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ポスコ、二次電池素材事業のバリューチェーン完成が目前


  • ポスコ、二次電池素材事業のバリューチェーン完成が目前

ポスコグループ(会長チェ・ジョンウ、写真)は、電気自動車用バッテリーなどに使用される二次電池素材事業のバリューチェーン完成を目前にしている。ポスコは2018年、鉱権(採掘権)を取得したアルゼンチンの塩湖のリチウム埋蔵量が、当初の予想をはるかに上回る大ヒットまで享受し、二次電池素材の原料から陽極材・陰極材などの素材製品まで一貫したラインナップを取り揃える態勢だ。

ポスコは3日、鉱権を保有しているアルゼンチンの「オンブレ・ムエルト(Hombre Muerto)」塩湖の最終埋蔵量を評価した結果、リチウムの埋蔵量は買収当時に推算した220万トンの6倍の1350万トンであることが先月30日に確認されたと明らかにした。これは3億7000万台の電気自動車を生産できるレベルの埋蔵量だ。リチウムの濃度は平均921㎎/lで、全世界の塩湖のうちで埋蔵量と濃度の両方で世界最高の水準だ。今回の検証作業は世界的な塩水リチウム専門のコンサルティング会社である米モンゴメリー社が行なった。リチウム2次電池の陽極材の核心素材であり、電気を生成・充電の役割を果たす「白い石油」とも呼ばれる。

ポスコはまた、2次電池の陽極剤の必須原料である高純度ニッケルの生産も推進することを決定した。鉄鋼生産の工程で活用してきた銑鉄の生産と不純物除去技術力を土台、環境に配慮したニッケル製錬プロセスの開発のための投資を拡大していく方針だ。ニッケルは二次電池の放電時間を伸ばすために重要な役割を果たす。

陰極材の原料の鉛は、需給の多様化を図る。アフリカと豪州などの黒鉛鉱山を追加で確保するというものだ。現在、ポスコは黒鉛の全量を中国に依存している。これから抜け出して、長期的には中国産原料への依存度を50%以下に下げる計画だ。黒鉛は電気を生成するために陽極材から放出されたリチウムイオンを保存して再放出する機能を行う、安定性の高い素材として脚光を浴びている。

ポスコはこのほかにも、廃棄バッテリーからニッケル、リチウム、コバルトなどを抽出するリサイクル事業にも進出し、バッテリー資源の循環を通じた環境にやさしい歩みに乗り出す計画だ。

崔正友(チェ・ヂョンウ)ポスコ会長は、「ポスコは世界で唯一、リチウム、ニッケル、黒鉛などの原料から陽極材と陰極材まで、二次電池素材の一括供給体制を整えている」とし、「競争優位に基づいて二次電池の素材を、世界の最高レベルの事業に育成するためにすべての力量を集中するつもり」だと力説した。

ポスコグループの二次電池素材事業会社で陽極材と陰極材を生産するポスコケミカルは、このようなバリューチェーン完成のために先月、1兆ウォン規模の有償増資に踏み切った。ポスコからポスコケミカルに至るまでバリューチェーンを形成し、来る2030年までにリチウム22万トンとニッケル10万トンを独自に供給する一方で、陽極材40万トンと陰極材26万トンの生産体制を構築するということがポスコグループの腹案だ。これによって二次電池素材部門のグローバルシェア20%と、関連の売上げで年間23兆ウォンを達成することを目標としている。

ポスコは長期的には素材市場をこえて、二次電池市場で領域の拡大を準備している。代表的なものは全個体電池だ。電池の陽極と陰極との間にある液体電解質を固体に置き換えた次世代電池である全固体電池市場は、ポスコグループにはまた別の機会の場だ。全個体電池はエネルギー密度が高いため、電気自動車の走行距離を劇的に向上させつつ、充電時間は短縮させるという利点を持っている。
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  • 毎日経済_ハン・ウラム記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2020-12-03 17:39:49




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