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東国製鋼 造船産業が回復していない今、好況の理由

創立60周年の東国製鋼...張世宙会長の自信/唐津工場との相乗効果で年1000億収益性の改善 

7日午前、東国製鋼の唐津工場。摂氏1200度を超える火の中の赤く熱したスラブ(造船・海洋プラント用プレート半製品)から吹き出す熱気のせいで、額にはずっと汗がにじんでいた。工場内の加熱で、圧延機は休む暇もなく稼動していた。厚さ25~30センチのスラブは、圧延機を15回行ったり来たりして、1.5センチの厚さのなめらかな鋼板として生まれ変わる。今年に入って一日400枚の鋼板が生産されている。

この工場では注文が絶えない。昨年に比べて20%ほど注文が増えているというのが、東国製鋼側の説明だ。それならば、世界の造船産業がまだ回復していない今、唐津工場が時ならぬ好況(?)を享受している秘訣は何だろうか。張世宙(チャン・セヂュ)東国製鋼会長が強調してきた名品戦略(級特殊鋼材の生産)のおかげだ。

チャン・セヂュ会長は、「誰でも作ることができて、汗をかかずに作った鋼材では不況から抜け出せない」と、高級鋼の生産を強調した。実際に唐津工場で生産された鋼板は、零下20~30度までの極低温でも耐えることができる高度な特殊鋼材で、海洋プラント設備のジャッキアップ・リグやドリルシップなどに供給される。価格も20%ほど高い。唐津工場は昨年から、エクソンモービル・トータル・シェブロンなどのグローバル・オイルメジャー8社の新規鋼板供給会社(ベンダー)に登録されたし、昨年から現在まで10件のプロジェクトに、海洋プラント用鋼板11万8000メートルを供給した。唐津工場は今年高級鉄鋼材を30万トンほど生産し、名品の生産比率を30%まで引き上げる計画だ。

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  • 7日、忠清南道唐津市ソンアクの東国製鋼唐津工場で、最高級のスラブから作られた特殊鋼板の海洋プラント上部構造物用鋼板が生産されている。 [写真提供=東国製鋼]

東国製鋼は60年を休みなしに駆けて来た。「6.25(ユギオ)」戦争直後の1954年に設立された東国製鋼はこの日、60周年を迎えた。じつは東国製鋼は最近、造船や建設など主要産業の不況と鋼材供給過剰がかみ合って、実績には満足できないでいる。2012年に1150億ウォンの営業赤字を記録し、アーニングショックを経験したりもした。昨年は売上げ4兆116億ウォンで営業利益153億ウォンと黒字転換したが、実績はターンアラウンドしたと言うことはまだ難しい状況だ。

チャン・セヂュ会長は2001年に就任した直後、東国製鋼第2の創業を宣言した。チャン会長は、「第2の創業から計算すると、東国製鋼はちょうど10歳をこえた。創立50周年以来、10代の情熱とエネルギーで新たな鉄鋼の歴史を書いてきた」とし、「ラテン語で鉄を意味するフェール(Ferrum)が大切、永遠の意味を持っているかのように、東国製鋼は100年をこえて長く健在する企業とならなければならない」と語った。そしてチャン会長はそれを確信した。チャン会長は、「グローバルな能力を開拓する‘東国DNA’は私達が夢見るすべてを現実に可能にする」と強調した。

チャン会長が確信する東国製鋼の未来の中心には、東国製鋼が建設中のブラジルの高炉製鉄所CSPがある。この製鉄所でスラブを抜き出す日も残り1年半となった。チャン会長は、「来年の年末にはブラジルの製鉄所に火入れできるだろう」と語った。

現在、製鉄所建設総合工程率も60%と6部の尾根を超えた。

チャン会長は、「高炉製鉄所がなかった東国製鋼は、CSPが稼動すれば鋼板事業部門で高炉製鉄所の競争力をきちんと確保することになる」とし、「CSPを通じた収益の増加と原材料調達コストの削減などのおかげで、東国製鋼の収益性改善効果は年間1000億ウォンに達するものと見られる」と語った。

一方、最近市場の一部で提起されている流動性危機と関連してナム・ユニョン社長は、「われわれが持っている現金性資産は1兆ウォンほどであり、年末までに運用する資金もすべて確保されている」とし、「9月に満期が到来する社債は、現在保有している資金で償還できるだろう」と語った。
  • 毎日経済_唐津=ホン・ヂョンソン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-07-07 17:47:28




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