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サムスン電子、モバイルヘルス機器進出で「限界突破」

韓国で現在発売されているモバイルヘルス機器現況、世界のウェアラブル機器出荷量 

  • サムスン電子、モバイルヘルス機器進出で「限界突破」
  • < 現在発表されているモバイルヘルス機器 >

サムスン電子が次世代成長動力としてモバイルヘルスに視線を集中している。

当面の危機から脱出するにはスマートフォンから抜け出して、システム半導体とウェアラブル機器などに集中するべきだが、中・長期的にはモバイルヘルス分野で将来の「食い扶持」を探そうというわけだ。

サムスン電子の高位関係者は、「GALAXY S5スマートフォンに心拍数をチェックする機能を入れたのが最初の段階」とし、「血圧・血糖値などをチェックするセンサーなど、はるかに進んだ技術を既に確保した」と明らかにした。続けて、「これからのスマート機器は、モバイルヘルス側に重心が移っていくしかないだろう」とし、「ただし、食品医薬品安全処などの承認・許認可の問題が非常に複雑だ」と語った。

米国の市場調査会社であるラックス・リサーチは、世界のモバイルヘルス機器の市場規模が昨年は51億ドルだったが、10年後の2023年には418億ドル規模への成長が予想されるとした。世界的な人口高齢化傾向は、モバイルヘルス市場の拡大を促進すると予想される。国連の報告書によると、全世界の60歳以上の高齢者人口は2050年に20億人に達する見込みだ。

サムスン電子は依然として1等の座を守っているスマートフォン市場の基盤、下半期に注力するシステム半導体やウェアラブル機器の力量、最近強化しているソフトウェア競争力などが合わさって、モバイルヘルス分野でも十分に勝算があると判断している。このことを念頭に置き、グルコなどのヘルスケア関連のベンチャー企業への投資も進めている。

サムスン戦略革新センター(SSIC)は最近、「サムスンデジタルヘルス」を発表した。サムスンデジタルヘルスは人体信号を検出するセンサー、センサーを介したデータ収集、データ分析ハードウェアとソフトウェアのすべてを含んでいる。サムスン電子の関係者は、「サムスンデジタルヘルスは個人の健康のために、さらに効率的な生活習慣を持てるように支援するための総合プラットフォーム」だと説明した。

サムスンデジタルヘルスは向後、リストバンド形態のハードウェアプラットフォーム「シムバンド(Simband)」と、ソフトウェアプラットフォームである「サミ(Samsung Architecture for Multimodal Interactions=SAMI)」が主軸になると思われる。「シムバンド」はリストバンドに尖端生体センサーを取り付けて、心拍数・呼吸・血圧などの人体の各種信号を検出する、開発者のためのハードウェアデバイスで、現在は一般には販売されていない。

さらに、収集された膨大な人体情報は「モノのインターネット(IoT)」を介してクラウドシステムに伝送され、「サミ」のさまざまなアルゴリズムによって分析される。この情報を使って、個人は健康増進のための解決策を探したり、効率的な健康管理を行うことができる。収集・分析される個人情報は、特定のベンダーではなく個人が直接所有・管理するようにして、セキュリティを維持する方針だ。

サムスン電子は現在、GALAXY S5に独自開発したソフトウェアの「エス・ヘルス(S Health)」を搭載している。これを基盤にして、モバイルヘルスのソフトウェア機能を拡大していく計画だ。

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  • < 世界のウェアラブル機器の出荷量 >

モバイルヘルス機器市場をめぐり、世界のIT企業がすでに熾烈な競争を予告している。これは今後のモバイルヘルス機器市場が、爆発的に成長することの傍証でもある。

サムスン電子の最大のライバルであるAppleも、次世代の成長動力としてヘルス・プラットフォームに注目している。Appleは最近、新しいオペレーティングシステム「iOS 8」を公開した場で、ヘルスケア分野を強化したことに対して集中的に説明した。iOS 8は万歩計とともに、カフェイン摂取量をチェックできる機能が追加された。

Appleは特に脈拍・血圧・呼吸などの生体信号を読み取ることができる機器に適用されるOS「ヘルスキット」に集中した。

LG電子は独自開発した自然言語処理ソリューション「ウェルニケ(Wernicke)」を通じて、健康管理のためのインテリジェント秘書として発展させる予定だ。現在、LGのスマートフォンG3に搭載された「LGヘルス」は、ユーザーの身体情報に基づいて最適化された健康情報を提供している。
  • 毎日経済_イ・ヂンミョン記者/ソン・ユリ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-07-10 17:41:25




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