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汽笛鳴らすSK E&S「米からシェールガス直輸入」


  • 汽笛鳴らすSK E&S「米からシェールガス直輸入」
  • 4月末の出港を控えている民間初のLNG輸送船SK E&S「プリズムアジリティー号」が、蔚山東区の現代重工業造船所に停泊している。 写真提供= SK E&S



「今後は米国から年間50万トンのLNGを積んで運ぶプリズムアジリティー号です」。

17日、蔚山東区の現代重工業海洋工場では船体の長さ299メートルと幅48メートルの規模の、赤黒いLNG輸送船が海に出て行く最後の準備をしていた。高さ約60メートルに達する船の上層部である操舵室に入ると、燃料供給と輸送などの役割を果たすたまご色のパイプが、長くそして複雑にならんで船体を覆う姿が見えた。複数のモニタは休む暇もなく船のすみずみの状況を数字とイメージで見せてくれた。

SK E&Sは4月末に出港を控えた自社のLNG輸送船を17日に公開した。民間企業がLNGを直輸入するために輸送船を建造したのは今回が初めてだ。現在、韓国国籍のLNG船27隻はすべて、韓国ガス公社が輸入のために使用している。

2016年5月に現代重工業との契約を締結した後、3年ぶりに建造された船舶2隻は、それぞれ「プリズムアジリティー」と「プリズムブリリアンスス」という名前がついた。プリズムアジリティーは建造と試運転が完了して来る26日に命名式を行った後、4月末に出航する予定だ。他の一隻は5月に海に出る。

同じ規模で建造された二つの船舶は、パナマ運河を通るLNG輸送船の中では最大規模だ。最近、国際的な環境規制の拡大傾向にしたがって、LNGを主燃料として使用する環境にやさしい船舶として建造された。一度に約7万5000トンのLNGを積載したまま、19.5ノット(時速36㎞)の速度で航行することができる。二隻を合わせれば年間で約100万トンのLNGの輸入が可能だ。陸上でも運航状況をリアルタイムで監視することができるように設計された。

新しい船は2020年の上半期から、米メキシコ湾に位置するフリーポートLNG液化ターミナルから米国産シェールガスを輸送する予定だ。 SK E&Sの関係者は、「米国のシェール革命で2016年から米国のLNG輸出が爆発的に増加している」とし、「年間で約200万トン程度の契約が予定されており、韓国のLNG輸入国の多角化に役立つだろう」と述べた。 2018年に韓国が米国から輸入したLNGは総475万トン水準で、今後は米国発の輸入量の増加が予想される。

SK E&S側は専用のLNG輸送船を建造し、「LNGバリューチェーン(開発・輸送・最終消費まで供給するプロセス)」を確保することになった。 SK E&Sは2012年、豪州のカルディタとバロッサのガス田に対する投資、2014年には米国のウッドフォードガス田事業への投資などを断行し、開発段階で供給網を構築した。光陽天然ガス発電所、坡州天然ガス発電所、河南熱併合発電所、慰禮熱併合発電所など全国に4つの発電所を運営しており、最終消費過程に対応する供給網も備えている。

独自の輸送システムを備えていなかったSK E&Sは、2017年にGSエネルギーと共同投資した保寧LNGターミナルの稼働に続き、今回のLNG船の建造が完了して輸送機関まで確保することになった。海外で液化された天然ガスを国内のLNGターミナルに輸送して保存し、再気化して直接需要先に供給する過程まで独自のインフラで解決できることになった。

SK E&Sの米国産シェールガスの導入により、LNG輸入国も多角的になる見通しだ。わが国の主要輸入国であるカタール、豪州、マレーシアなどは到着制限(LNGの荷役場所を特定の国に限定する条件)と再販禁止規定などがあり、購入者に不利な面があると言われてきた。米国産シェールガスはこれらの規定がない。 SK E&Sの関係者は、「セラーが送り出す方式から抜け出し、必要なとき目的地を変更するなどの措置をとれるようになった」と語った。
  • 毎日経済_蔚山=イム・ヒョンヂュン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2019-04-17 19:37:30




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