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山寺の一夜、奇跡を願ってみます


  • 山寺の一夜、奇跡を願ってみます
「神よ、私が呼び出される時はどれだけ強力な火炎の中でもひとつの生命を救える力を私にください/遅くなりすぎる前に子どもを包み込めるようにしてくださり、恐怖に震える老人を救えるようにしてください/・・・/私が入っていって子どもを救えるようにしてください/私を早くに引き取って行かれたとしても無駄にしないでください/そして私が彼の差しだした手を掴むようにしてください-ある消防士の祈祷(Smokey Linn)

1985年、スモーキー・リンという消防士が綴った詩だ。命をかけて投入された火災鎮圧過程で3人の子どもを救いそこね、その罪責感に書いた詩だという。スモーキー・リンの心や読者皆さんの心、おそらく今は同じだろう。心が重い時、旅行の記事を書かなければならない私もまた申し訳ない気持ちだ。そこで今週は、淡々と心に元気を取り戻す所に行ってみる。希望・奇跡、そこでみな一緒に願ってみよう。

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  • 龍門寺テンプルステイ

◆断食テンプルステイ六地蔵寺

心が重い時、テンプルステイほどのものがあるだろうか。六地蔵寺はソウルから咫尺の地だ。仏光洞に入り、車で20分走れば到着。寺は淡泊だ。3万3000㎡に達する寺の敷地の真ん中に大雄殿が置かれているだけだ。玉階段に沿って降りると両側が善財堂と修禪堂だ。

ここは断食テンプルステイのメッカだ。1泊2日体験型で塩梅を見た後、気に入ったなら本格的に肉との戦争を繰り広げればよい。記者が到着した時間は午後5時頃。日程は残酷(?)だった。供養という名のついた夜の晩餐。断食チームにはりんご・にんじんをすって作ったジュースが全てだ。そのうえ隣では僧侶たち、舌鼓を打ちながらしきりに満足げに飯とナムルを混ぜて召し上がる。そうしながら、ぶすりと投げかける一言。「供養、真心を込めて召し上がるのです。勃然と一度に飲むものではありません。じっくりと噛んで召し上がってください。處士様、スプーン一杯ずつ自分の年齢の数ずつ、お分かりでしょう?」

熱が頭のてっぺんまでのぼる頃、続く順序が茶啖だ。文字そのまま僧侶と談笑をしながら茶を飲む。これが凄まじい。ヒーリング・テンプルステイのハイライト水準だ。

とくとくとジウォン僧侶(住職)の言葉が続く。「人生が重い」と言うと、そっと微笑まれる、「ただ放しなさい、すべて見送りなさい」という意味であるはずだ。

そうしながら尋ねる。八万大蔵経、それをちょうど5文字に短くすると何か分かるかと。しばし間を置いたかと思えば答えをくださる。「一切唯心造」だと。実にぴったりの言葉だ。すべての宗教の教理というのはそういうことだ。結局自分の役割は、心にかかっているのだ。

◆108拝・布行しながら心をしずめる
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寝る前にモグサお灸体験がある。これが名不虚伝だ。丹田(へその下指尺ひとつの地点)にモグサお灸の壺をのせて焼く時間だ。気血循環を助け、五臓六腑と内分泌腺の機能を強化してくれるという。体温も1度ほど高くなる。免疫性が最も高くなるという子どもの体温37度、その魔法の温度だ。

残酷な一日の日程を終え、眠りにつく時間は午後9時。起床は翌日の明け方4時だ。

4時30分から苦行が始まる。明け方108拝。玉階段を上って大雄殿に向かう途中、霧が立ち込める。まるで世の中が夢を見ているようだ。

がらんとした大雄殿。ともに体験に乗り出した處士たちと競争するように108拝を始めた。1拝、2拝、進行する間スピーカーからは「箴言」が耳朶を打つ。足がずきずきと痛んだ。瞬間、雑念が湧き出る。なぜ罪のないその多くの学生たちが、旅行客がとんでもない珍島の海の旅客船事故でそのように世の中を去らねばならないのか。どうかよい所へ行かれるように。

午前、簡単な供養を終えると最後のコース、布行だ。ゆっくりと歩きながら禅を行うという言葉だ。布行の後には寺の隅々を回りながら一日を整理する。

3つの地蔵菩薩・銅像が見える。その表情がポーカーフェイスだ。まるでこんな言葉つきだ。「捕まえたところで意味はない。そのように執着してどうする。すべてのものはただ、心にかかっている。もうすべて放してやりなさい」

▶▶テンプルステイに行くには

仏教文化事業団でテンプルステイ(www.templestay.com)サイトを運営している。ここで気に入った所をぽちっと押せばよい。

■ここがヒーリング・テンプルステイの名所

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1.元祖テンプルステイ「美黃寺」

テンプルステイが最初に始まったのが2002年韓・日ワールドカップの時だ。その時、初めて山門を開放した所が海南の美黃寺だ。元祖テンプルステイだということだ。とくに年中、随時開かれる「真人間の香り」は、ヒーリングの真髄を味わえるプログラム。風景も最高だ。美黃寺が定着した海南の達磨山は「南道の金剛山」とよばれる。
(061)533-3521 www.mihwangsa.com

2.林道のヒーリング「月精寺」

五臺山のふもとに位置した月精寺は「もみの林道」で有名な観光ポイントだ。空の果てに届くように突き上がるモミの木の林道に沿って一歩ずつゆっくりと歩いてみると、自然とヒーリングになる。3週間続くここ短期出家学校は、競争率が5対1に達するほどに人気があるヒーリングコース。
(033)339-6606 www.woljeongsa.org

3.最高の価値のある木がある楊平「龍門寺」

全国に龍門寺という名前の寺は3つだ。南海・慶尚道、そしてここだ。地形上、龍の頭に該当するので神々しく最上であるはずだ。ここ龍門寺は、913年(新羅 神徳王2年)大鏡大師が創建したと伝えられる。1兆6000億ウォン台の大韓民国最高の価値のあるイチョウの木もある。天然記念物第30号。秋にはこの実でつくった携帯電話ストラップをつくる体験プログラムもあるので、必ず一度は行ってみるとよいだろう。(031)775-5797 www.yongmunsa.org

4.チムジルバンのある南楊州「妙寂山」

妙寂山は新羅文武王の時代に元曉大師が創建した寺だ。とくに、テンプルステイ参加者のために建てたこじんまりとしたチムジルバンは人気最高。(031)577-1761

5.孝行の本刹 華城「龍珠寺」

正祖の切ない孝行心が込められた寺だ。悲運に人生を全うした実の父、思悼世子の位牌を奉り悶々とする思夫曲を歌った願刹だからだ。そのような正祖の孝行心を倣い「父母の恩恵」を振り返ることができるようにするテンプルステイを運営中だ。困り者の子どもにはぴったりのコース。
(031)235-6886 www.yongjoosa.or.kr
  • 毎日経済_シン・イクス 旅行・レジャー専門記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-04-18 15:55:10