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数字経済 > マーケティング > LG電子、IFAでネストとの「ホームチャット」連動協力を初公開
世界の家電各社が独・ベルリンで「モノのインターネット(IoT)」大戦に飛び込んだ。個別の家電製品の技術革新よりも、家にある家電製品全体を一つにつなぐ「スマートホーム」を話題にかかげて乗り出した。
LG電子は5日から10日まで、独・ベルリンで開かれるヨーロッパ最大の家電展示会IFA 2014で「ネスト(Nest)」と協力することを公開する。ネストは今年初めにGoogleが買収した家庭用温度調節機メーカーで、Googleのスマートホームのプラットフォーム機能を果たしている。LG電子が年初に公開したスマートホームサービス「ホームチャット」をネストと連動させ、年内に米国市場に投入する計画だ。
ホームチャットを介して駆動させることができる家電製品の種類も、従来の洗濯機・冷蔵庫・オーブン・エアコンから、掃除機・照明・オーディオ機器にまで拡大した。去る6月、Googleの開発者会議でネストがWhirlpool洗濯機やベンツの一部車種など、個別に連動したサービスをデモしたことがあったが、さまざまな家電製品を同時に制御するのは今回が初めてだ。
LG電子のスマートホーム戦略は、独自のプラットフォーム開発というよりは、まずは家電製品間の接続性を向上させる方向に進んでいる。IoTネットワークが敷かれる前に、まずは製品を先にスマートに準備しておかなければという話だ。このことから、LG電子は近距離無線通信(NFC)や無線LAN(WiFi)などを搭載したスマート家電のラインナップを拡大し続ける計画だ。現在も全洗濯機10台のうち6台以上がNFCを搭載しているが、これをさらに増やす予定だ。
一方、サムスン電子やシーメンスなどは、スマートホームのプラットフォームを確保するところにより大きく力を入れている。最近、米のIoTプラットフォームプロバイダの「スマートシングス」を買収したサムスン電子は、IFA 2014で機能強化した「サムスンスマートホーム」を公開する予定だ。これは今年の3月に初めて公開した「サムスンスマートホーム」よりも、セキュリティ・エネルギーモニター・位置認識・音声制御などの技術がさらに加わったアップグレード版だ。
また、ウェアラブル機器のGearシリーズとGALAXYスマートフォンの音声認識サービスを介して、エアコン・ロボット掃除機・照明などをいつでもどこでも操作できる。サムスン電子の製品だけでなく、玄関ドアロック・IPカメラ・スマートプラグなど、他の製品もスマートホームの接続対象に拡大した。
シーメンスの家電ブランドであるBSHは、IFA 2014でスマートホームソリューション「ホームコネクト」を公開する。アプリ形態の「ホームコネクト」を使用すると、BHSが出荷する家電製品を接続し制御できる。来年には自社製品だけでなく、ブランドの異なる家電製品も統合制御できるようにする計画だ。ドイツの高級家電ミーレも最近、家電製品を制御できるアプリを発表した。