サムスン電子…「Kチップ時代」構想の実現に拍車

協力社との関係強化 


  • 30日、セメス社の天安事業場を訪れた李在鎔(イ・ヂェヨン)サムスン電子副会長が、半導体装置の生産ラインでクリーンプロセス装置の内部を見ている。 [写真提供=サムスン電子]


李在鎔(イ・ヂェヨン)サムスン電子副会長は、国内半導体の生態系を強化する内容の「Kチップ時代」戦略をうち出した後、最初の現場経営の歩みとして半導体・ディスプレイ製造装置の子会社であるセメス(SEMES)社を訪問した。李副会長は今年の6回にわたる半導体現場の管理と社長団会議などを通じて、コロナ19や米・中貿易紛争、韓・日葛藤の悪化などのさまざまな不確実性と関連した危機管理を進めながら、ファウンドリ(半導体受託生産)とNAND型フラッシュメモリへの18兆ウォン投資など未来への準備を進めたが、今回は素材・部品・装置の競争力と生態系を育てる動きを見せた。

李副会長は30日、忠清南道天安(ちょなん)市のセメス社を訪問し、中長期の事業戦略を議論した。李副会長がこの会社を訪問したのは初めてだ。

李副会長は去る6月25日、国内半導体の生態系強化を通じて素材・部品・装置関連の各企業とサムスンの事業競争力を高め、日本の輸出規制拡大に対する可能性と米・中貿易紛争などの不確実性に対応する「Kチップ時代」構想をうち出した。このことから、この日の現場管理は「Kチップ時代の戦略」を強調・実現するためのものだろうという評価が出ている。

セメス社を訪れた李副会長は、「不確実性の終わりを知ることができず、長い道のりだ。疲れてはいけないし、停まると未来がない」と、サムスンと半導体事業を取り巻く不確実性・危機感などを吐露した。この日の現場経営に半導体などを総括する金奇南(キム・ギナム)サムスン電子デバイスソリューション(DS)部門長・副会長、李東燻(イ・ドンフン)サムスンディスプレイ社長、朴学圭(パク・ハクキュ)サムスン電子DS部門経営支援室長、姜皓奎(カン・ホギュ)サムスン電子半導体研究所長とセメスのカン・チャンジン代表など、サムスンの部品・機器事業の経営陣が参加した。李副会長は特に主要経営陣と、△半導体・ディスプレイ製造装置産業の動向、△設備の競争力強化策、△中長期事業戦略などを議論した。

李副会長はこの日の午前11時30分頃にセメスに到着し、特許などの現況説明を受けた後に社員食堂で昼食をとり、その後社長団会議を進行した。続いて製造装置の生産工場現場を直接見学し、社員を激励した後の午後3時30分頃に現場を去った。

セメスはサムスン電子が1993年に設立した半導体・ディスプレイ製造用機器の専門企業だ。京畿道華城と忠南道天安に事業所を置いており、2000人の従業員が勤務している。セメスはサムスン電子の半導体生産拠点がある米オースティンと中国西安にも法人を置いている。 2017年の国内半導体・ディスプレイ装備メーカーの中で初めて売上高2兆ウォンを超え、世界的な機器メーカーの隊列に合流した。

この日の動きは先月25日に「Kチップ時代」戦略が発表されたことに続き、先月26日に大検捜査審議委員会がサムスンバイオの粉飾会計疑惑と関連し、李副会長に対する捜査中断・不起訴を勧告した後の最初の現場経営であることからさらに注目を集めた。 「Kチップ時代」戦略への強い意志を見せ、危機管理と将来の準備のための非常経営を続けていくという意志を見せたという評価だ。

また、日本が半導体・ディスプレイの3つの核心素材の対韓輸出規制を実施してから1年になる時点で、装置企業を訪問した点に対しても、日本の対韓輸出規制の拡大の可能性に先制的に対備・点検する次元だろうという解釈が出ている。李副会長は昨年7月に日本が半導体核心素材に対する輸出規制を強行し、素材の需給不確実性が急激に拡大するやいなや、直接日本への出張に乗り出して危機管理に乗り出すこともした。

サムスン電子の半導体事業をめぐっては、△コロナ19の再流行・長期化による需要変動の可能性、△米・中対立の激化による規制拡大、△韓・日関係の悪化にともなう日本の素材・機器の対韓輸出規制拡大の可能性などが続いている。李副会長は最近、現場経営で「過酷で危機的な状況」だとし、「ともすれば淘汰される」などの言葉で危機感を表わしている。これによって同氏は先月、半導体社長団に不確実性によるシナリオに個別対応できるコンティンジェンシープラン作りを指示した。サムスン電子は他にもさまざまな捜査・裁判、追加起訴の可能性などで、組織混乱とリーダーシップの不確実性なども抱えている。

KAISTのイ・ビョンテ経営大学教授は、「すべての企業が急速に変化する技術とグローバルな環境に適応するために総力を傾けており、企業の最高経営責任者が行うことはのような変化に対応すること」だとし、「李副会長などサムスンの主要経営陣が追加起訴されると、裁判を準備することで経営に専念するのは難しいだろう」と指摘した。

イ・ビョンテ教授は「今はコロナ19などに対する危機管理を行い、未来を準備しなければならないゴールデンタイムであるだけに、経営に専念できる環境が重要」だとし、「検察は捜査審議委の決定を尊重しなければならない」と説明した。
  • 毎日経済_キム・ギュシク記者/チョン・ギョンウン記者/ファン・スンミン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2020-06-30 20:21:19