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韓国産1号ボトックス「メディトキシン」…不名誉退場

メディトックス社「法的対応乗り出す」 

国内ボトックス市場の強者であるバイオ企業のメディトックス(Medytox)社が開発した国内初のボツリヌストキシン製剤「メディトキシン」が史上から退出する。ボツリヌストキシン製剤は美容・整形などに使われるバイオ医薬品で、初めて開発会社である米国アラガン社の名を取って、通常は「ボトックス」と呼ばれる。変形性関節症の治療薬である「インボサ」に続き、米許可の原液を使用したことが摘発されてメディトキシンの品目許可が取り消されやことで、Kバイオ市場の信頼がまた打撃をこうむるものと見られる。

食品医薬品安全処は18日、3つのメディトキシン品目(50・100・150単位)について、25日付で許可を取り消しと述べた。

これにより、2006年の国内1号ボトックス製品として市場に登場したメディトキシンは、14年ぶりに消費者のそばを離れることになった。メディトキシンは50・100・150・200単位などの容量を異にした4つの製品を持っているが、病院で患者の状態や適応症に応じて異なって使ってた。食品医薬品安全処がメディトキシンに対する品目許可取り消しを最終決定したのは、メディトックスが当初の許可内容とは異なる原液を使用して書類を操作するなど、薬事法に違反したと判断したからだ。操作された資料を提出し、国の出荷承認を受けて薬品を市場に販売したと結論を下した。

これと関連し食品医薬品安全処はメディトックス側に、流通しているメディトキシンの回収・廃棄を命じた。また食品医薬品安全処はメディトキシンのほかにメディトックスの異なるボトックス製品「イノトックス」に対しては、製造業務停止3ヶ月に相当する課徴金1億7460万ウォンを賦課した。ただし許可取り消しにもかかわらず、メディトキシンの安全性に対する懸念はないと評価した。食品医薬品安全処の関係者は、「メディトキシンの使用状況とボツリヌストキシン製剤全般に対する国内外の臨床論文は、一定期間の効果を出した後に体内分解される特性などを総合した中央薬事審議委員会の諮問結果、安全性の懸念は大きくないとの意見が集められた」と説明した。

これに対してメディトックス側は「(取消処分を受けた)製品は2012年12月~2015年6月に生産されたものでかなり前に売りつくし、もはや存在しない」とし、「現在流通している製品は2017年4月以降に製造された医薬品で、食品医薬品安全処の流通製品回収検査で適合判定を受けた」と明らかにした。メディトックスは品目許可取消などの処分に対し、効力停止仮処分申請と処分取り消し請求訴訟などで対応する方針だが、品目許可取り消し措置で事業萎縮は避けられない見通しだ。昨年、メディトックスの事業報告書によると今回品目許可が取り消された3つの製品は、同社の総売上げ(2059億ウォン)に占める割合が42.1%に達するほどだ。金額では867億ウォンに達するが、これを許可取り消された国内販売に狭めると416億ウォンで、総売上げに対して20.2%の水準だ。しかし国内の許可が取り消されただけに、海外市場でも返品や輸出契約の中断などにつながる場合は大幅に売上げが減少する可能性が大きい。

さらには米国国際貿易委員会(ITC)が来月6日(現地時間)にメディトックスと大熊(テウン)製薬間のボツリヌストキシン菌株源泉所有に対する予備判定を下す予定も関心事だ。もしもITCが大熊製薬の手を挙げたならば、メディトックス側は訴訟費用と企業イメージへの打撃などで被る損害は倍になると思われる。メディトックスは昨年1月、大熊製薬がボツリヌストキシン製剤原料となる菌株と製造工程の技術文書などを盗んだとITCに訴訟を提起した。またメディトックスは中国進出のために2018年2月にメディトキシンの品目許可を申請したが、まだ回答を受けられずにいる。今回の許可取り消しに否定的な影響が拡散して、中国への進出がさらに遅くなることがあるという懸念も提起される。

このように悪材料が相次いでいるが、会社がドアを閉めるほどの深刻な状況にさらされることはないというのが業界の大半の意見だ。メディトックスがボツリヌストキシン製剤だけでなく、フィラー事業も行っており、メディトキシンのほかにイノトックスとコアトックス(CORETOX)のような改善されたボツリヌストキシン製品ラインを持っているからだ。

メディトキシンの再承認の可能性もある。食品医薬品安全処は、「メディトックスが正しく原液資料を提出し、品目許可を再申請すれば、1年以内に再承認も可能だが、今回の取り消しで市場の信頼を失っただけに、再承認を申請するかは未知数」だと述べた。
  • 毎日経済_キム・ビョンホ記者/ソ・ジヌ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2020-06-18 17:19:24




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