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2千万ウォン以下の賃貸収入への課税論難「住宅市場の萎縮、早めるかも」


  • 2千万ウォン以下の賃貸収入への課税論難「住宅市場の萎縮、早めるかも」
△写真=2000万ウォン以下の賃貸収入への課税が現実化すると、家賃収入で暮らす高齢者の打撃が予想される。写真はソウル市内のアパート団地の姿。 [毎経DB]

2000万ウォン以下の賃貸収入への非課税を2018年末まで2年延長することにした政府に対して野党は強く反対し、国会の専門委員さえ事実上は野党側の肩を持つ審査意見を出したことから、この問題が国会での税法改正の議論の「熱いジャガイモ」として浮上した。不動産市場の専門家らは、賃貸住宅市場の萎縮などの副作用が大きいという声を上げている。

野党では、賃貸収入に課税しても実際の税負担は大きくないと主張している。国会企画財政委員会所属の国民の党のパク・チュヒョン議員室によると、賃貸収入2000万ウォン以下の実効税率は3~6.2%に過ぎない。14%の税率分離課税が適用されるうえに、各種の必要経費が認められる控除項目が多いためだ。このような計算法によると、2000万ウォンに対する年間最大課税は約124万ウォン、つまり月に10万ウォンあまりの水準だ。

キム・ユチャン弘益大学税務大学院教授は、「(賃貸収入年2000万ウォン基準で)月166万ウォンほどの賃貸収入を得ることは、最低賃金(135万2230ウォン)よりも多く得ること」だとし、「それでも税金を一銭も払わないのは、課税の公平性に合わない」と明らかにした。国会予算政策処によると、おもに5分位以上の高所得者が住宅を多く保有しているという点も課税根拠となる。企画財政委員会の専門委員室も「予定通り2017年から課税する必要がある」という意見を提示した。低金利で家賃住宅の供給が増えてきた今こそ、家賃収入の課税を正常化する最後の機会であり、供給過剰が現実化する2年後には実施がさらに困難になりうるという学界の指摘を反映したものとみられる。また、専門委員室は入居者の家賃の税額控除を認めているが(現行10%、政府は12%に上方改正案を提出)、賃貸人課税を継続して先送りすることは政策の方向と一致しないと指摘した。

不動産業界では、年間2000万ウォン以下の賃貸収入が課税されると、そうでなくても凍結し始めたアパート市場がさらに打撃受けるだろうという懸念の声が高い。不動産投資にともなう税引き後収益率の低下が避けられないために、不動産への投資心理がさらに冷却することがあるというわけだ。特に来月は米国の基準金利引き上げの可能性が高く、国内でも住宅ローンの金利が5%に達するなど不動産投資環境が悪化した状況で、賃貸収入を目的とした不動産投資は大幅に萎縮するだろうという展望が提起されている。賃貸所得税じたいの多い少ないを離れて賃貸所得への課税が実現すれば、隠退後に家1~2軒で家賃を得ている高齢者の健康保険料負担がぐっと増加するためだ。

一例として、他の財産と所得なしに時価5億ウォンの住宅2軒(総財産価額10億ウォン)で年間2000万ウォンの賃貸収入を得る賃貸人は、実際の賃貸によって納付する税金は年間56万ウォンに過ぎない。しかし健康保険料の負担が年間274万ウォンに達している。

健康保険料は職場加入者と地域加入者に分けられるが、職場加入者は給与総額を基準に健康保険料が課される一方で、地域加入者は所得・財産・自動車などの等級別点数を合算して保険料を賦課されることになる。隠退後の仕事がなく健康保険料を支払わずにいた賃貸人は、保有している住宅価額に比例するレベルの健康保険料を払わなければならない。政府で「健保料爆弾」の懸念を提起する理由だ。

ただしこれまでのように、賃貸収入への課税が賃借人に転嫁される可能性は高くないという評価が出ている。不動産業界の関係者は、「これまでは賃貸借市場が賃貸人の優位だったので、賃貸所得税のほとんどが賃借人に転嫁されやすい構造だったが、来年には供給量が大幅に増えることにより、賃借人の優位に変わる可能性が高い」とし、「来年から行われる2000万ウォン以下の賃貸収入の課税は、ほとんど賃貸事業者が負担することになるだろう」と予想した。
  • 毎日経済_ヨン・ファンジン記者/イ・スンユン記者/ナ・ヒョンジュン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2016-11-21 15:59:39




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