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韓国、高級時計の売上11%増加 スイス時計の輸入増加率はアジア1位

高級時計、年2兆に急成長、「自信感の象徴」積立てをくずして購入/希少性が大きく財テク手段にも/韓国「スイス時計の輸入増加率」アジア1位 

  • 韓国、高級時計の売上11%増加 スイス時計の輸入増加率はアジア1位
50代の男性で会社役員のクォン某氏は、高価な時計を30個持っている。簡単なクォーツ(バッテリー)式時計もあるが、パテック・フィリップ、ヴァシュロン・コンスタンタン、ボーム&メルシエなどの、名前だけでもよく知られているスイスの高級機械式時計がほとんどだ。それだけ経済的支出も多かったが、それによってクォン氏が得る満足感ははるかに大きい。クォン氏は、「この30年間、時計の収集狂として生きたといっても過言じゃない」とし、「私の手首の上で時計のムーブメント(動力装置)が回るのを見るたびに、私は生きていることを感じる」と語る。

大韓民国が高級時計のとりこになった。特に、高価な機械式時計を好んで求める男性消費者が増えて、「ウォッチホリック(watch-holic/時計中毒)コリア」と呼んでも遜色のない時代になった。

事実、韓国内の時計消費は飛躍的に増加している。韓国時計産業協同組合によると、韓国内時計市場の規模は2008年の7400億ウォンから2012年の2兆780億ウォンと、3倍ほどに跳ね上がった。昨年の市場規模はまだ集計されていないが、約2兆3000億ウォンと推算される。

世界的にも韓国の時計消費の増加が著しい。この間、アジアでは中国が世界の高価腕時計のブラックホールのようなものだったが、習近平国家主席が反奢侈・腐敗政策を推進して、そのような傾向もはっきりと下り坂を歩いている。代わりに韓国は急峻な上昇勢いにある。

スイス時計協会(FH)によると、昨年のスイスの時計輸出額218億スイスフラン(約24兆9000億ウォン)のうち、韓国は輸入国のなかで11位に相当する5億3700万スイスフラン(約6100億ウォン)を記録した。絶対額では1位の香港(41億2500万スイスフラン)と3位の中国(14億4650万スイスフラン)などに大きく負けるが、これら2つの国の輸入額は2012年とくらべてそれぞれ5.6%と12.5%減少した。一方、韓国のスイス時計の輸入増加率はなんと11.4%で、アジア諸国の中で日本(5.7%)やシンガポール(1%)を抜いて1位を記録した。スイス時計の輸入額1~10位の国のうち、韓国よりも輸入増加率の高い国は英国(18.2%)のみだ。

「ウォッチホリックコリア」現象は、最近の韓国の国内時計市場の版図の変化と関連が深い。以前は贈答用時計を中心に、高価な時計をひとつだけ持った消費者が、腕時計を最も華やかなファッションアイテムとして認識しつつ、2~3個以上を持とうとする傾向が大きくなったからだ。これは30・40代の若い男性が主導している。

新世界百貨店の関係者は、「ブランド品のバッグや靴をいくつも持っている女性のように、男性も時計をいくつも持つことで、自分のファッションをせいいっぱい引き立たせようとする」と語る。

事実、新世界百貨店が集計した昨年の高級時計の売上は前年よりも11%増え、全体の高級雑貨の売上の伸び率3.1%を3倍ほどひらりと跳び越えた。高級時計の消費者のうち、30代の割合は2010年の30.5%から昨年は36.9%に6.4%ポイント上昇した一方で、同じ期間における40・50代の割合は3~6%ポイント減少し、消費世代の交代現象がはっきりしてきたことを知ることができる。

一部のマニアの間では高級時計が財テク手段として浮上している点もまた、腕時計の消費をあおっている。ロレックスやパテックフィリップなどの一部の高級時計は少量生産され「希少性」があり、中古価格が新しく買った時計よりも上がる現象も頻繁に発生している。

時計輸入業者ウリムFMGのクォン・ギジョン常務は、「パテックフィリップ5131という時計は毎年10個ずつ限定生産されるうえに、新製品が韓国に出てくるまで日にちがかなりかかる」とし、「こんなわけで、出庫価格が9200万ウォン台のこの製品は、購入後にグーグルなどのオンライン時計オープンマーケットに出せばすぐに1億ウォン以上で取引されることが多い」と語った。

ファッションの完成であり、財テクの宝物としても脚光を浴びる時計を購入するために、果敢な支出をいとわない消費者もいる。ある時計オンライン・コミュニティで活動する社会人のファン某氏は、「高級時計を買おうと、4年間ためた積立てをくずしたこともある」とし、「良い時計が目に入ると、いつも頭の中をぐるぐる回る」と語った。

このように、時計の消費が増えているのは明らかな現象だが、韓国産の時計産業はますます停滞している。

韓国内の時計市場の規模2兆ウォンの中には、スイス・中国・日本などの輸入品が90%以上で大多数を占めている。特に輸入品の中でも高価なブランド時計群を形成するスイス製品が60%以上に達するほどだ。

韓国時計産業協同組合のキム・スギ次長は、「2006年の、スイスなどが含まれる欧州自由貿易連合(EFTA)と韓国間の自由貿易協定(FTA)締結で、スイス時計の輸入関税が減少して、販売価格もそのぶん下がらなければならないのに、企業はマーケティング費用などを過度に使い、価格は下がっていない」とし、「消費者は輸入時計の高い価格にさほど拒否感を持たないし、国産製品の足場はさらに狭くなっている」と語った。
  • 毎日経済_ソ・ヂヌ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-06-27 15:36:55




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