トップ > 数字経済 > 経済 > セウォル号以後、貨幣乗数と預金回転率の低下...民間消費不振の影響

セウォル号以後、貨幣乗数と預金回転率の低下...民間消費不振の影響

韓国銀行通貨指標 

  • セウォル号以後、貨幣乗数と預金回転率の低下...民間消費不振の影響
  • < 史上最低に落ちた貨幣乗数 >

セウォル号惨事以来、資金の流れが鈍くなり、韓国の経済活力は急速に落ちている。年初の景気回復で市中に金が出回り始めたが、思いがけない「制動」に、再び詰まってしまったわけだ。5月の貨幣乗数は関連資料の集計以来で歴代最低を記録して、上昇の勢いを見せていた預金回転率も大幅に低下した。「金の循環」が滞り、韓国経済が低成長の沼に陥るのではないかと懸念する声も高まっている。

14日、韓国銀行の通貨関連指標を分析してみると、季節調整で見た貨幣乗数は19.4倍で、韓国銀行が統計を取り始めた2001年12月以後で最も低い水準を記録した。貨幣乗数は通貨の総量を本源通貨で割って算出する。簡単に言うと、「どのくらいの金が回っているか」を見積ることができ、経済の活力を調べる指標として活用される。貨幣乗数は3月の19.6倍から4月は19.9倍に上って回復傾向を見せたが、5月に入って大幅に下がり、過去最低を記録した。韓国経済研究院の呉正根(オ・ヂョングン)招聘研究委員は、「貨幣乗数は1998年や2008年など、危機のたびに落ちる傾向がある」とし、「貨幣乗数が低下することは、それだけ金が回っていないという意味で、経済状況が暗いという意味だ」と指摘した。

現代経済研究院のイム・ヒヂョン研究委員は、「最近、市中通貨量が増えない原因としては、代表的に民間の消費不振の影響が挙げられる」とし、「経済成長が期待したように3%台後半が予想されるが、民間消費はその程度のレベルについていけない。民間消費の不振幅が通貨創出に影響を与えるものとみられる」と語った。

貨幣乗数だけでなく、預金回転率も5月に入って大幅に低下した。韓銀によると、5月の預金回転率は3.5回で、昨年9月以降で最低値を記録した。預金回転率は預金の引き出しをもとに、一定期間中に市場でどのくらいの金が積極的に回っているかを示す指標だ。

預金回転率は今年に入って回復傾向を続けてきた。今年1月に3.6回だった預金回転率は、2月に3.7回で3~4月には3.8回へと、上昇の流れを受け継いできた。このような流れは、銀行預金が市中に出回り始めたという意味だが、セウォル号惨事以後、5月に入って状況が逆に入れ替わってしまった。特に随時に引き出しを行う要求払預金の回転率が大幅に低下した。要求払預金の回転率は、今年の1月に26.5回、2月に26.6回、3月に26.8回、4月には27.2回と緩やかに上昇したが、5月には25.3回に落ちた。

韓銀の関係者は、「季節的に5月は家庭の月で消費が多い月だが、預金の引き出しが減ったということは、それだけ消費が不振だったという意味」だとし、「セウォル号惨事以来、消費者心理が低迷して、通帳のマイナス貸し出しも減ったが、これとも関連があると解釈される」と語った。

オ・ヂョングン委員は、「今年1月を基点に韓国の先行指数が下落傾向に転換したが、セウォル号惨事だけでなく、景気状況がそれほど良くなかったことを意味する」とし、「貨幣乗数と預金回転率の低下は、企業や家計が金を持っていながら金を使わないという意味で、それだけ経済が活力を失っているということだ。通貨を追加供給しなければならない状況という信号としても見ることができる」と強調した。
  • 毎日経済_チェ・スンヂン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-07-14 17:31:01




      • facebook icon
      • twetter icon
      • RSSFeed icon
      • もっと! コリア