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韓シージェン社、「コロナ診断キット」で売上げ10倍


国内最大の診断キットメーカーのシージェン(Seegene)社は、今年は1兆ウォン台の営業利益を狙っている。

昨年、中小企業の夢の売上げである1兆ウォンをはるかに超えて、1兆1880億ウォン(推定値)の大ヒット売上げ神話を書いたシージェンが、ふたたび神話創造を目前にしているわけだ。 2019年は1220億ウォンだったシージェンの売上げは、コロナ19診断キットの需要が世界的に急増し、昨年は10倍近くに爆増した。金融業界の主要アナリストらによると、今年の売上げも前年比20%ほど上がった1兆5000億ウォン台前後と予想される。

営業利益はさらに驚異的だ。 2018年に106億ウォン水準だった営業利益が昨年は7600億ウォン台を記録し、2年ぶりに72倍に大きくなったことに続き、今年の証券業界のコンセンサスは9200億~9300億ウォン規模だ。昨年と今年の両方で、売上げに対する営業利益率が60%を上回るほど収益性が優れている。

コロナ19ワクチンの供給が本格化して患者の数が減少すれば、コロナ19診断キットの需要も減少するおではないかという懸念の混じった視線もあるが、杞憂に過ぎないという指摘が出ている。ワクチンを接種するには、まず対象者がコロナ19に感染したのかを検査する必要があるため、診断キットの需要はむしろ増える構造という説明だ。

コロナ19診断キットを含め、150種類以上の診断キット製品を67カ国に販売しているシージェンが成功を収めたのは、世界最高の分子診断技術を確保しているからだ。分子診断と血液、喀痰、尿などに対する遺伝子検査を実施し、疾病を把握する手法だ。シージェンのチョン・ジョンユン代表は幼年時代に結核でひどく苦しみ、その後結核菌の種類や治療耐性に対する疑問を持って勉強を始めたことが2000年の会社設立につながった。シージェンはいくつかのウイルスを一度に同時診断できる多重診断技術の分野で、世界的に独自の技術力を備えたと評価されている。

シージェンの主力製品は同時診断キット「オールフレックス(Allplex)」シリーズだ。

先月26日、食品医薬品安全処の許認可を受けた最新の製品である「オールフレックス(Allflex)SARS-CoV-2」は、ツインデミク(感染症が二つ以上同時に拡散する現象)を念頭に置いて作成された同時診断キットだ。一回の検査でコロナ19とA・B型インフルエンザ、風邪と重症モーセ気管支肺炎を誘発する呼吸器細胞融合ウイルス(RSV)A・B型など、5種類のウイルス感染の有無を正確に診断することができる。昨年末に承認を受けた「オールフレックスSARS-CoV-2 Assay」製品から一段階進歩したものだ。

シージェン生命科学研究所の研究ディレクターであるイ・ミンチョル副社長は、「シージェンは売上げ基準で世界の分子診断業界の5位以内に入る」とし、「技術的な面では独歩的な存在感で、グローバルトップにある状態」fsと強調した。こそれとともに、イ・ミンチョル副社長は「シージェンの同時多重検査技術は、他の企業にはない革新性を実証した事例」だとし、「現存する分子診断技術をあわせて最も進歩的だろう」と自信を見せた。オールフレックスSARS-CoV-2は、30カ国以上から注文が殺到している。

世界最高の技術力を確保した背景については、副社長は「創業当初から研究開発(R&D)に焦点を当ててきたし、特許専門チームまで設けて知的財産権を徹底的に保護してきた」とし、「40カ国以上で源泉技術の特許登録を終えたが、世界の診断業界でこれほど特許に念を入れた企業はシージェンが唯一無二ではないかと思う」とした。

2000年の創業当時からチョン代表の主導でR&D人材への投資を惜しまなかったと、イ副社長は説明した。シージェンは年間売上げ1000億ウォン台水準だった2017~2019年にも、総売上げの10%水準である100億ウォン台の資金をR&Dに集中投資した。全社員(676人)の3分の1に達する280人あまりが研究人材だ。今年の上半期には、研究人材を従来の2倍の600人に大幅に拡大する計画だ。

またシージェンは10年前から世界各地に、大容量の自動化診断テストシステムを構築した。多くの国でシージェン社製診断キットを分析できる基本的なインフラを構築したことから、コロナ19のパンデミック中に診断キットをすぐさま輸出することができたとイ副社長は説明した。

シージェンは最近、英国と南アフリカ共和国に発するコロナ19変異ウイルスの出現に注目している。コロナ19変異ウイルスを正確に捕捉できる診断キットを迅速に出荷する計画だ。今年の売上げは昨年よりも20%以上に拡大すると見て、第1四半期中に診断製品の年間最大生産能力を5兆ウォンぶんの売上げを上げることができるレベル(昨年は2兆ウォン)に大きくする予定だ。このために昨年8月に購入した京畿道河南市の1万752平方メートル規模の敷地に5カ所の生産施設を増築している。
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  • 毎日経済_キム・シギュン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2021-02-02 19:17:09




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