しサービスも遅々として進まず」


  • カカオ、新成長の動力探せるか探せないか「海外進出の適期逃しサービスも遅々として進まず」
  • カカオのイ・ソグ共同代表が去る2月、MWCで基調演説をしている。イ代表は、この席で送金サービスなど新事業進出構想の一部を公開した。<毎経DB>

新成長の動力を探すカカオの「足早の歩み」が忙しい。国内モバイル市場で、これまでの事業だけでは成長の限界にぶつかったという判断からだ。

カカオはこれまで「国民メッセンジャー」カカオトークを基盤にゲーム・写真・流通(モバイルコンテンツ)・音楽・ランチャーなど多様なサービスを打ち出したが、ゲームを除いてはこれだという収益モデルをつくれなかった。ここへ来年5月、上場を目前に企業価値を高めるための「一発」が必要だという点も足を促す。カカオは(モバイル)商品券・決済・送金・ニュースサービスなど7~8種類の新事業を、早ければ上半期内に披露するという計画だ。しかし、国内モバイル市場が飽和状態であるうえに、これまでの事業者の牽制も激しく容易でない挑戦だという憂慮が少なくない。

カカオは去る3年間、爆発的な成長の勢いを続けてきた。2011年に18億ウォンに過ぎなかった売上は、2012年に462億ウォン、昨年には2100億ウォンに達した。同じ期間、営業利益もマイナス127億ウォン(営業損失)から2012年には69億ウォンへと黒字転換した後、昨年680億ウォンに急増した。2012年下半期に披露したカカオゲームが空前のヒットを記録したおかげだ。「エニパン」「ドラゴンフライト」に代表されるカカオゲームは、国内モバイルゲーム市場の新紀元を開き、カカオの「キャッシュ・カウ」として定着した。3月末基準でカカオトークに登録されたゲームは400個余りに達する。

しかし、カカオゲームを眺める業界の視線は以前のようでない。売上に比べて実利が少ないという理由からだ。ひとつのプラットフォーム内で400個にもなるゲームが競争しながら、マーケティング費が急増、ゲーム開発社の利益率が減ったからだ。昨年、モバイルゲーム業界の利益率は平均10%内外と、オンラインゲーム(30%内外)の3分の1にとどまった。

  • カカオ、新成長の動力探せるか探せないか「海外進出の適期逃しサービスも遅々として進まず」

「収益を出す100万パートナー」の「夢」が足首

ネイバーが、閉鎖型SNS「バンド」をプラットフォームにする「バンドゲーム」を披露する予定だという点も、カカオゲームの独歩的位相を威嚇する要因だ。バンドゲームの手数料率(14%)は、カカオゲーム(21%)の70%に過ぎず、モバイルゲーム業界が大挙して入店するものと見られる。カカオとしては、カカオゲームのトラフィック減少と手数料率引き下げ競争による売上下落が憂慮されるピークだ。ここへ、ネイバーが莫大な資金力を基盤に各種マーケティングと手数料率引き下げの「チキンレース」でも繰り広げるなら、カカオゲームの立地はさらに減るしかない。

業界の関係者は、「カカオがネイバーと市場を両分しながらも、持続的に成長するにはモバイルゲーム市場全体が大きくならなければならない。しかし最近、国内モバイルゲーム市場は成長の限界に至ったものと見られる。少し前に、モバイルでもMMORPGが登場したが、これはゲームの最終進化バージョンである"終盤王"に該当する。これ以上新しいゲームが出にくいという話」だと語った。

カカオトークの加入者数増加の勢いが期待に満たないという点も心配だ。3月末基準、カカオトーク加入者数は約1億4000万人で、昨年12月の1億3000万人から1000万人増えるにとどまった。ネイバーのライン加入者数が昨年11月末に3億人を越えたのに続き、4月初めに4億人を突破する予定であることと比べると鈍い速度だ。一日平均加入者数に換算すると、それぞれ10万人(カカオトーク)・60万人(ライン)とその差が確然としている。

そのうえ、最近増える新規加入者は、東南アジアの加入者がほとんどであるという点で、加入者の「質」も低い。市場調査業者コリアンクリックによると、昨年末基準の国内カカオトーク到達率(スマートフォン使用者のうち、カカオトークを設置した割合)は93%に達した。国内市場が飽和状態であり、現在、毎日10万人ずつ増える加入者はほとんど海外の使用者であることが分かる。その中でも、カカオが最近マーケティングを集中している地域がインドネシア・フィリピン・マレーシアなど東南アジア国家であり、これらの地域の加入者が多数にみえる。

東南アジアの国家は比較的購入力が低く、カカオの主要収入源である「モバイルゲーム有料アイテム」の売上を期待しにくい。そのうえ、今はラインと現地シェア率増やしの競争段階であり、本格的な売上発生どころか、マーケティング費の支出がさらに多い状況だ。カカオの核心力量である「プラットフォームの力」はカカオ加入者に基盤になっている点で、このような状況はカカオの中長期成長に暗い影を落とす。要するに、国内ではバンドゲーム・海外ではラインに遮られ、持続成長が難しい情勢であるということだ。

どこからもつれたのだろうか?

