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6兆ドルのヘルスケア世界市場 韓国も産業育成へ

遺伝子ハサミ、がん細胞をあらかじめ発見し除去/電子皮膚、病気悪化時は薬の自動注入/ウェアラブル機器はどこでも遠隔診療 

◆ヘルスケア産業ビッグバン ◆

  • 6兆ドルのヘルスケア世界市場 韓国も産業育成へ
胎児の遺伝子を分析し、20~30年後の病気を予測する。癌や難病を引き起こす可能性のある遺伝子が検出されると、「遺伝子ハサミ」を利用して切り取る。人々は「電子皮膚」を腕や背中に貼り付けて暮らす。体に異常が生じたときは電子皮膚に信号が行き、薬が自動的に注入されて治療が行われる。

「虚無孟浪」(全くでたらめ)な話ではない。関連技術は成熟期に入っており、商用化されている。身に着ける「ウェアラブル機器」を使って脈拍数・血圧・血糖値などを測定するスマートデバイスは、既に数多くの製品が出ている。

遺伝子技術・幹細胞・再生医学などの技術が急速度で発展し、情報技術(IT)と医療が融合しつつ、ヘルスケア産業のパラダイムが変わっている。これまでヘルスケア産業は、病気にかかった時に病院で治療を受け、健康保険財政という限られた「パイ」を医師・薬剤師・製薬会社などが分けて食べるゼロサムゲームだった。いまや、予防医学、個別対応型治療、ホームケア(U―ヘルス)などに重心が移動している。高かった産業障壁と国境という境界も崩れている。

「3Dプリンティング」の出現は、医療機器・人工臓器などの個別対応製作を可能にする。超高速通信網を介した遠隔診療と医療観光の活性化で、ヘルスケア業界は内需市場という限界を超えてグローバルな進出を可能にした。ウェアラブルデバイスとIT企業の、ヘルスケア市場への参入も速くなっている。医療機器メーカーの競合他社は、すでにグーグルやアップルなどのIT企業となっている。

20世紀がITの時代なら、21世紀はヘルスケアが国家の新たな成長を導く産業として期待されている。

アメリカは2012年にバイオ産業の育成を通じた国家競争力の強化策として、「国家バイオエコノミーの青写真」を発表し、日本は「メディカル・エクセレンス・ジャパン(MEJ)」を設立し、外国人患者の誘致に乗り出している。

中国も昨年、国務院傘下の国家発展改革委員会が中心となって、保健産業の育成計画を発表した。韓国保健産業振興院の鄭起澤(チョン・ギテク)院長は、「限られたパイを分けて食べる消耗的な医療システムから、予防・個別対応型診療と輸出産業として育成し、パイのサイズを育てなければならない時代が来た」と語った。

パク・サングン病院協会会長は、「ヘルスケア産業は医療サービス・製薬・医療機器・IT・観光まで網羅しており、ジャックポットをはれつさせることができる」と期待した。市場調査専門機関のプランケットリサーチ(Plunkett Resources)によると、世界のヘルスケア市場の規模は6兆1500億ドル(2013年時点)に達する。韓国の医療市場は97兆1000億ウォン(約950億ドル)で、世界市場の1.5%に過ぎない。
  • 毎日経済_パク・キヒョ記者/ウォン・ホソプ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-06-23 17:37:23




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