韓PI尖端素材、ポリイミド(PI)フィルム製造で世界一



「スマートフォンなどのモバイル機器用ポリイミド(PI)フィルムを主に生産してきたが、今後はディスプレイ、半導体、自動車、飛行機になどで使用される製品群に広げるわけだ」。

PIフィルムの世界市場シェア1位のピーアイ尖端素材(PI Advanced Materials)のキム・テリム代表(写真)は、「当社はPIの生産能力や市場シェアの両方で世界1位だが、グローバルなPIフィルム市場の年間成長率は8%のひと桁の水準にとどまっているのが現実」だとし、「持続的な成長のために製品の多角化を積極的に推進し、PIを活用した総合素材開発会社に飛躍する」と明らかにした。

PI尖端素材は昨年末現在、3900トンのPIフィルムの年間生産能力で世界1位の座を守っている。また昨年、日本の矢野経済研究所の調査結果によると、PIフィルムの販売量を基準にした世界市場でのシェアが30.2%(3056トン)に達し、圧倒的1位を走っている。エンジニアリングプラスチックと呼ばれるPIは、通常のプラスチックよりも硬いながらも軽く、マイナス269度~プラス400度の間でも物性が変わらないほど耐寒・耐熱性が強く、金属を代替することができる。

現在、PI尖端素材が生産する主要製品は放熱シート用PIフィルムだ。スマートフォンを使用するときに多量の熱が発生するために放熱材料を入れなければならが、放熱シート用PIフィルムがこの役割を果たす。放熱シート用PIフィルムは熱伝導性に優れ、軽いうえに厚さを薄く加工することができる。 PI尖端素材がその次に多く生産する製品は、スマートフォンの延性銅箔積層板(FCCL)に装着されているPIフィルムだ。 FCCLはPIフィルムと銅箔をくっつけたも尾で、フレキシブル回路基板(FPCB)部品に使用される。

これらの主力製品のほかに、キム代表は製品の多角化戦略で5世代(G)移動通信機器に装着されるPIフィルムに大きな期待をかけている。キム代表は「5G用PIフィルムを国内で初めて、昨年に開発したことに続き、この製品よりも性能が20%ほど改善されたPIフィルムを追加で開発し、10月に量産に入った」とし、「来年に発売する5Gスマートフォンなどに本格的に使用する予定」だと語った。

今年、日本が寡占しているチプオンフィルム(COF)のPIフィルム市場にも進出した。キム代表は「フォルダブルフォンと大型ディスプレイの有機発光ダイオード(OLED)パネルを高解像度(8K)で実装するには半導体を搭載する必要がするが、この時に半導体をCOF用PIフィルム上に付着しなければならないので、COF用PIフィルム市場の展望は明るい」とし、「去る10月からCOF用PIフィルムの量産に着手した」とした。

電気自動車のモーターコイルを覆う、絶縁用PIワニス市場にも参入した。独自開発・量産に成功し、2ヶ月前から顧客に供給している。キム代表は「電気自動車のモーターはいくつもの銅線の巻かれているので、銅線どうしが短絡しないように絶縁処理を行うが、一般的な電線のように電線の外側部分にゴムをまけばモータサイズが大きくなりすぎて合わない」とし、「銅線の代わりにPIフィルムの原料であるワニスを、まるでマニキュアを塗るように塗ってある」と説明した。

半導体赤外線センサーに使用される絶縁用PIワニスも開発し、今年の上半期から販売に入った。キム代表は「半導体赤外線センサーを作るときは複数の工程を経たが、この過程で有色PIワニスをコーティングしてセンサーが壊れないように保護した後、工程が終了したらPIワニスを除去する」と説明した。これとともに、キム代表は「自律走行時代が本格的に到来すると、自動車のウインドウを介して動画などを見ることができる技術が開発されるだろう、それには回路基板が透明でなければならない」とし、「透明な基板に使用される透明PIワニスも開発する」と強調した。

またPI尖端素材はPIパウダー(粉末)に熱と圧力を加えて固体にした後、これを飛行機の部品や半導体製造装置部品などに応用する案も推進中だ。キム代表は、「PIパウダーに熱と圧力を加えると、強度は鉄よりも少し劣るがはるかに軽い」とし、「顧客に合わせてPIパウダー部品を製作・供給する予定だ」と語った。
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  • 毎日経済_シン・スヒョン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2020-12-06 20:26:17