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サムスン電子、CPUとモデムをワンチップ化…「非メモリ」1等に拍車

「非メモリ」1等に拍車 

  • サムスン電子、CPUとモデムをワンチップ化…「非メモリ」1等に拍車

  • サムスン電子の労使は3日、ソウル市汝矣島の韓国労働組合総連盟会館で初めて挨拶をかわし、団体協約の交渉に乗り出した。サムスン電子のナ・ギホン経営支援室人事チーム長(副社長・右)が韓国労総傘下のキム・マンジェ全国金属労働組合連盟委員長(左第2)に挨拶している。労使間で団体協約が締結された場合、1969年のサムスン電子創立以来で初の事例として残る見通しだ。 [ハン・ヂュヒョン記者]



サムスン電子は来年から5㎚(ナノメートル/1㎚は10億分の1メートル)の超微細工程を適用した半導体を本格的に量産し、ファブレス(半導体設計)とファウンドリ(受託生産)の「二頭立て」に乗り出す。ファブレスは5ナノメートルの統合ワンチップモバイルアプリケーションプロセッサ(AP)で中国スマートフォン市場の攻略を本格化し、ファウンドリは第3四半期に量産を開始した米クアルコムと米NVIDIAに続き、米インテルからの大型受注を期待しているところだ。サムスン電子システム半導体事業の売上げは今年17兆ウォンを超え、来年は20兆ウォンを突破するとの見通しも出ている。

3日の半導体業界によると、サムスン電子は5ナノ工程を安定させて、来年から5ナノメートル基盤のモバイルAPワンチップの量産に突入する。半導体プロセスの微細化の尺度であるナノメートルは、チップの回路線幅を意味する。回路線幅を細くするほど同じサイズのウェハからより多くの半導体が生産できて価格競争力が高まり、性能と電力効率も改善される。現在、全世界で5ナノメートルプロセスを安定化させた企業は、ファウンドリで世界1位の台湾TSMC社と2位のサムスン電子だけだ。

サムスン電子はさらにAPとモデムチップを合わせたワンチップAPで、スマートフォンの頭脳であるモバイルAP分野での競争力を高めた。サムスン電子の関係者は、「ワンチップは従来比でコストを削減することができるだけでなく発熱も減り、APとモデム間の信号の往来時間をなくしてチップの性能が向上する」と説明した。

またワンチップ化はチップの厚さが薄くなり、よりいっそうスリムなモバイル機器のデザインも実現できる。サムスン電子は来年1月に出荷する「ギャラクシーS21」スマートフォンのモバイルAPである「Exynos(エクシノス)2100」を5ナノメートル・ワンチップで量産する計画だ。

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市場調査機関のカウンターポイントリサーチによると、第2四半期の世界の携帯電話用AP市場でのサムスン電子のシェアは約13%で、米クアルコム(29%)、台メディアテック(26%)、中ハイシリコン(16%)に次いで米アップル(13%)とともに4~5位に上がった。サムスン電子はギャラクシースマートフォンだけでなく、中国などのスマートフォンメーカーにAPを積極的に供給し、クアルコムを追い抜くという目標だ。すでに昨年から世界3~6位のスマートフォンブランドである中ヴィーヴォ(Vivo)などにエクシノスを供給し始めた。サムスン電子は12日、5ナノ基盤の「エクシノス1080」を中国で発表する予定だが、この製品もシャオミやオポ、ヴィーヴォなどに供給することが期待される。

サムスン電子システム半導体事業の一方の軸であるファウンドリでも、第3四半期から大規模な供給量が続々と生産されている。まず「スナップドラゴン875G」などの米クアルコム社製モバイルAPが前四半期に量産に突入した。業界ではこの物量は年間5億~6億台だろうと推定する。またサムスン電子はグラフィックス処理ユニット(GPU)の世界第一人者である米NVIDIAの最新型GPUに対する受託生産を開始した。

半導体業界では、サムスン電子がインテルの次期中央処理装置(CPU)の生産も受注するかに関心を集めている。インテルは独自の7ナノ工程の実用化が遅れ、チップ生産の外注を予告している。特に先月28日(現地時間)にはインテルのラジャ・コドゥリ上級副社長が、サムスン電子がオンラインで行ったファウンドリ半導体イベント「セーフ(SAFE)フォーラム」に講演者として参加して、サムスン電子の受注に対する期待感を高めた。半導体業界の関係者は「サムスン電子のファウンドリ事業部に、最近はインテルから実務者の訪問が大幅に増えた」とし、「近いうちに大型契約を結ぶことがあるかもしれない」とした。

このように、今年に入ってサムスン電子のシステム半導体事業が急速に成長しつつ、業績の向上も期待されている。サムスン電子はシステム半導体事業の正確な実績を公開していない。しかし業界では2018年までは15兆ウォンを下回っていたサムスン電子のシステム半導体の売上げは、今年は17兆ウォンを軽く越えて、来年には20兆ウォンを突破するとにらんでいる。
  • 毎日経済_イ・ジョンヒョク記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2020-11-03 19:36:44




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