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事務室の有線電話が消えていく


先月、ソウル・江南区テチ洞(大峙洞)から光化門に引っ越した韓国マイクロソフト(MS)社屋には、事務室の必需品として挙げられる有線電話がない。社屋を移転する際に「フリースタイル・ワークプレース」と名付けた業務環境を作った後に生じた変化だ。役員から末端職員まで決まった席なしに、朝に出勤して好みの席を選んで座る。固定座席制を廃止するやいなや、ついでに固定電話の使い道も消えてしまった。代わりにノート・パソコンやスマートフォンに保存されたアプリケーションで会社電話をかけたり受けることができる。

韓国企業で有線電話機が消えている。スマートフォンの拡散と移動通信網の発展を背に受けて、有線電話を中心に成り立っていた業務基盤が速い速度でモバイルに移っている。スマートフォンひとつで大部分の業務を処理できる「動く事務室」時代が開かれるやいなや、机の片隅に遺物扱いされて放置された有線電話が歴史の裏街道に消えるわけだ。

2011年、京畿道・パンギョ(板橋)テクノバレーに社屋を移したポスコICTは、この分野のリーディング企業のうちの一つだ。国内企業として最初に指定席制を全面廃止し、固定電話もいっしょに廃した。その代わり社屋半径1キロメート内でスマートフォンから電話をかけると、関連データが会社の中継機を通じて外に出て、受けとる人の携帯電話に「031」局番で始まる会社番号が浮かぶ。この番号に電話をかければ職員のスマートフォンが鳴る。有線電話を完全に無くしつつも会社番号は維持する「二元体制」だ。

ポスコICT関係者は「すべての業務電話をスマートフォンで処理するので、外部顧客が会社に電話をかけた時に席をはずしていたと言う言いわけが通らない」とし、「席にかかわらず、いつどこでも業務できるので仕事の能率がより高くなった」と語った。

ソウルのソチョ区(瑞草区)にあるKT「オーレキャンパス」もこのような実験に加わっている。指定席制を無くしてモバイルを中心に、大部分の業務を処理している。

ある移動通信社の関係者は「すでに1~2人世帯を中心に、家に電話を置かないトレンドが拡散している」とし、「これに一線の企業まで電話を置かず、有線電話全体の使用量は急激に落ちるだろう」と語った。

未来創造科学部によると、2006~2007年に2300万人を超えた有線電話加入者は毎年急減し、昨年は1846万人あまりに落ちた。別の移動通信社関係者は「通信費を節減する目的で、インターネット・IPTVなどと結合商品として、使わないインターネット電話を設置する家も多く、実際に使用中の有線電話はこれよりもっと少ないだろう」と語った。

最近は公共機関までこのようなトレンドに加わっている。安全行政部が最近スマートフォン基盤の業務ポータル「モバイルハーモニー」を構築したのが代表的だ。スマートフォン、タブレットPCなどモバイル機器で業務の相当部分を処理することができる。

京畿道庁もまたポスコICTと協力体系を構築し、指定席制廃止などをベンチマーキングする計画を立てている。まだ有線電話をなくしてはいないが、モバイル業務環境が定着すれば自然に有線電話の必要性が減るだろうという分析だ。
  • 毎日経済_ホン・ヂャンウォン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2013-12-16 00:00:00




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