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現代自「次世代電気自動車プラットフォーム」公開


  • 現代自「次世代電気自動車プラットフォーム」公開

現代自動車グループは次世代電気自動車の骨組みである専用のプラットフォーム「E-GMP(Electric-Global Modular Platform)」の実物を初めて公開した。急速充電が可能で、一回充電で500キロメートルまで走ることができる現代・起亜自動車の新しい電気自動車は、来年からこのプラットフォームに基づいて製造・出荷される。

2日午前、現代自動車グループはオンラインでE-GMPの実物と動作原理などを紹介する「E-GMPデジタルディスカバリー」イベントを開いた。 E-GMPは現代自動車グループが電気自動車跳躍への元年と明らかにした来年から順次リリースする、現代自動車製「アイオニック5」と起亜自動車製「CV(プロジェクト名)」などの次世代電気自動車のラインナップに適用される。

このプラットフォームは車両の床のバッテリーシステムと前輪と後輪の電気モーター、電力充電口などでシンプルに構成されている。「モジュール」戦略で車両構造を単純にしたことが最大の特徴だ。 E-GMPという一つのプラットフォームに基づいて、車種や車級の境界を越えて柔軟な製品開発が可能となる。セダンや多目的車(CUV)あるいはスポーツ用多目的車(SUV)など、さまざまな形態の電気自動車を作ることができるわけだ。

モジュール構造を通じて車両の内部空間が大きく広くいなるという点も目を引く。車両の床にバッテリーを配置するため、フロアはでこぼこなく平らになる。特に既存の内燃機関車では大きなスペースを占めていたエンジンの代わりに、比較的軽い駆動モータを配置したうえに、部品の簡素化で前輪と後輪の車軸間の距離(ホイールベース)もさらに長くなり、室内空間ははるかに広がる。バッテリーを下部に低く位置させた低重心設計と理想的な前後重量配分で、優れた旋回性能や信頼性の高い高速走行も可能だ。

■ 充電と走行性能を大きく改善

充電と走行などの性能面でも完全に進化した電気自動車が来年から出荷される予定だ。 E-GMPは既存の他の電気自動車が使用する400V充電システムとは異なり、400Vと800Vの両方を使用する「マルチ急速充電」システムを採用している。国内外の大半の急速充電設備は400V充電システムを備えた電気自動車のために、50~150キロワット級の充電器を備えているが、最近ではより高速な充電のために800Vの高電圧充電システムを備えた電気自動車用350キロワット級充電器も増えている。このために現代自動車グループは全国12の高速道路サービスエリアとソウル都心の8ヶ所など、総20ヶ所に350キロワット級充電器を6台ずつ備えた充電ステーションを設置する計画だ。これで計120台の高電圧充電器が用意されることになる。

800V充電システムを備えたE-GMPで電気自動車を製造すると、高速充電器ではたった18分で80%の充電が可能となる。特に1回充電で500キロメートルの走行が可能で、5分間の充電だけで100キロメートルほどを走ることができる。現代自動車グループはE-GMPを活用して、来年から出荷される電気自動車の中でも、既存のNモデルやNラインモデルのような高性能電気自動車を別々に出す計画だ。すばやい加速力の高性能電気自動車モデルは、アクセルを踏んで3.5秒で時速100㎞に達するし、最高時速も260㎞まで実現できる。

■ 安全性問題も解決

現代自動車グループは今回のE-GMPを通じて、電気自動車における安全性の問題も改善した。車両前方にエネルギー吸収区間を設け、衝突時の車体などの構造物の変形を誘導することにより、衝撃を緩和する。特に車両下部の高電圧バッテリーの周辺は、超高張力鋼で囲んで衝突による安全性の問題が発生しないようにした。バッテリーケース中央部も車体に強固に密着させて、衝突エネルギーを効果的に分散する構造を備えている。

E-GMPには次世代電気自動車のために新たに開発されたモータと減速機、電力変換のためのインバータとバッテリーなどの新規「PE(Power Electric)」システムも搭載される。これにより、駆動に必要なモータ、動力を車両に必要なトルクと速度に変換・伝達する減速機、電力を変えてモータトルクを制御するインバータが一つに合わされた。モーターの最高速度を従来よりも30~70%向上させ、減速比を33%高めて小型モーターのサイズでもさらに金強い性能を出すことができる。

■ 電源車としても機能

屋外での電力供給が可能な「V2L(Vehicle to Load)」技術も目立つ。現在まで電気自動車は、外部充電器では車両内部への一方向充電のみ可能だった。しかしE-GMPは一般的な電源を車両外部にも供給することができ、バッテリー容量にしたがって17坪用のエアコンや55インチテレビを同時に24時間ほど稼動させることができる。 E-GMPを介して電気自動車という一つの大きな「補助バッテリー」が誕生したわけだ。現代自動車グループはE-GMPを活用して、来年から2025年までに23種の電気自動車を生産する予定であり、グローバル市場で年間100万台以上の電気自動車を販売する計画だ。
  • 毎日経済_ソ・ジヌ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2020-12-02 19:39:24




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