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KAI、最新ヘリ「チャムスリ」公開…自動操縦など装備

自動飛行制御装置など最尖端機器を装着 

  • KAI、最新ヘリ「チャムスリ」公開…自動操縦など装備

  • 17日、韓国航空宇宙産業(KAI)が国産ヘリコプター「スリオン」をベースに開発した警察用ヘリコプター「チャムスリ(KUH-1P)」が、慶尚南道の泗川近くの海岸上空を飛行している。 [写真提供=韓国航空宇宙産業]


「9号機、リフトオフ(離陸)」

17日午後、慶尚南道泗川(さちょん)の韓国航空宇宙産業(KAI)本社内の滑走路。パイロットの言葉とともに、警察用ヘリコプター「チャムスリ(KUH-1P)」がスムーズに空に浮かんだ。チャムスリはゆっくりと高度を高めた後、低空で停止状態を維持する「ホバリング」を実行した。驚くほど静かだったし、振動もほとんどなかった。搭乗のために近づいた時の、全身を襲った轟音と風圧とは別の世界の話だった。

目を閉じてみると、まるで旅客機に乗っているようだった。 「ご覧のように操縦桿をにぎらずに、オートパイロット(自動飛行操縦装置)で飛行している」という言葉が聞こえてくるので、コックピットの方に頭を回した。パイロットが目的地を入力するとコックピットに設置された大型モニターに、車のナビゲーションのように飛んでいく航路が描かれ、チャムスリ(大鷲)は通常の航路に沿って南海上を飛行し始めた。うっとりとするようなエメラルド色の海が広がる。この日のKAIが用意したチャムスリ警察用ヘリコプター搭乗体験イベントは、このようにして始まった。

40分あまりの飛行時間のあいだ、パイロットは戦術機動試験を行うときにのみ操縦桿を握った。この日、操縦桿を握ったのはパク・ヒョンシク京畿北部地方警察庁航空隊警衛だ。 500時間以上のスリオン操縦経験を持つパク警衛は、「これまでのヘリコプターは操縦桿を握り続ける必要があるが、チャムスリは自動飛行制御装置(AFCS)があって操縦快適性と安定性が良好」だと語る。パク警衛は山岳地帯に敵が駐屯したと仮定して、尾根に沿って迅速かつ柔軟な起動能力を誇って見せた。 3次元的に機動しながらも、恐怖感をもよおさない安定感が目立った。

パイロットのほかに計12人が搭乗することができるチャムスリは、KAIが開発した韓国型機動ヘリ「スリオン」を警察業務に合わせてアップグレードしたもので、最近では済州道・全羅南道・京畿北部地方警察庁などに配備された。アクティブ振動制御システムを搭載し、振動をほとんど感じることができないほどだったし、電気光学赤外線カメラと気象レーダーなどの尖端機器が搭載された。

航空画像の無線伝送装置を介して、飛行中に撮影した映像がリアルタイムで治安状況室に転送され、即時に現場確認と指揮統制が可能だ。外部補助燃料タンクも装着されており、島嶼地域でも飛行任務を遂行することができる。 12インチの大型コックピットのモニターとタッチスクリーン式コントローラが新たに採用されており、GPSとレーダー高度計などの航法装置も搭載されて操縦利便性と安全性が大幅に向上した。

この日、KAIは慶尚南道・産業人力公団と「雇用許可制外国人労働者支援のための相互業務協約(MOU)」を締結した。雇用許可制は、内国人を求めることができず労働力不足を経験する中小企業などが、合法に外国人労働者を雇うことができるようにする制度だ。 KAIは条約に基づいて、外国人労働者に航空機の生産現場の見学や地域文化体験などの多様なプログラムを提供する計画だ。

KAIは今回の締結式と連係して、イベントに参加した雇用許可制参与国の大使らと外交関係者を対象にチャムスリ搭乗イベントを行った。対象国は国産航空機を運用しているインドネシア、タイ、フィリピン、ベトナム、カンボジア、ラオスなどのアセアン加盟国を含めて16カ国だ。搭乗イベントは輸出のための、一種のショーケース舞台だというのがKAIの関係者の説明だ。

この日の行事はアン・ヒョノKAI社長が直接企画したことが分かった。これと関連し、アン社長は会場で記者らと会って「最近、コロナ19の影響で航空産業が大変苦労しており胸がいたい。顧客国の目線に合わせた航空機の開発と生産を介して乗り越えたい」と輸出拡大に対する意志を明らかにした。
  • 毎日経済_泗川=チェ・グンド記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2020-06-18 21:03:20




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