現代オイルバンク…果敢な投資で危機を突破



  • 定期保守期間に重質油脱硫設備を増設している現代オイルバンクの第2工場。 [写真提供=現代オイルバンク]



現代オイルバンクは史上最悪の第1四半期の業績の中で、積極的に投資拡大に乗り出す。「コロナ19」の拡散と国際原油価格の下落で第1四半期の業績は悪化したが、他の精油会社と比較したときはよく守ったという評価が出てくるだけに、第2四半期の業績に備えた可動量の増大と設備効率の改善などを開始した。市場の状況は依然として不確実性だが装置産業の特性上、適時に投資が行われなければ競争で淘汰されることがあるという判断からだ。

現代オイルバンクは4月から続いた定期保守期間に計2480億ウォンを投資して、重質油脱硫設備(RDS)の保守に乗り出している。来月の増設が完了すれば、価格の安い重質油を利用して高付加価値製品である軽質油(ガソリンや軽油)を生産できる能力は、一日あたり10万バレルから12万バレルに増える。国際海事機関(IMO)の規制によって船舶が使用する低硫黄油の生産もまた、一日あたり1万7000バレル増えて計6万7000バレルに上昇する。現代オイルバンクは重質油脱硫設備の保守が終了したら、年間営業利益は793億ウォンほど改善されるだろうと期待している。

系列会社である現代コスモは1000億ウォンを投資して、合成樹脂や合成繊維などの各種石油化学製品の原料となる「アロマティック」製品の設備効率化も進めている。設備の効率化が終わる6月以降は、アロマ製品の年間生産量が142万トンから188万トンに増えることになる。これによって年間385億ウォンの営業利益の増加が予想される。

現代オイルバンクが不況の中でも投資に乗り出す理由は、6月から少しずつ市況が改善されるだろうという期待感からだ。精油業界は各産油国が原油の減産と公示価格の値下げに乗り出し、米国などの主要国が経済再開に乗り出すことによって、第2四半期以降の市況は良くなると予想している。業況改善に備えて今こそ投資を行うことで、競合他社に比べて優れた実績を期待できる。現代オイルバンクの関係者は、「事前に投資してこそ市況が回復する時に先行できる」とし、「コロナ19と国際原油価格の下落、精製マージンの悪化などの厳しい状況が続いているが、計画通りに投資スケジュールを続けている」と語る。

各精油会社は第1四半期、創立以来で最悪の四半期成績をあげた。

国内精油4社の赤字規模は4兆3775億ウォンで、昨年1年間に稼いだ営業利益を第1四半期だけでふき飛ばした。コロナ19の拡散による石油製品需要の減少も問題だったが、業績悪化に最も大きな影響を及ぼしたのは、国際原油価格の下落にともなう在庫関連の損失だった。国内精油各社が産油国から原油を出荷して製品として生産するまでに約1~2ヶ月かかるが、この期間に国際原油価格が急落すると、精油会社は原油導入価格よりも安い価格で石油製品を販売するしかない。これを「ラギング効果」というが、精油会社はラギング効果と在庫評価損失を合わせて在庫関連損失と表現する。第1四半期にSKイノベーションが約1兆ウォン、GSカルテックスとSオイルが約7000億ウォンずつ在庫関連損失を被った。

国内精油会社のなかでも善戦したところが現代オイルバンクだ。現代オイルバンクの在庫関連損失は5885億ウォンで、精製規模がよく似たSオイルと比較しても80%水準に過ぎない。先制的に稼働率を下げ、定期保守スケジュールを今年8月から4月繰り上げて進めたことで、原油在庫を大幅に削減することができたからだ。

また現代オイルバンクが業況に関係なく、継続的に投資してきた高度化設備も、損失を減らすところに影響した。高度化設備とは、低価格な重質油から不純物を除去して高価な軽質油に変換する装置だ。これは2014年第4四半期の原油価格暴落で国内精油3社が1兆ウォンに近い赤字を記録したとき、現代オイルバンクのみが2000億ウォンの営業黒字を記録するところに大きな影響を及ぼした。

現代オイルバンクの関係者は、「ロッテケミカルと合弁子会社である現代ケミカルを通じて、オレフィン石油化学製品を生産するために2兆7000億ウォン規模のHPCプロジェクトもコロナ19とは関係なく進行している」とし、「安定した果敢な投資だけが危機をチャンスに変えることができる」と強調した。
  • 毎日経済_ウォン・ホソプ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2020-05-15 20:42:28