束草・整形・Kポップ…世界文学の中心に上がった韓国文化



韓国を背景にした文学作品が海外で相次いで好評を得ている。韓国の特殊な地理的位置を背景にしたり、韓国の文化を素材とした作品に対して、海外で高い関心を見せるわけだ。韓国映画やKポップなどで始まった韓国文化への関心が文学にもつながるものと分析される。

11日の文学出版界によると、昨年末に発表した米国「National Book Awards(全米図書賞)」で韓国系作家Elisa Shua Dusapin(エリザ・スア・デュサパン)が2016年に発表した小説『束草での冬(Hiver à Sokcho)』が翻訳部門の受賞作に選ばれた。『束草での冬』はヨーロッパに行ったことのない20代の混血韓国女性を中心に展開する話だが、出版当時から韓国系海外作家が韓国を背景に小説を書いたという点で相当な注目を集めた。特に作家は執筆過程で泊まった束草のペンションと市場などを訪れたが、このような特殊な空間を小説に盛り込んだ。

デュサパンの小説では、束草はある「境界」として作用する。束草は海と陸地の断絶を意味しながら、私たちが生きていく土地の端であり未知の地で、進入することさえできない最後の都市として機能する。フランスで生まれパリで幼年期を過ごし、両親にしたがってスイスのチューリッヒを行き来しながら暮らしたデュサパンは、「私はいつもアイデンティティの混乱に苦しんだ」と打ち明けた。『束草での冬』はフランス語で書かれた後、スイスのPrix Robert-Walser(ローベルト・ヴァルザー賞)とフランス文学者協会新人賞をさらった。今回、同氏が受賞した全米図書賞は米国最高権威の文学賞として知られている。

小説家のFrances Cha(フランシス・チャ)が2年前に発表した長編小説『If I Had Your Face(邦題『あのこは美人』)』は、ルームサロン、整形手術、Kポップなど韓国文化の明と暗を適切に組み合わせて好評を受けている秀作だ。世界的な書評サイトのグッドリード(Goodreads.com)では、この小説に対するレビューコメントが現在2万8000件を超えて熱い関心を得ている。米ニューヨークタイムズと米ワシントンポスト、CNNなども、ブックレビューでこの本を扱った。

背景は現代のソウルだ。ルームサロンで働いた前歴のあるギュリ、芸術を勉強しようとニューヨーク行を選んだミホ、妊娠問題で悩んでいるウォナ、自分の容貌に不満足なスジンなどのさまざまな女性を扱う。小説に登場する女性たちはルックスを通じて一種の階級差を形成するが、海外では能力で不可視な階級差が生じることとは正反対だ。これら登場人物はルックスでお互いを分析し、評価する姿が描かれる。にもかかわらず無情で残忍な視線よりは、暖かい連帯と好感の視線が発見されることもある。

韓国女性の人生と悲鳴をあしらった詩人イ・ソホの英文版詩集『キャットコーリング(catcalling)』は現在、PEN America(ペンアメリカ)文学賞の翻訳詩賞部門の候補にあがっている。この詩集は2018年に金洙暎(キム・スヨン)文学賞受賞作で民音社から出版されたことがあり、米Open Letter Books(オープンレターブックス)から英文版で出版された後に現地で好評を得ている。

キャットコーリング(catcalling)とは、路上で男性が女性に向かって軽く話すか笛を吹くセクハラ行為をいう。イ・ソホは本名であり改名前の名前である「キョンジン」との自我分裂的な対話を通じて、韓国で女性として生きていくことの痛みを実験的な詩に盛り込んだ。中国詩人Duo Duoの『Words as Grain』、アラブ詩人Najwan Darwishの『Exhausted on the Cross』が同時に候補に上がった。

バラク・オバマもと米大統領が「本の最初の文からあなたを引き付けるであろう魅惑的な本」と推薦し、話題を集めた長編小説『パチンコ』も、20世紀初頭から現代に至るまでの韓国と日本を背景にした作品だ。小説を書いたイ・ミンジン氏は在日韓国人(ザイニチ)のディアスポラにレンズを向けて、植民地期の釜山影島をはじめ、日本の大阪に向かった一家の興亡と盛衰を扱う。他人の目には「犯罪の匂い」を漂わせる選択が、けっきょく生存と食べるための選択でしかなかったある兄弟の話を通じて、韓国の20世紀の悲しい歴史が文章として蘇る。これに先立ち、分断時代の韓国を照明した詩人チェ・ドンミ氏の『DMZコロニー』は全米図書賞を受賞し、受賞は不発だったがチョ・ナムジュ氏の『82年生まれキム・ジヨン』も全米図書賞の候補に上がった。
  • 毎日経済 | キム・ユテ記者
  • 入力 2022-01-11 17:02:55