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結婚もせず、赤ちゃんも産まず…「出産の絶壁」


  • 結婚もせず、赤ちゃんも産まず…「出産の絶壁」
今年で結婚4年めのジンさん(32才、仮名)夫婦はまだ子供がいない。共働き夫婦で、両方とも安定収入を確保できる立派な職場に通っているが、子供の計画を立てられずにいる。ぼんやりとだが「来年には産んでみようか」と考えている。ジンさん夫婦が快く出産を決意できないのは、経済的な理由が大きい。

ソウル市琴湖洞(クモドン)に借家を得て新居生活を始めたが、ほどなくして家主がチョンセ金の額を上げたいと言いだして、安定した住居生活を行うことができなかった。けっきょくジンさんは借金をして、往十里(ワンシムニ)にアパートを買って引っ越した。新婚初期の夫婦生活の焦点が子供よりも夫婦に当てられていた点も、出産が優先順位でうしろに押された理由だった。

ジンさんは、「子供を産めばどうしても子供に多くの時間と神経を注ぐしかなく、夫婦が心ゆたかに過ごす時間が減るみたい」だとし、「夫婦がともに楽しむ時間を持とうと合意したうえに、経済的な問題まで加わって出産を先送りすることになった」と語る。

「出産の絶壁」が日増しに激しくなっている。 28日に統計庁が発表した「2017年4月人口動向」によると、4月の出生児数は前年同月比で13.6%(4800人)減の3万400人だった。これは2000年の月刊統計作成以来、4月単月では最低値だ。

今年1~4月の累積出生児も歴代で最も少ない。この4ヶ月間の累積出生児数は、前年同月比で1万8600人も減った12万9300人を記録した。

今年に入って、前年比出生児数の減少率は平均12.6%だ。二桁の減少率もまた、以前にはなかった流れだ。このような傾向が続けば、年間出生児数が30万人台に落ち込む可能性が非常に高いという分析だ。歴代年間最低の統計は、昨年に記録した40万6300人だ。

子供を最も多く生む女性年齢は25~34歳だ。 20代後半の人口は昨年よりも2%ほど増加して150万人台だが、社会進出の準備で出産どころか結婚も考えられない場合が多い。 30代前半は結婚もして子供を産む時期だが、人口そのものが昨年よりも11万人ほど縮小した166万人だ。子供を産む条件となる絶対人口が減ったという意味だ。

人口以外では婚姻が出生に最も直接的な影響を与える。韓国社会は依然として、婚外子や未婚の母には冷たい視線を送る。このことから、まずは結婚してこそ出産を決心する傾向が強い。

去る4月には結婚も、前年同月比で11.8%(2700件)減の2万100件にとどまった。 4月単月基準ではもちろん、1~4月の累積も歴代最低値だ。

ふつうは2~3年前の結婚件数が当該年の出生児数の増減に続くが、2013年までに32万組の水準を維持してきた。しかし2014~2015年に件数が30万組に落ち、昨年はこれまでもが崩れて28万1000件にとどまった。

イ・ヂヨン統計庁人口動向課長は、「景気の状況や若年層の就職状況がよくなってこそ結婚を考え、次にようやく初子や第二子の誕生が増えるのではないかと思う」とし、「固定収入がなければ出生率を上げることは容易ではないと思える」と語った。

ただし、離婚は4月に7900件で昨年よりも4.8%減少した。

今年の4月の死亡者数は2万3100人で、1年前よりも1.3%増加した。高齢化の影響で、死亡者全体の27%近くが85歳以上の超高齢層だった。去る4月、一時は30度を越えるなどの急激な気温の変化は、超高齢者の死亡原因を提供したという分析だ。

一方、先月の国内人口移動者は57万8000人で、前年の同じ期間よりも1.9%減少した。人口100人当たりの移動者数を示す人口移動率は1.13%で、0.03%ポイント低下した。統計庁は「5月中に住宅販売4.7%減少するなどの理由で、人口移動が減少した。仕事を得ると人口移動が増えるが、青年層の就職難が深刻化し、人口移動率も下がっている」と説明した。
  • 毎日経済 キム・セウン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2017-06-29 02:48:49




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