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サムスン電子、米AMDから受託生産のチャンスか


  • サムスン電子、米AMDから受託生産のチャンスか

世界の3大ファブレス(半導体設計専門企業)であり、米インテルとPC用中央処理装置(CPU)市場をめぐって争う米AMDが、半導体ファウンドリ(委託生産)の多様化を考慮していることで、サムスン電子が有力な受益者として浮上した。

尖端半導体の生産は事実上、サムスン電子と台湾のTSMCのみが可能で、米Apple(アップル)はTSMCの先進的な半導体生産ラインを独占した状況だ。 AMDの選択肢は、けっきょく「サムスン電子」しかないと半導体業界は見込んでいる。

メジャーな外信と業界の分析を総合すると、AMDは内部的にグラフィックス処理ユニット(GPU)などの一部製品の、今後の委託生産企業の多様化を検討している。すべて5ナノメートル(1ナノメートルは10億分の1メートル)以下の最尖端半導体製品が検討の対象だ。

現在、AMDは「第4世代」アーキテクチャ(半導体の基本設計)ベースのCPUと、「RDNA3」アーキテクチャーを基盤にしたGPUの生産をTSMCの5ナノプロセスラインに任せた。半導体業界の関係者は、「多様化とは言うが、しかし5ナノ以下の半導体を作ることができる企業はサムスン電子とTSMCしかないことから、AMDとしてはサムスン電子にかなりの量を分けることがありうるという話」だと説明した。

AMDの悩みは、アップルの「ブラックホール」のためだ。アップルはモバイルアプリケーションプロセッサ(AP)とノートPC用のCPUをTSMCに外注する、TSMCの最大の顧客であり、5ナノメートル以下の最尖端プロセスを独占している。米国の半導体市場調査機関「インフォメーションネットワーク」は、アップルがTSMCの売上げのうちの21~23%を占めると推定した。

とは言え、5ナノプロセスではアップルの割合が50%、最大で80%に達すると半導体業界は見ている。

今年、アップルはTSMC外注物量をさらに増やす計画だ。 AMDがTSMCの生産割り当て交渉で、アップルの後ろに押されたという噂も出ている。

TSMCに追いつき、2030年にはシステム半導体の世界1位を目指すサムスン電子には、大手顧客であるAMDを引き入れる絶好の機会だ。サムスン電子のファウンドリ事業部は、今年初めの時点でサムスン電子無線事業部(モバイルAP)と米クアルコム(モバイルAP)、米NVIDIA(エヌビディア)のGPUを8~5ナノプロセスの主要な顧客にしている。 AMDがサムスン電子にファウンドリを任せれば、サムスン電子としては世界5大ファブレス(クアルコム、ブロードコム、NVIDI、メディアテック、AMD)のうち3社を顧客にすることになる。

ただしAMDがサムスン電子にファウンドリを任せるといっても、すぐの生産は不可能だ。サムスン電子とAMDはファウンドリでの協業の履歴がない。サムスン電子が参考にするべきAMDの過去製品の設計図がないという話だ。両社が日程を共有してGPUの設計・開発に乗り出すといっても、少なくとも2年程度はかかると思われる。

もしサムスン電子とAMDの間の同盟が今年に実現すれば、実際の商品は2022年の後半に3ナノプロセスで生産すると予想される。
  • 毎日経済_イ・ジョンヒョク記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2021-02-02 18:04:05




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