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輸入牛肉全盛時代…キム・ヨンラン法と景気萎縮重なり韓牛の自給率40%下回る


  • 輸入牛肉全盛時代…キム・ヨンラン法と景気萎縮重なり韓牛の自給率40%下回る
京畿道安養市に暮らす主婦のパクさん(仮名、53)はこの正月、名節の祭壇に初めて韓牛(韓国産牛肉)の代わりに豪州産牛肉をのせた。ご先祖様に最高の料理でおもてなしをしようとする気持ちはひとしきりだった。しかし不況でフトコロ事情が良くないうえに、あまりにも上がった韓牛の価格が負担になって豪州産を選ぶしかなかった。

韓牛産業が危機に直面している。韓牛の価格があまりにも上がったせいで一般消費者が輸入品に手を伸ばしており、これまでなんとか韓牛消費を後押ししていたレストランや名節の贈答品需要でさえ、請託禁止法(キム・ヨンラン法)の影響でぱたっと途絶えた。

2日、韓国農村経済研究院によると、昨年の牛肉の自給率は37.7%まで墜落したと推定された。自給率とは、わが国の牛肉消費量のうちで国産品の消費量が占める割合であり、自給率が40%台を下回ったのは、2003年(36.3%)以来で13年ぶりのことだ。 1人当たりの牛肉年間消費量は昨年の11.5キログラム(推定値)から、2015年は10.5キログラムに大幅に増えた。しかし韓牛の消費量が増えたのではなく、安価な輸入品消費が急増して市場を侵食している。昨年の牛肉輸入量は2015年よりも21%増加した36万2000トンで、牛肉の輸入が全面自由化された2001年以来で最高レベルだ。

国民が韓牛をさけたのは、例年に比べて価格があまりにも上がったからだ。 GS&Jインスティチュートによると、今年1月の韓牛1キロ当たりの卸売価格は1万5602ウォンで、昨年1月よりも15.9%ほど下落した。しかし2014年1月の1万4342ウォンと、2015年1月の1万3955ウォンと比較すると依然として高い。

韓牛の価格が高い理由は、供給が大幅に減っているからだ。韓米自由貿易協定(FTA)の発効時点である2012年を基点にして、価格暴落を懸念した農家が飼育頭数を大幅に減らした。子牛を育てて韓牛として出荷するために3年かかり、その結果、飼育頭数減少の影響は2015年末から可視化した。子牛の価格が跳ね上がり、韓牛の価格もこの時から高空行進を開始して、昨年には1キロ当たりの平均卸売価格は2万ウォン台に迫ったこともある。生産コストのために価格が高くなると、需要は萎縮するしかない。特に昨年9月末の「請託禁止法(キム・ヨンラン法)」施行は、韓牛消費の需要減少に直撃弾を飛ばした。

このことから、キム・ヨンラン法の余波を克服して輸入品に市場を蚕食されないようにするには、「品質の高級化」のみに注力していたこれまでの産業の方向を変える必要があるという声が出ている。農協の関係者は、「わが国は韓牛の品質高級化のために血統を重視する傾向が強く、牛の品種も韓牛と肉牛などに限定されている」とし、「いまや品質だけを前面に出して勝負する戦略は限界に直面した」と語った。この関係者は続けて、「韓牛飼育の特性上、とつぜん産業の方向を変えることは容易ではないが、輸入肉との価格競争で生き残り、消費者の選択の幅も広くなるように、国産牛肉市場の多様化が必要だ」と付け加えた。

牛肉の評価制度が改善されなければならないという意見もある。わが国の牛肉の等級は、肉質と肉量の等級に区分されているが、このうち肉質は霜降りと呼ばれる筋内脂肪度を中心に評価される。 「霜降りがいい」というのは、肉の部位の脂肪の含有量が高いことを意味する。農家は牛をさらに太らせるために飼料をより多く与え、これによって生産費用もさらにかかる悪循環が続いている。
  • ソ・ドンチョル記者
  • 入力 2017-02-02 17:52:58




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