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韓国の車・造船・航空…「コロナ」で次々と墜落

「コロナ長期化時は最悪の一年に」 

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■ 国際線の乗客85%急減

「コロナ19」が全国的に広がって、国内産業の生態系が揺れている。中国と日本、ベトナムなど100カ国が韓国人の入国制限措置を下して航空路線が止まり、自動車や半導体、造船、精油、鉄鋼、流通など、韓国の実体経済を支える主力産業のあちこちで「コロナ19」による衝撃が現れている。

10日、毎日経済新聞が国籍航空会社8社の国際線運営現況を調査した結果、現在運航中の路線数は67路線(9日現在)と集計された。これは「コロナ19」事態の発生前である昨年12月末(419路線)と比較すると84%が減少した数値だ。

■ コロナに直撃された航空会社

格安航空会社(LCC)を中心に、中国や日本などの短距離路線が相次いで運休した影響が大きかった。航空会社別に残っている運航路線の数を見ると、大韓航空(28路線)、アシアナ航空(24路線)、済州航空(7路線)、ジンエアー(6路線)、ティーウェイ航空(2路線)の順だ。ほとんどが米国・ヨーロッパをはじめ、リゾート地であるグアムやサイパンなどの中長距離路線だ。しかしコロナ19事態が全世界に急速に広がって、今後は「韓国発空の道」はさらに狭くなると思われる。

この間に国際線の利用客の数も大きく減少した。国土交通部航空情報ポータルによると、今月第1週の利用客の数は17万6568人を記録した。昨年12月の最後の週(118万2916人)に比べて85.1%も減少した。 LCCに限って利用客数の増減をみると、92.3%も減少した。シーズンかどうかなどの時期的な要因を勘案しても、かなりの違いが現れたわけだ。

■ 自動車業界、消費萎縮と生産支障の「二重苦」

自動車業界もコロナ19の拡散によって内需心理の萎縮と部品需給の支障など、二重苦を抱えている。先月の国内完成車5社の国内販売実績は8万1722台で、前年同期比で21.7%減少した。これは金融危機の余波が続いた2009年1月(7万3537台)以来で最低の数字だ。完成車5社の生産量も18万9000台で、2006年7月以来の低水準に落ちた。

同じ期間に、米国では現代・起亜自動車とトヨタ、ボルボなどの主要ブランドがほとんど成長を記録したが、今月からはコロナ19の影響が可視化するものと思われる。欧州また最近、イタリアを中心にコロナ19が拡散して自動車業界への波紋が懸念されている。

デリム大学のキム・ピルス自動車学科教授は、「米国と日本や欧州などでコロナ19のファンデミクが始まったが、自動車4台のうちの3台を輸出する韓国には、今年の輸出と内需の悪材料が重なる最悪の一年になるだろう」とし、「今年の自動車の国内販売は150万台の下に落ち、自動車生産規模は350万台レベルにとどまる可能性が高い」と述べた。

コロナ19の拡散で世界の半導体産業の景気を示す「フィラデルフィア半導体指数(SOX)」も、ここ連日は急落を繰り返している。ニューヨーク証券取引所のフィラデルフィア半導体指数は9日(現地時間)に前日比で8.34%下落し、「一日基準」では2008年10月以来で最大の下げ幅を記録した。最近はコロナ19によって今後の半導体供給への支障の可能性を憂慮したサーバー運営者・PCメーカーが購入を急ぐことで、半導体価格が上昇を記録している。業界ではこのような現象は、むしろ今後の半導体業況の不確実性を示すものと懸念している。

半導体だけでなく、家電業界でも世界的なテレビ供給に支障をきたすという懸念が台頭している。市場調査会社のIHSマークイットによると、コロナ19が中国をこえて4月以降も世界的に拡散した場合、早ければ第2四半期からテレビ業界の打撃が避けられない見通しだ。IHSマークイットはコロナ19の影響で、今年の第1・第2四半期の世界テレビ出荷量をこれまでの見通しから461万台下方修正し、年間出荷量も500万台減少するものと予想した。

■ 中国の鉄鋼消費量の削減で在庫急増

前方産業の需要萎縮と生産設備の稼働正常化の遅れなどで、中国内の鉄鋼材の在庫が急増し、国内の鉄鋼メーカーもつま先に火が付いた。韓国投資証券によると、中国の鋼材在庫は3月6日の時点で3517万トンで、前年同期より152%ほど増加した。特に中国の在庫が韓国市場に低価格で入ってくることがありうるという懸念が高まり、鉄鋼メーカーの生産と販売価格にも影響を及ぼしている。鉄鋼協会によると、中国でコロナ19拡散の影響が始まった1月の国内粗鋼生産量は573万9000トンで、昨年1月に比べて8.2%ほど減少した。ただし、2月の生産はまだ大きな影響を受けないものと思われる。

造船業もコロナ19の射程圏に入っている。英国の造船海運市況情報会社であるクラークソン・リサーチによると、先月の世界の船舶発注量は30万CGT(標準貨物船換算トン数・18隻)を記録した。これは去る1月に(87万CGT・33尺)に比べて65.5%減少した規模だ。昨年2月(70万CGT・15隻)と比べても大幅に減った。

コロナ19の拡散で消費が萎縮し、精油業界も大きく揺れている。国内のある精油会社はこの2月は売ることができず、残った航空燃料をシンガポールの取引企業に安く売るしかなかった。国内航空会社に供給する量が大幅に減り、在庫が積もったからだ。

ホテル業界はコロナ19の衝撃を直接受けている。ソウル市内の5つ星の高級ホテルの客室占有率は10%台に落ちた状態だ。 2003年のSARS、2015年のMERS時と異なる点は、国内外の客がともに抜けたという点だ。

中国人の仲買業者(タイグン)に売上げの80%以上を依存していた免税店業界は、コロナ19で「開店休業」状態だ。去る1月の国内免税店の売上げは前月比で約11%減少したが、2月は50%以上も落ちると予想される。特にコロナ19の拡散で韓国人に対する入国禁止措置を取った国が増えたことで、3月の売上げは「米州路線」に依存しているのが実情だ。

■ 不況に強いはずのブランド品、売上高20%台が↓

不況でもそう簡単に揺れなかったブランドも、コロナ19には力を失った。ロッテデパート、現代デパート、新世界デパートの名品衣類・雑貨の売上げは、今月に入って前年同期比でそれぞれ19.9%、17%、29.4%下落したことが分かった。
  • 毎日経済_ファン・スンミン記者/シム・ヒジン記者/パク・ユング記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2020-03-10 18:23:24




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