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韓国製「コロナ診断キット」…米FDAからも供給要請

コジェンバイオ社製「PowerCheck」 

  • 韓国製「コロナ診断キット」…米FDAからも供給要請

「最近、米国の食品医薬品局(FDA)から、(米国内用の)コロナ19の診断キットの供給が一日も早く行われるようにという差し迫った要求を受けた」。

国内で初めて緊急使用の承認許可を受けて、先月4日から国内でコロナ19の診断キットを最初に供給したコジェンバイオテック(kogenbiotech)のナム・ヨンソク代表(写真)は14日、毎日経済新聞とのインタビューを通じて「国内でコロナ19の診断キットを最初に供給したという事実が海外へすばやく知られ、世界各国の駐在韓国大使館や代理店そしてKOTRAなどを通じてコロナ19診断キットを納品してほしいという要求と供給に関する問い合わせが爆発的に増えている」とし「米FDAからも、米国政府にコロナ19診断キット緊急使用の承認を迅速に申請してほしいという要請を受けた」と明らかにした。ナム代表は「米国内のコロナ19の状況が急速に深刻化しているために異例的だが、FDA側からまず連絡をしてきたものと思える」とし、「米国政府から緊急使用の承認許可を受けたらすぐに、米国の全域にコロナ19診断キットを供給するつもり」だと語った。そして「国際公共調達機関でも、コロナ19診断キットの製品登録手続きを踏んでいる」と説明した。

コジェンバイオテックのコロナ19診断キット「PowerChek(パワーチェック)」を輸出している国は、世界で30カ国に達している。先月初めに輸出品目許可と欧州体外診断試薬の認証(CE-IVD)まで獲得した状態であり、サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)、イラクとヨルダンやクウェート、トルコ、スーダン、エジプトなどの中東・アフリカの各国から、ギリシャとベルギーやポーランド、アゼルバイジャンやタジキスタンなどの欧州・中央アジアなどに輸出を拡大している。ナム代表は「日本、中国、香港、米国、カナダ、南米諸国とは供給契約を進めている」と伝えた。

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  • コジェンバイオテック研究者が国内1号コロナ19診断キットである「パワーチェック」を製造している。 写真提供=コジェンバイオテック



現在、国内でコロナ19の診断キット緊急使用の承認を受けた企業は、コジェンバイオテックとまでの計4社がある。これらの

コジェンバイオテック製コロナ19診断キット「パワーチェック」の国内1週間の供給分は平均1万キットあまりで、承認を得た他の3社(シージェン社、ソルジェント社、SDバイオセンサー社)が1週間で供給する分をすべてを合わせたより多い。ナム代表は、「現在は全体の生産力量のうちの半分ほどをコロナ19診断キットの製造に投入しており、万一の場合に備えて現在の3倍まで増産することができる状態」だとし、「診断試薬の供給不足を懸念しなくても良いだろう」と強調した。

コジェンバイオテックは2009年の新型インフルエンザ事態、2015年のMERS事態が起こった時に、国内で最初に診断試薬を開発した実績がある。当時、総4万2000回のテスト分量を各地に供給しながら、ただの一度もエラーを起こさなかったことで注目された。ナム代表は「昨年12月に中国に発するウイルス感染のニュースに接した後、すぐにSERSウイルスの関連文献と塩基配列に対する事前調査に入ったし、その後1月10日までにジーサイド(GISAID/ウイルス情報共有網)に新型ウイルスの遺伝情報が掲載され、すぐさま開発に着手した」とし語るった。

コジェンバイオテックの診断キット「パワーチェック」は、同社が初めて商用化した「リアルタイム ポリメラーゼ連鎖反応」(Real-time PCR)技術を中核とする。核酸に基づく体外診断としていま最も広く使用される技術だが、コジェンバイオテックはこの20年のあいだポリメラーゼ連鎖反応法で遺伝子検査試薬など800種あまりを開発・商用化した。今回、疾病管理本部は同社の診断キットをまず最初に承認したことも、これまで積み重ねてきた信頼と協力に基づくものだという評が出ている。

ナム代表は「パワーチェックの特徴は、遺伝子変異が激しくて診断エラーを引き起こす可能性がある特定の遺伝子を徹底的に排除し、コロナ19ウイルスのみを検出できる2つの遺伝子(E、RdRp)を特定することにある」とし、「全国の国公立検査所や病院で最も多く保有している診断装置を対象に検証手順をすべて完了した状態であり、どのような機器でも汎用的に使えるように最適化した」と説明した。

最近、既存のキットよりも性能が改善された診断キットも開発を完了し、追加供給に入ると思われる。コロナ19ウイルスの検出に必要な2つの遺伝子(E、RdRp)を同時に検出可能でありながら、単一の検出キットよりも精度が高い。

ナム代表は「先月29日、政府に緊急使用の承認許可を新たに申請しておいた状態」だとし、「新しく承認された製品が供給されると検査処理能力を2倍に増加させ、結果的に検査に要する時間を半分以上も短縮できるだろう」と期待を見せた。続いて同氏は、「わが社が保有している遺伝子分析技術を用いて、検査可能なすべての生命体との食品を対象にパイプラインを拡大している」とし、「世界のすべての国の疾病管理本部と食品薬品安全処などの国家管理の監督機関がわが社の潜在顧客なので、最近に使用許可を受けた殺人ダニウイルス(重症熱性血小板減少症候群)の診断キットを含む、新型・原因不明の感染症の診断分野をリードしたい」と抱負を明らかにした。

ナム代表は高麗大学の生化学および分子遺伝学の博士出身だ。その後、米国疾病管理本部傘下の国立感染症・アレルギー研究所(NIAID)でポストドクター研究員として働きながらエイズウイルスなどを研究し、高麗大学医学部法医学助教授などを経て2000年にコジェンバイオテックを設立した。
  • 毎日経済_キム・シギュン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2020-03-16 23:52:06




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