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コーロン、自律経営で躍進…アラミドやポリミイドで


  • コーロン、自律経営で躍進…アラミドやポリミイドで

  • コーロンインダストリーが開発した透明PI。 [写真提供=コーロンインダストリー]


コーロングループ(Kolon Group)はコロナ19の拡散という悪材料の中でも好調を続け、成長を続けている。業界では李雄烈(イ・ウンヨル)コーロングループ会長が経営の一線から退いた後、試験台に上がったコーロングループの自律経営体制が軌道に乗ったという評価が出ている。李雄烈会長がこれまで20年のあいだ強調してきた自律経営文化が危機の中で光を放ったという分析だ。

5日の業界によると、コーロンインダストリーは今年の第1四半期に予定されていたアラミド亀尾工場の増設を予定より早く終えた後、本格的な販売に突入した。これによってコーロンインダストリーの年間アラミド生産量は、従来の6000トンから7500トンに25%ほど上昇した。生産量は増えたがアラミド(aromatic polyamide)の注文が押し寄せて、在庫なしで売られている。

スーパー繊維と呼ばれるアラミドは、昨年の石油化学業況の不況の中でも成長し、コーロンインダストリーの実績に孝行役を果たした。合成繊維は摂氏200度の温度で溶けるが、アラミドは500度の高温にさらされても黒く変わるだけで、防弾服をはじめ消防用防熱服などに使用される。アラミドの需要は5Gの商用化にともなう光ケーブルの構築などとかみ合って爆発的に増える傾向にある。

10年を超える研究開発(R&D)の末に出荷された「透明ポリイミド(PI)」も最近、売上げ高は上昇に入った。フォルダブルフォンのディスプレイに使われる透明PIは昨年7月、日本が輸出規制リストに上げただけに、核心素材としてあげられる。日本企業だけが生産できたが、コーロンインダストリーは2000年代半ばから透明PIの開発を始め、2017年12月に世界初の年間100万平方メートル、スマートフォンで2500万~3000万台に搭載することができる量産設備を完成した。「CPI」というブランドで発売されたコーロンインダストリーの透明PIは、フォルダブルフォンが本格的に発売されて注文が押し寄せている。業界関係者は、「CPIも物量を確保するのが難しいほど」だとし、「フォルダブルフォンを生産・準備している各企業がテスト・製作用に購入している」とした。

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  • コーロンインダストリーとコーロングローバルの営業利益


コーロングループの中核会社であるコーロングローバルも、今年の第1四半期の営業利益が307億ウォンと前年同期比で9.2%も成長し躍進している。京畿道水原地域の団地の住宅建設をはじめ、光明市~ソウル間の高速道路や風力発電事業の進捗速度が速く、売り上げは大きく上昇した。業界関係者は、「李会長が経営の一線から退いた後、コーロングループが動揺するのではないかという懸念が多かった」とし、「高付加価値製品と技術力を土台に危機を乗り越えて、自律経営が定着したという分析が出ている」と語る。

今年の初めのSKCコーロンPI株の売却もまた、コーロンインダストリーの自律経営の事例としてあげられる。コーロンインダストリーは将来の成長のための資金を調達するために、今年の初めにSKCコーロンPIの保有株を果敢に売って3035億ウォンの現金を確保した。オーナー企業でありながら会長が不在の場合、買収・合併(M&A)のような事案について決定を下すケースはほとんどない。コーロンインダストリーは独自の判断の中で、果敢に事業を整理する道を選んだ。

コーロングループの自律経営がすばやく定着することができた理由に対して、業界は逆説的にも李会長が残した遺産だと言う。

李会長は2000年に国内の大企業の中では初めて、服装の自律化を宣言して硬直した思考から抜け出すことを注文したことに続き、翌年は「自律・責任経営体制が定着するように力を尽くしてほしい」と人事権を系列各社の社長らに委任した。 CPIとアラミドに対する継続的な投資も、自律経営のためには高付加価値製品に裏付けされるべきという判断からだった。現在、李会長はソウル市の江南に個人事務所を開設し、個人で創業やベンチャー投資を準備していると伝えられた。

李会長の退場後、コーロングループは主要系列会社の社長団が参加する協議体である「ワンアンドオンリー委員会」を置いて、グループの長期経営方向や大規模な投資などの主要な経営懸案を調整してきた。毎月2回開催されるワンアンドオンリー委員会には、持株会社であるコーロンのユ・ソクチン社長を委員長として各系列会社の社長が参加している。コーロンは毎年1月の初めに会長に一年の経営計画を報告した年頭報告の代わりに、逆に社長団が役職員に事業部べつの年事業計画と方向を共有する「リバースセッション」も開いた。
  • 毎日経済_ウォン・ホソプ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2020-06-05 19:31:16




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