家族の「情」を味わう食べ物

ニョッキ 

イタリアと韓国では食べ物に対する類似点が多いといわれている。

辛いものを楽しんだり、ニンニクをたくさん使用する点もよく知られている。麺とシーフードが好きな点や、両国の国民の気質も似ているという話もある(カッとなるところは本当によく似ている)。もちろん、事実とは異なって知られている点もある。

辛いものを食べる人が思ったり少ないというのが代表的なケースだ。このような似通ったケースを探していたら、スジェビに目がとまる。イタリア料理でいう、まさにニョッキがこれにあたる。スジェビのようでもあり、餅のようでもあり似ている点がある。

もともとイタリアでは、マンマ(mamma、お母さん)達は、自分が直接作った料理を家族に食べさせることをとても重要だと考えている。そのため、様々な形の麺を直接こねて餃子やニョッキを作る。このニョッキとはちょっと特別な食べ物だ。ジャガイモを茹でて小麦粉とチーズを混ぜて作るのだが、家族団欒でみんなで一緒に作るのにちょうどいい。麺は何というか、もっと職人的な技巧とマンマやノンナ(nonna、祖母)が作るが、ニョッキは誰にでも作れる。私たちが幼かった頃、子供たちもみんなでソンピョン(松餅)を作ったシーンのように。

まず、鍋いっぱいにジャガイモを蒸したり、茹でたりする。それを皮をむいてつぶした後、小麦粉とチーズなどを添え、みんなでそれを囲んで座る。そして色んな話をしながら綺麗にニョッキを作っていく。どんな形になってもかまわない。さなぎの形だったり、糸を紡ぐ紡錘のように作ったりもする。通常はやや楕円形に作りフォークで跡をつけることが多い。その跡にソースがたくさん溜まるようにするためである。

私がイタリアに滞在していた頃もニョッキをたくさん作った。レストランで売るために作っているニョッキを、レストランの主人の家族がやってきて一緒に作りながら食べることもよくあった。おばあさんたちが作るその姿はまさに神気に近い。私が10個を作る間に2倍は速くとても上手に作る。太い指でどうしてそんなに速く作れるのか!しかも、形も綺麗でソースが抜群に含有しやすいように作ってある。ソースは特別なことがない。トマトソースを添えたりチーズを溶かしてつけて食べる。

ニョッキは、実はスパゲティなどの麺類とは違う。スパゲティを食べる地方ではニョッキを食べなかった。

現在イタリアはひとつの国だが過去には別々の国だった。統一されて150年しかたっていない国だ。スパゲティは本来北部地方の食べ物ではなかった。スパゲティは乾燥させて食べなければいけないので、雨が降らない乾燥した土地で作る。

覚えているだろうか。韓国にはかつて小さな街や郊外にはどこにでも小さな麺屋があって、店の前にはずらっと麺を干して乾燥させていた。それを折って食べるいたずらっ子達がしかられてひどい目にあうことも多かった。

ナポリとシチリアがスパゲティの元祖だ。ここは夏でも雨が一滴も降らず太陽が灼熱する。すぐに麺がカラカラに乾燥し、保管するにも良く、美味しいスパゲティが作られた。一方、北部は夏でも雨が降ると常に湿度が高く、薄暗い。麺を乾燥させる適した場所ではないのだ。その代わり、寒いところだからジャガイモがよく育った。それを食糧としたところだ。そのため、イタリアの人々がみんなスパゲティだけを食べて生活していると思っていることは、この国がどれだけ広く多様なのかをよく理解していない証拠だ。

しかし、ニョッキだといって全てが同じニョッキではない。南部でもニョッキを食べる。南部は貧しい地帯である。北部独立党が別にあり、総選挙をすると、そこで20%近くの票を得る。北部から票が集中するためだ。現政府においても政権に参与するほどだ。

ともすればデモを起こし「南部の奴らのせいでまともに暮らせない」 と叫ぶ。この国は統一はされたが、人種的、歴史的にはなんの仲間意識もない。ローマ時代以後、一緒に住んでいたことがないが、一国になったりしたが、経済力の格差が大きいため統合ができないのである。

よく知られた話では、北部を切り離すと濃く人所得が5万ドルを越え、南部はその半分以下だという。とにかく、このような状態である南部は貧しいところである。そのため南部のニョッキはジャガイモよりも安い小麦粉をたくさん入れてありコシが強い。チーズソースではなくトマトをさっとつけて食べる。

北部は、ジャガイモがたくさん入っていてやわらかい。口に入れるととろりと溶ける。南部のニョッキがコシが強いのに対し、より贅沢な感じがする。ニョッキという料理自体が極めて庶民的なものであるにも関わらずこのような差が出る。

だからといって、ニョッキがこの半島で生きてきた人々にとって、古くからの料理でもない。ジャガイモは地理的発見後にアンデス山脈からヨーロッパに渡ってきたものだからだ。ジャガイモは、数多くのヨーロッパ、いや世界中の人々を救ったありがたい存在だ。

ジャガイモは栽培も簡単でカロリーもかなり高く、保存もしやすかった。おそらく、ヨーロッパがパンだけで生きてきたとすると現在のヨーロッパになることがあっただろうか。このように考えると、ゴッホのあの暗い絵画が思い出される。<ジャガイモを食べる人>という、ジャガイモで食を間に合わせたヨーロッパの貧しい農民を描いたその絵画が象徴するように、ジャガイモはニョッキに代わって数多くの人類の生存に貢献したから・・・
  • LUXMEN_パク・チャンイル/写真_ジョン・ギテク記者
  • 入力 2011-12-29 12:00:00