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サムスン・Appleの訴訟終了手順、最大の半導体顧客確保 vs「ジョブズの戦争」仕上げ

勝者のない3年あまりの訴訟戦、終了手続の内情は 

  • サムスン・Appleの訴訟終了手順、最大の半導体顧客確保 vs「ジョブズの戦争」仕上げ
3年4カ月あまりにわたったサムスン電子とApple間の長い長い法廷攻防が、終了手順を踏んでいる最大の理由は、法廷攻防が両社にもはや実益がないというところに合意したからだ。中国シャオミなどの逆襲も、両社間の戦いを早期に一段落させたと分析される。

2011年4月、Appleがまずサムスン電子の特許侵害訴訟をしかけて乗り出した時、当時のAppleの狙いはサムスンのGALAXYスマートフォンの販売禁止だった。世界的に急速に増えているGALAXYスマートフォンを何とか捕まえなければと判断したものだ。とは言え、3年以上のあいだ、両社は法廷でそれぞれ2500億ウォンを超える弁護士費用を持ちこたえながらも、誰も相手製品の販売禁止を成功させられなかった。

一方、この期間にサムスンは世界スマートフォン市場でシェア1位に登り、訴訟中にもサムスンはAppleの最も重要な供給者の地位を失わなかった。このような状況で法廷争いを続けりことは、両社ともに得になることはない。しかし、だからといって完全な終わりではない。今回の合意を通じて、意味のない海外訴訟をやめたことは、最も重要な米国訴訟に集中するためだという分析もある。サムスン電子も1兆ウォンに達する賠償額を下げるために、訴訟をやめることはないと思われる。現在まで進行した一審裁判に続き、二審裁判に対しても引き続き控訴する見込みだ。

攻撃手の立場だったAppleも、訴訟を終える理由は十分だ。市場占有率が押されているのはともかく、特許訴訟に時間を浪費して革新から遅れているというわけだ。訴訟を通じて、Appleは製品競争力で市場で戦わず、無条件に法廷で戦いを行う会社というイメージを植え付けたことも負担になる。特に最近の「モノのインターネット」やウェアラブルなど、未来の新技術分野でサムスン電子がGoogle・IBM・シスコなどとクロスライセンス契約を相次いで結んだことも、Appleには大きな圧迫として作用したことと推定される。まだ絶対強者のいないこの分野で、Appleもサムスンと新たな競争・協力関係を結ばなければならない状況であるため、過去の訴訟が足を引っ張る状況を望んではいないだろう。

Apple内部ではティム・クック最高経営責任者(CEO)が3年目を執権しつつ、会社の雰囲気を変化させていることも、訴訟取り下げの合意の背景になったものと解釈される。2011年8月、CEOに就任したティム・クックは最近IBMと協力するなど、スティーブ・ジョブズ前CEOとは全く異なるスタイルを見せている。ティム・クックは最近、ジョブズが起こした訴訟を終わらせながら、いま少し開放的な会社の雰囲気を演出していく中にある。

守備手のサムスン電子としては、訴訟費用も費用だが、最大顧客社であるAppleとの訴訟自体が負担になるため、今回の訴訟取り下げの合意は、内心では嬉しい立場だ。システムLSI分野ではまだAppleが主要な顧客だ。最近、サムスン電子はAppleのiPhone 5Sに搭載された「A7」アプリケーションプロセッサ(AP)から今年の後半に発売予定のiPhone 6のAP「A8」の生産を、台湾のシステム半導体受託生産会社であるTSMCに奪われ、サムスンの内部にも危機意識が高まった。

サムスン電子の立場では、今回の訴訟取り下げの合意を通じて、最近サムスン電子に訴訟をかけてきたマイクロソフト(MS)に強力な警告メッセージを伝達できるようになった。モノのインターネット時代、同種業界の離合集散のためにApple・Googleとも訴訟を取り下げる雰囲気なのに、MSが一歩遅れて技術特許のロイヤリティ訴訟を提起したことに対する間接的な批判になりうるからだ。
  • 毎日経済_ハン・エギョン記者/ソン・ヂェグォン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-08-06 17:21:17




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