カカオの関係者は、「IT大企業のネイバーと競争していると、企業規模の差のせいでどうにもならない側面がある」と訴える。昨年、ネイバーがラインの海外マーケティング費だけで2000億ウォン以上使ったが、これはカカオの年売上に該当する金額だということだ。

しかし、業界ではあまりにも遅い上場決定により、資金調達の機会を逃したカカオ経営陣の「失期」を悔やむ声が高い。匿名を要求したIT担当アナリストは、「カカオはモバイルゲームとして国内市場に安着した2012年末から、海外市場進出資金調達のため、上場を推進するべきだった。それにもかかわらず、カカオは国内市場中心に新事業を企てるためにライン・ウィジェットなどに海外市場を先占された。先占効果が何より重要なモバイルメッセンジャー市場では致命的な失敗だった」とし、「来年5月に上場するというから、2年以上失期したということだ。6か月を見通しにくいIT業界では、運命を左右するのに十分な時間」だと皮肉った。

「カカオページ」がカカオの足首を掴んだという分析も出る。カカオページは2012年下半期、「カカオゲーム」が成功して以降、カカオが昨年4月に野心溢れさせて披露した「オンライン市場」。時期上、海外進出を準備しなければならなかった時期に、国内市場に居座り続けたということだ。カカオページは「オンラインコンテンツ市場で有料化政策は成功しにくい」という業界の不文律に正面から挑戦したサービスだったが、結果は凄惨な失敗だった。有料コンテンツの売上が一日1万ウォンだけ発生しても、全体コンテンツ売上トップ10内に入るほど、有料購入は成されなかった。

カカオは昨年9月、有料コンテンツの購入最低価格を500ウォン(5チョコ)から100ウォンに下げ、コンテンツ販売金額のうち、販売者の取り分をこれまでの50%から70%に引き上げたが、反応は依然として冷ややかだ。カカオのイ・ソグ共同代表も、「当時、カカオゲームの成功以降、プラットフォームの力を過信したようだ」と失敗を認定した。

カカオは2015年末まで「カカオトーク月間純訪問者数(MAU)5億人」「累積年間売上10兆ウォン」「収益を出す100万パートナー達成」を内部目標として掲げている。昨年10月末基準の成績表はそれぞれ8700万人・1兆650億ウォン・5700個と、目標値の17%・11%・0.6%水準に過ぎなかった。まだ2年余りの時間があるが、カカオトーク加入者数増加の勢いが停滞したという点で、目標値達成が易しくないようにみえる。とくに、カカオの企業理念でもある「収益を出す100万パートナー」は、カカオページの低調な成果で目標値の1%も達成できなかった。「やせ地のモバイル有料コンテンツ市場開拓」という「夢」を追い、サービスも遅々として不振で、海外進出の適期も逃したということだ。

業界ではカカオの新成長動力探しが容易でない挑戦になるだろうと見る視覚が優勢だ。一度に7~8個の新事業を準備中であることに対しても、「百貨店式アイディア羅列」になるかもしれないという憂慮が多い。

専門家は、カカオが今からでも海外市場をターゲットにしたサービス開発に尽力するべきだと注文する。LG経済研究院のチョ・ソンワン専任研究員は、「カカオは事業発掘力量がまだ足りない。バグズと連携したミュージックサービスもまだ定着できず、カカオストーリー、グルプなど閉鎖型SNSの破壊力も低迷している」と指摘した後、「再度成長を加速化するためには、海外で競争社と差別化したコンテンツを打ち出さなければならない。まだ試みられていないソーシャルコマースとの連携のような次世代収益基盤を整えるのも一つの方法」だと話す。

東洋証券のイ・チャンヨンアナリストは、「フェイスブックがタイムラインに広告をつけて売上を極大化したように、カカオストーリーを広告プラットフォームとして活用する方案も考慮してみる価値がある」と語った。
  • 毎経エコノミー_ノ・スンウク記者
  • 入力 2014-04-07 09:02:00




      • facebook icon
      • twetter icon
      • RSSFeed icon
      • もっと! コリア