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水産業が韓国企業の新たな成長動力に…「水不足の深刻化で、高い成長性が予想」


  • 水産業が韓国企業の新たな成長動力に…「水不足の深刻化で、高い成長性が予想」
LG化学は去る11日、グローバルな水産業専門企業のメティオ社がエジプトのエルガラーラとポートサイドに建設する30万トン規模の海水淡水化プラントに使用される逆浸透膜(RO)フィルターの単独サプライヤーとして選ばれた。これは一日に約100万人に淡水を供給できる、エジプト最大の海水淡水化設備だ。 LG化学は約400億ウォンを投資して今年の初めに増設を完了した清州工場2号ラインを通じて産業や家庭用ROフィルター市場に進出するなど、水処理分野の世界市場の攻略に乗り出す計画だ。

水産業が国内企業の新たな成長動力として浮上している。地球温暖化にともなう異常気象と世界的な環境汚染で水不足が深刻化しているためだ。これまで設備と施工を担当する重工業の専有物とされていた水処理市場に、国内の化学メーカーも相次いで進出して事業に速度を加えている。

20日、財界によると国内の水処理事業のリーダーである斗山重工業のほか、化学企業のLG化学やロッテケミカル、暁星(ヒョソン)、ヒュビスウォーター(Huvis Water)などもこの「水産業」を新成長動力にして次々と市場に進出している。

国内化学メーカーは、浄水や下水・廃水処理に使用される「メンブレン」を製造するところに集中している。メンブレンは水の中のさまざまな物質を除去するための半透過性製品で、透過口のサイズに応じて4つ(UF、MF、NF、RO)に区分される。国内企業は逆浸透膜(RO)と呼ばれるRO膜と中空糸膜(UF)の開発を重点的に推進している。 RO膜は浸透圧を利用して海水中の塩分を除去する目的で開発されたものだが、下水や排水への再利用などに最近は広く使用されている。

暁星とロッテケミカルはUFを中心にメンブレン市場を攻略している。ロッテケミカルは2011年に水処理市場に進出したことに続き、2015年にはサムスンSDIの水処理事業の研究開発施設を買収した。 500億ウォンを投資した大邱の「水産業クラスター」メンブレン生産工場も着工を控えている。

暁星は2011年から、髪の毛の太さの1200分の1の大きさ穴のあいている膜を開発し、市場に乗り出している。昨年はAMC(アセチル化メチルセルロース)UFモジュールを開発することに成功した。暁星が開発したAMC素材は、これまでの素材よりも耐汚染性に優れたものと伝えられた。暁星の関係者は、「われわれだけの独自技術力をもとに、国内市場はもちろん、水不足が深刻な中東やアフリカを攻略していく計画だ」と語った。

SKケミカルがサミャン社と合作して作ったヒュビスウォーターは、発電所の企画・設計やメンテナンス市場で頭角を表している。ヒュビスの関係者は「国内発電所用の水処理市場の設計分野でヒュビスは90%を占めているだけに、今後は水処理市場での能力を強化していくつもり」と語った。

本来は水処理事業が中核だった斗山重工業は、設計から機材製造・施工まで一括して行う方法(EPC)で、水処理ビジネスを拡大している。このような方法は、水処理事業では最も収益性の高い分野にあげられる。斗山重工業は今年3月、サウジアラビアで4700億ウォン規模の海水淡水化プロジェクトの受注に成功したことに続き、15日には875億ウォン相当の英バーミンガムの浄水場設備の供給契約を締結した。この浄水処理施設では生活排水を浄水し、英バーミンガムの市民に32万トンの生活用水を供給する計画だ。

斗山重工業の高い技術力と相次ぐ受注成功で、水事業調査機関のグローバルウォーターインテリジェンス(Global Water Intelligence)は去る4月、淡水企業として斗山重工業を選定した。

このように国内企業が水産業に注目する理由は、気候変動で水不足が深刻化し、高い成長性が予想されるからだ。グローバルウォーターインテリジェンスによると、昨年は7139億ドル規模だった世界の水処理市場は今年は7386億ドルに、2020年は8341億ドル(約984兆ウォン)に継続して成長すると予想される。これは全世界の移動通信市場(590兆ウォン)と半導体産業(300兆ウォン)よりもはるかに大きな数値だ。
  • 毎日経済 カン・ヨンウン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2017-06-20 19:44:59




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