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ポスコ、LNG推進船素材市場の先取りに乗り出す


  • ポスコ、LNG推進船素材市場の先取りに乗り出す

  • 現代三湖重工業がポスコから9%ニッケル鋼の供給を受けて建造した、世界初のLNG推進バルク船「グリーン号」。 [写真提供=ポスコ]


ポスコは将来の事業として親環境船舶の「液化天然ガス(LNG)推進船」に注目している。極低温のLNGを保存する燃料タンクに鋼材が使われるため、その素材市場をより迅速に先取りするという戦略だ。

30日の鉄鋼業界によると、ポスコはLNG燃料タンク市場が来年から本格的に成長すると見て、供給拡大案などを検討している。今後5年以内にLNGの需要が急激に増加するという判断からだ。 LNG燃料タンクの素材には「9%ニッケル鋼」と「高マンガン鋼」などが使用される。 9%ニッケル鋼はLNG燃料タンクの製作に最もよく使われる鋼種だ。氷点下163度でも破損しない、優れた強度が特徴だ。

ポスコは去る11日、現代三湖重工業の木浦造船所で命名式を挙行した世界初のLNG燃料推進バルク船(エコ号、グリーン号)にも、燃料タンク素材に9%ニッケル鋼を供給した。先だってポスコは2018年、海洋水産部とエイチライン、韓国ガス公社などと「親環境LNG推進船発注のための業務協約(MOU)」を締結した。その年の12月に現代三湖重工業は、LNG燃料推進バルク船を建造し始めて2年ぶりに完了した。

ポスコが独自に開発した高マンガン鋼も、LNG燃料タンクの素材として使用される。 9%ニッケル鋼の原素材であるニッケルよりも価格が低く埋蔵量が豊富で、需給面で安定しているという利点がある。品質面でも9%ニッケル鋼と大きな差がない。ポスコは2008年から高マンガン鋼の研究に着手し、2013年に量産技術の開発を完了した。使用期間が長くないことから、供給履歴が短いという点は欠点としてあげられる。

ほんらいLNG燃料タンクの素材は国際海事機関(IMO)の規定によって△ニッケル合金、△ステンレス鋼、△9%ニッケル鋼、△アルミ合金の4種類のみ使用が可能だったが、2年前に高マンガン鋼が追加された。ポスコは2017年12月当時、世界最大のLNG燃料推進バルク船だった5万トン級「グリーンアイリス号」に、燃料タンク用の高マンガン鋼を供給している。

ポスコ経営研究所によると、全世界のLNG推進船の建造規模は今年の20兆ウォンから5年後は6倍以上の130兆ウォンまで成長すると観測されている。 2029年までに発注予定の船舶は、2500~3000隻と推定される。 2030年になると国内で建造する船舶の60%がLNG推進船だろうという展望も発表した。ポスコの関係者は、「LNGの需要が大幅に増えると見て、LNG推進船の燃料タンク素材市場に注力する計画」だと語った。続いて「LNGを100%親環境船である水素の時代への過渡期の燃料として見る見方も存在するが、LNG推進船が今後30年を代表する親環境船舶であることには異論がない」と付け加えた。
  • 毎日経済_ソン・グァンソプ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2020-12-30 19:46:36




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