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経常収支26か月連続黒字 韓国経済の3大ミステリー

収入は減った不況型の黒字/ウォン上がっても輸出に支障なし/体感景気回復にはつながらず 

  • 経常収支26か月連続黒字 韓国経済の3大ミステリー
韓国の経常収支が26か月連続で「黒字行進」を続けている。これは関連統計が集計され始めてから、歴代2番目の記録だ。韓国銀行は29日、4月の経常収支が71億2000万ドルの黒字に集計されたと明らかにした。経常収支は2012年3月に38億1000万ドルの黒字を出した後、26カ月目の黒字を続けている。これは歴代2番目の連続した黒字で、1986年6月から1989年7月まで、38か月連続の黒字を出したのが歴代最長記録だ。

韓国の4月の経常黒字規模は前月に比べて1億7000万ドル減ったものの、前年同月と比較すると25億7000万ドル増えた。前年対比でも56.5%増えた。商品の輸出入に伴う商品収支の黒字は106億5000万ドルで、3月(79億7000万ドル)に比べて増加した。

品目別には、最も大きな割合を占める電気製品、電子製品が148億ドルで、前年対比で4.2%増加した。石油製品の輸出は44億ドルで、昨年の同じ期間に比べて17%上昇しており、乗用車・部品(68億1000万ドル)と鉄鋼(41億8000万ドル)も、前年対比でそれぞれ16.1%と15%増加した。

一部では、連続的な経常収支の黒字行進は「不況型の黒字」だという分析をしている。輸出は増加しているのに反して、輸入が増加していないという理由からだ。4月の韓国の経常収支も輸出は567億2000万ドルで、前年同期との対比で10%増えたが、輸入は460億7000万ドルで0.9%小幅減少した。

LG経済研究院のシン・ミニョン首席研究委員は、「今の経常収支の黒字は典型的な不況型の黒字として見ることができる」とし、「投資や消費などの輸入需要が増えずにいる」と説明した。

とは言え、景気状況自体が下降局面ではないことから、現在の経常収支の黒字を不況型の黒字と規定することは難しいという分析もある。第1四半期の経済成長率も0.9%と良好な水準だからだ。

韓国銀行のシン・ウン調査局長は、「消費と投資が思ったより良くないのは事実であるものの、経常収支の黒字は輸出入物量と単価が複合的に作用したものだ。一つの要因を土台に、不況型黒字と見ることは適切ではない」と語った。

為替レートと貿易の相関関係が変わる傾向を見せるのも関心事だ。去る4月、ドルに対するウォンは約3%ほど上がった。しかし、このような中でも輸出は依然として堅調な流れを見せた。

このことから、為替レートが貿易に与える効果がしだいに減っているという分析も出ている。韓国の企業は電子製品などの分野で市場支配的な位置にあり、為替レートの影響もそれだけ小さくなったという説明だ。しかし、実際の為替レートが貿易に与える影響は時差を置いて現れるだけに、状況をもう少し見守らなければならないという見解もある。現代経済研究院のイム・ヒヂョン研究委員は、「貿易取引は短期的に行われないので、数ヶ月後、時差を置いて影響を与えるだろう」と語った。

輸出の好調に応じてマクロ指標は良くなっているが、景況感は依然として停滞状態を見せている。イム・ヒヂョン研究委員は、「消費者物価は1%台と低い水準だが、家計は依然として消費を適切にできずにいる」とし、「家計はまだ不安感に財布を開かずにいて、賃金増加も物価上昇率と同じか下回っていると解釈される」と分析した。

韓国企業があまりにも多くの金を貯めこんでいるという指摘も出ている。先月、韓国銀行金融通貨委員会のある金融通貨委員も、「企業の社内留保金などの現金資産が投資につながらないでいる。企業配当の拡大が民間消費の増大を誘発し、企業の収益性改善と投資拡大につながる好循環構造を期待することがより現実的だ」と明らかにした。
  • 毎日経済_チェ・スンヂン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-05-29 17:42:31




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